1. 企業情報
クリーク・アンド・リバー社（以下、C&R社）は、映像、ゲーム、Web、広告などのクリエイティブ分野を中心に、医療、会計・法曹分野など専門職への人材派遣・制作事業を展開しています。近年はメタバースやNFT分野にも注力しており、多角的な事業展開を行っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
C&R社は、クリエイティブ分野の人材派遣・制作において一定のシェアを有していると考えられます。特に、映像・ゲーム分野では強みを持っています。
競争優位性:
- 多様なクリエイターネットワーク
- 専門性の高い分野への進出（医療、会計・法曹）
- メタバース・NFT分野への積極的な取り組み
課題:
- 景気変動の影響を受けやすい事業構造
- 人材獲得競争の激化
- 特定の分野への依存度
3. 経営戦略と重点分野
経営陣のビジョン:
- 「プロフェッショナルの生涯価値の最大化」を掲げ、クリエイターや専門職のキャリア支援を重視。
- AI/DX領域への投資を強化し、新たな事業機会の創出を目指す。
中期経営計画:
- 2026年2月期には売上高600億円、営業利益50億円、当期純利益32億円を計画。
- クリエイティブ分野、医療分野、IT分野などの成長を加速させる。
- AI/DX領域への投資を強化し、新たな事業機会の創出を目指す。
4. 事業モデルの持続可能性
収益モデル:
- 人材派遣、制作請負、権利管理など、多様な収益源を持つ。
- クリエイティブ分野に加え、医療、会計・法曹分野など高付加価値分野への進出により、収益性の向上を図っている。
市場ニーズの変化への適応力:
- メタバース、NFTなど、新たな技術トレンドへの対応を進めている。
- AI/DX領域への投資を通じて、事業の高度化を図っている。
5. 技術革新と主力製品
技術開発の動向と独自性:
- AI/DX領域への投資を強化し、業務効率化や新たなサービスの開発を進めている。
- オリジナルコンテンツの開発にも注力。
収益を牽引している製品やサービス:
- クリエイティブ分野の人材派遣・制作サービス
- 医療分野の人材紹介サービス
6. 株価の評価
EPS（1株あたり利益）: 151.31円（会社予想）
PER（株価収益率）: 9.65倍（会社予想）
BPS（1株あたり純資産）: 750.70円
PBR（株価純資産倍率）: 1.94倍
* 比較:
* 業界平均PER: 17.0
* 業界平均PBR: 1.8
現在の株価1460円は、予想EPSに基づくとPER9.65倍であり、業界平均と比較して割安感があります。PBRは1.94倍であり、業界平均とほぼ同水準です。
7. テクニカル分析
株価推移:
- 直近10日間の株価は、1442円から1488円の間を変動しており、1460円で取引されています。
- 年初来高値は1768円、年初来安値は1343円。
- 50日移動平均線は1542.54円、200日移動平均線は1566.05円。
- 52週高値からの下落率は-13.23%。
現状では、50日、200日移動平均線を下回っており、年初来高値からも下落しているため、やや弱気な地合いと見られます。
8. 財務諸表分析
売上高: 過去5年間で増加傾向にありましたが、直近1年間は伸びが鈍化しています。
営業利益: 2025年2月期は減益となっています。
当期純利益: 2025年2月期は減益となっています。
ROE（自己資本利益率）: 14.32%
ROA（総資産利益率）: 8.61%
自己資本比率: 58.6%
評価:
- 売上高は増加傾向にあるものの、利益面では課題が見られます。
- ROE、ROAは良好な水準を維持しています。
- 自己資本比率は高く、財務体質は安定しています。
9. 株主還元と配当方針
配当利回り: 3.08%（会社予想）
1株配当: 45.00円（会社予想）
配当性向: 37.14%
自社株買い: 過去には自己株式の取得を実施しています。
評価:
- 配当利回りは、一定の水準を維持しています。
- 配当性向は、37.14%と、まだ余裕があります。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価の変動傾向:
- 直近10日間の株価は、1442円から1488円の間を変動しており、方向感に欠ける展開となっています。
- 信用買残は増加傾向、信用売残は減少傾向にあり、買い優勢の状況です。
株価への影響を与える要因:
- 業績動向（特にクリエイティブ分野の動向）
- AI/DX領域への投資成果
- 人材派遣市場の動向
- メタバース、NFT関連市場の動向
11. 総評
C&R社は、クリエイティブ分野を中心に、医療、会計・法曹分野など専門性の高い分野へ事業を多角化している企業です。AI/DX領域への投資やメタバース・NFT分野への注力など、将来に向けた取り組みも行っています。
ポジティブな点:
- 多様な事業ポートフォリオ
- 高い自己資本比率
- 配当利回り
懸念点:
- 業績の伸び悩み
- クリエイティブ分野の市況変動の影響を受けやすい
- 人材獲得競争の激化
総合的な見解:
現在の株価は、PERやPBRから見て割安感があります。しかし、業績の伸び悩みや、今後の市況変動リスクなどを考慮すると、投資判断には注意が必要です。今後の業績動向、特にAI/DX領域への投資成果や、メタバース・NFT分野の動向を注視していく必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 4763 |
| 企業名 | クリーク・アンド・リバー社 |
| URL | http://www.cri.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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