日本化薬株式会社(4272) 企業分析
分析日: 2024年12月16日
1. 現在の株価の評価
株価: 1,277.5円
PER（会社予想）: 13.80倍
* 業界平均PER(20.4倍)と比較して低い。業績予想に対する市場の評価が低い可能性を示唆している。
PBR（実績）: 0.80倍
* 業界平均PBR(1.1倍)を下回っている。株価が純資産価値を大きく下回っており、割安感がある可能性を示唆している。
EPS（会社予想）: 92.73円
* 株価1,277.5円をEPSで割ると、株価収益率(PER)は約13.8倍となる。
BPS（実績）: 1,609.27円
* 株価1,277.5円をBPSで割ると、株価純資産倍率(PBR)は約0.8倍となる。
株価とEPS、BPSの比較: PERとPBRともに業界平均を下回っており、市場の評価が低い、もしくは割安と捉えることもできる。ただし、PER、PBRはあくまで相対的な指標であり、企業の成長性やリスクなどを考慮する必要がある。
2. テクニカル分析
直近の株価動向: 直近数日の株価は1,270円〜1,310円の間で推移しており、やや下落傾向にある。
高値・安値: 年初来高値1,420円、年初来安値1,173円と比較すると、現在の株価は年初来高値からは約10%下落、年初来安値からは約8%上昇している。
移動平均線: 50日移動平均線(1,244.21円)、200日移動平均線(1,266.99円)を上回っている。
3. 財務諸表分析
損益計算書: 過去数年で売上高は増加傾向にあるものの、営業利益、純利益は変動が大きい。2025年3月期第2四半期決算では、売上高は前年同期比で増加しているものの、純利益は減少している。これは投資有価証券評価損の影響とされている。
財務指標: 自己資本比率は高く(74.2%)財務基盤は安定していると言える。しかし、ROE(1.57%)は低い。 利益率(営業利益率、純利益率)も低い。
4. 業界のポジションと市場シェア
提供された情報からは、日本化薬の業界内での正確なポジションと市場シェアは不明である。
5. 経営戦略と重点分野
決算短信によると、日本化薬は「KAYAKU Vision 2025」に基づき、モビリティ&イメージング、ファインケミカルズ、ライフサイエンスの3つの事業領域を重点分野としている。
6. 事業モデルの持続可能性
多角化戦略をとっており、複数の事業領域に展開しているため、特定の事業の不振によるリスクを分散できる可能性がある。しかし、各事業領域の競争激化や技術革新への対応が今後の事業モデルの持続可能性を左右する。
7. 技術革新と主力製品
機能化学品(エポキシ樹脂など半導体関連)、医薬品(抗がん剤)、自動車部品(エアバッグインフレータなど)が主力製品と考えられる。技術革新については、具体的な情報が不足しているため、判断できない。
8. 株主還元と配当方針
予想年間配当金は45円(配当利回り3.52%)。配当性向は非常に高い(185.41%)。
9. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、やや下落傾向にある。信用倍率は5.75倍と高く、信用取引による価格変動のリスクがある可能性を示唆している。
10. 総評
日本化薬は多角化戦略を採る企業であり、財務基盤は安定している。しかし、利益率が低く、ROEも低い点が懸念材料となる。 PER、PBRは業界平均を下回っており、割安と捉えることもできるが、今後の業績の伸びが鍵となる。 今後の成長戦略、技術革新への対応、市場環境の変化などを注視する必要がある。
企業情報
| 銘柄コード | 4272 |
| 企業名 | 日本化薬 |
| URL | http://www.nipponkayaku.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
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