1. 企業情報
PRISM BioLab（206A）は、独自の創薬基盤技術「PepMetics」を用いた新薬の研究開発を行うバイオテクノロジー企業です。がん、自己免疫疾患、線維症などに対する低分子医薬品の開発を目指しています。E7386（CBP/β-catenin阻害剤）はがん治療の第II相臨床試験中、PRI724（CBP/β-catenin阻害剤）は肝硬変治療の第II相臨床試験中です。エーザイや大原薬品工業とのライセンス契約も締結しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
バイオテクノロジー業界に属し、タンパク質間相互作用を標的とする低分子医薬品の開発というニッチな分野に特化しています。競合他社との比較や具体的な市場シェアに関する情報は、現時点では開示されていません。
競争優位性: 独自の創薬基盤技術「PepMetics」を有し、特定の疾患領域に焦点を当てている点が強みです。
課題: 創薬ベンチャーとして、開発の進捗や資金調達、競合との差別化が課題となります。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣のビジョン: 創薬基盤技術「PepMetics」を基盤とした新薬開発を通じて、未だ治療法のない疾患に対する革新的な治療薬を提供することを目指していると考えられます。
中期経営計画: 中期経営計画に関する具体的な情報は、現時点では開示されていません。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル: 創薬開発が成功し、医薬品として承認されれば、販売による収益が見込まれます。また、提携企業からのライセンス収入も収益源となります。
市場ニーズへの適応力: 創薬技術は、変化する市場ニーズに対応できる可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向: 独自の創薬基盤技術「PepMetics」を活用し、細胞内タンパク質間相互作用を制御する低分子化合物の創薬に取り組んでいます。
主力製品: 現在、E7386（がん治療）とPRI724（肝硬変治療）が第II相臨床試験中です。
6. 株価の評価
EPS、BPSに基づく計算:
- EPS（会社予想）: — (未開示)
- BPS（実績）: 83.36円
- 株価: 255.0円
- PBR: 3.06倍 (株価 / BPS)
考察: PBRは3.06倍であり、1株あたり純資産に対して株価が割高になっている可能性があります。ただし、EPSが未開示のため、PERによる割安・割高の判断はできません。
7. テクニカル分析
株価推移:
- 直近10日間の株価は変動が大きく、224円から263円の間を推移しています。
- 年初来高値: 330円、年初来安値: 190円
- 50日移動平均: 258.78円、200日移動平均: 336.23円
- 直近の株価は、50日移動平均を下回っています。
- 52週安値から上昇していますが、52週高値からは大きく下落しています。
考察: 株価は、高値圏から下落傾向にあり、ボラティリティが高い状態です。
8. 財務諸表分析
売上高:
- 2024年9月期（実績）: 112,926千円
- 2025年9月期（予想）: 305,620千円
- 売上高は増加傾向にあります。
利益:
- 営業利益: 2024年9月期: -496,869千円、2025年9月期: -782,392千円
- 当期純利益: 2024年9月期: -526,914千円、2025年9月期: -1,049,514千円
- 営業損失、当期純損失ともに拡大しており、赤字が継続しています。
キャッシュフロー:
- 営業CF: 2025年9月期中間期: -696百万円
- 営業活動によるキャッシュフローはマイナスであり、資金流出が続いています。
ROE/ROA:
- ROE（実績）: -45.12%
- ROEはマイナスであり、自己資本を活用した収益性は低い状態です。
自己資本比率:
- 自己資本比率（実績）: 77.3%
- 自己資本比率は高く、財務基盤は比較的安定しています。
9. 株主還元と配当方針
配当利回り: 0.00%
1株配当: 0.00円
配当性向: 0.00%
考察: 現時点では無配であり、株主還元は行われていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価の変動:
- 直近10日間の株価は、224円から263円の間を大きく変動しており、ボラティリティが高い状態です。
- 5月12日には104万株を超える出来高を記録しており、関心が高まっている可能性があります。
株価への影響要因:
- 新薬開発の進捗状況（臨床試験の結果など）
- 資金調達の状況
- 市場全体のバイオテクノロジー株への投資家の関心
11. 総評
PRISM BioLabは、独自の創薬基盤技術「PepMetics」を持つバイオテクノロジー企業です。がんや肝硬変などの疾患に対する新薬開発を進めていますが、現時点では赤字が継続しており、業績は厳しい状況です。株価は高値から下落傾向にあり、ボラティリティが高くなっています。新薬開発の進捗や資金調達、市場からの評価が今後の株価を左右する重要な要素となります。投資にあたっては、リスクを十分に理解し、慎重な判断が必要です。
企業情報
| 銘柄コード | 206A |
| 企業名 | PRISM BioLab |
| URL | https://prismbiolab.com/ |
| 市場区分 | グロース市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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