1. 企業情報
- 企業名: 山田コンサルティンググループ株式会社
- 設立: 1989年7月10日
- 本社所在地: 東京都千代田区丸の内1-8-1
- 従業員数: 1,016人（平均年齢38.2歳、平均年収911万円）
- 事業内容: 主力は経営コンサルティング業務。事業再生・事業承継・M&Aコンサルティングに強みを持つ。加えて、海外（アジア・米国等）向けコンサルティング、組織人事、IT戦略、デジタル、企業ガバナンス、教育研修、不動産、業界特化型コンサルティングも展開。投資事業も手掛ける。
- セグメント構成（2024.3）:
- コンサルティング事業：売上高の約78%、営業利益率17%
- 投資事業：売上高の約22%、営業利益率15%
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 経営コンサルティング分野で国内有力企業。特に事業再生・事業承継、M&Aアドバイザリーで高い実績とブランド力を持つ。
- 競争優位性:
- M&Aや事業承継分野のノウハウ・案件数
- 地域金融機関や中堅企業とのネットワーク
- 投資事業による収益源の多様化
- 課題:
- コンサルタント人材の確保・育成
- 人件費・販管費の増加
- 業界全体での価格競争激化
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 「企業価値向上のパートナー」を掲げ、顧客企業の持続的成長・課題解決を支援。
- 中期経営計画の重点施策:
- M&Aアドバイザリーの強化
- 事業承継・事業再生コンサルの拡充
- 海外事業（アジア・米国等）展開
- 投資事業（未上場株式・不動産）の収益安定化
- デジタル・ITコンサル領域の拡大
- 進捗状況: 2025年3月期はコンサルティング事業が堅調に推移し、M&A案件増加が業績を牽引。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: コンサルティングフィー、M&A成功報酬、投資事業のキャピタルゲイン・配当等。
- 市場ニーズへの適応: 事業承継・M&A需要の拡大や、デジタル化支援ニーズに対応。人材確保・育成が持続性のカギ。
- リスク要因: 人件費・販管費の増加、景気変動によるコンサル案件減少リスク。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発・独自性: 経営課題解決手法の体系化、デジタルコンサルの強化。独自のM&Aマッチングノウハウ。
- 主力サービス:
- 事業再生・事業承継コンサルティング
- M&Aアドバイザリー
- 経営戦略・組織人事コンサル
- IT・DX支援
- 投資事業（未上場株式、不動産）
6. 株価の評価
- 株価: 1,595円（2025/5/29終値）
- 予想EPS: 143.99円
- 予想PER: 11.09倍（業界平均: 17.0倍）
- 実績BPS: 944.29円
- 実績PBR: 1.69倍（業界平均: 1.8倍）
- 配当利回り（予想）: 4.82%
- 評価: 業界平均PER・PBRと比較して割安感が見られる。配当利回りも高水準。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間は1,570～1,620円台で推移、やや横ばい。
- 移動平均線:
- 50日移動平均: 1,668.78円
- 200日移動平均: 1,944.35円
現在株価は両移動平均を下回り、年初来高値（1,988円）からは下落傾向。安値圏に近い水準。
– モメンタム: 直近はレンジ内で推移し、下値は1,570円付近でサポート。
8. 財務諸表分析
- 売上高:
- 2021/3: 15,315百万円
- 2022/3: 14,645百万円
- 2023/3: 16,450百万円
- 2024/3: 22,177百万円
- 2025/3: 22,761百万円（過去12か月）
増収傾向が鮮明。
– 営業利益:
– 2021/3: 2,252百万円
– 2022/3: 2,501百万円
– 2023/3: 2,871百万円
– 2024/3: 3,662百万円
– 2025/3: 4,132百万円
利益も着実に増加。
– 純利益:
– 2021/3: 1,394百万円
– 2022/3: 1,716百万円
– 2023/3: 2,114百万円
– 2024/3: 2,861百万円
– 2025/3: 2,882百万円
– ROE（実績）: 16.63%
– ROA（実績）: 11.68%
– 自己資本比率: 76.9%
– キャッシュフロー:
– 営業CF（過去12か月）: -165百万円（マイナス）
– フリーCF: 3,450百万円
– 財務安全性: 自己資本比率が高く、財務健全性は良好。
9. 株主還元と配当方針
- 配当実績・予想:
- 2024年3月期: 76円
- 2025年3月期: 77円
- 2026年3月期予想: 77円
- 配当利回り: 4.82%（予想）
- 配当性向: 44.22%
- 自社株買い: 自己株式保有比率4.07%
- 方針: 安定配当を継続
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動傾向: 直近1年で年初来高値1,988円から下落し、安値1,425円をつけた後は1,570～1,600円台で推移。
- 信用取引動向: 信用買残は高水準（信用倍率30倍超）、やや需給の偏りあり。
- 投資家関心: 配当利回りの高さや業績安定性から個人投資家の関心が高い。
- 影響要因: M&A市場動向、コンサル需要、配当方針、業績見通しなどが株価に影響。
11. 総評
山田コンサルティンググループは、事業再生・承継、M&A分野に強みを持つ経営コンサル大手であり、近年は売上・利益ともに増加傾向が続いています。財務基盤は堅固で、自己資本比率・ROEともに高水準。配当利回りも高く、安定配当を継続しています。
一方で、コンサルタント人材の確保や人件費上昇、信用買残の高さなどがリスク要因として挙げられます。株価は足元で安値圏にあり、業界平均と比較して割安なバリュエーションとなっています。今後もM&Aや事業承継市場の動向、経営戦略の進捗が注目されます。
企業情報
| 銘柄コード | 4792 |
| 企業名 | 山田コンサルティンググループ |
| URL | http://www.yamada-cg.co.jp |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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