1. 企業情報
東京製綱は、ワイヤロープで国内最大手の企業です。橋梁や鉱山向けに強みを持ち、タイヤ補強用のスチールコードや道路安全施設も手掛けています。近年は炭素繊維ケーブル（CFCC）の拡大に注力しています。
* 事業内容:
* 鋼索鋼線関連
* スチールコード関連
* 開発製品関連 (橋梁、CFCCなど)
* 産業機械関連
* エネルギー不動産関連
* 特徴: ワイヤロープの製造・販売を主力とし、橋梁や鉱山向け、タイヤ補強用など幅広い用途に対応。炭素繊維ケーブル（CFCC）など、新分野にも注力。
* 本社所在地: 東京都江東区
2. 業界のポジションと市場シェア
東京製綱はワイヤロープ業界で国内最大手であり、高い市場シェアを有しています。橋梁や鉱山といったインフラ分野での強みは、安定した収益基盤を支えています。
* 競争優位性: 国内トップシェア、インフラ分野での実績と技術力。
* 課題: 鋼材価格の変動や、インフラ投資の動向に業績が左右される可能性。
3. 経営戦略と重点分野
中期経営計画「TCTRX」を推進しており、炭素繊維ケーブル（CFCC）などの新分野への注力、収益性の改善を目指しています。
* 経営ビジョン: 中期経営計画「TCTRX」の推進。
* 重点分野: 炭素繊維ケーブル（CFCC）の拡大、収益性改善。
4. 事業モデルの持続可能性
ワイヤロープはインフラ投資と密接に関連しており、安定した需要が見込めます。炭素繊維ケーブル（CFCC）など、新技術への投資も行い、市場ニーズの変化に対応しようとしています。
* 収益モデル: インフラ投資に連動した安定需要。
* 市場ニーズへの適応力: 新技術への投資、新分野への進出。
5. 技術革新と主力製品
ワイヤロープ製造における高い技術力に加え、炭素繊維ケーブル（CFCC）の開発に注力しています。
* 技術開発: ワイヤロープ製造技術、炭素繊維ケーブル（CFCC）の開発。
* 主力製品: ワイヤロープ、スチールコード、炭素繊維複合ケーブル（CFCC）。
6. 株価の評価
- 株価: 1253.0円 (2025年5月30日終値)
- PER (会社予想): 6.11倍 (業界平均: 17.5)
- PBR (実績): 0.53倍 (業界平均: 0.7)
- EPS (会社予想): 205.23円
- BPS (実績): 2,352.84円
現在の株価は、会社予想EPSから計算するとPERは低く、割安感があります。PBRも低く、割安と判断できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、1211円から1274円の範囲で変動しており、5月30日の終値は1253円です。年初来高値1382円、年初来安値1016円と比較すると、高値圏からは下落していますが、安値圏からは上昇傾向にあります。50日移動平均線1227.14円、200日移動平均線1217.60円を上回っており、上昇トレンドを示唆しています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で628.67億円。
- 営業利益: 過去12ヶ月で35.85億円。
- 当期純利益: 過去12ヶ月で32.47億円。
- ROE (実績): 9.11%
- ROA (過去12か月): 2.58%
2025年3月期の決算では、売上高は減少しましたが、当期純利益は増加しています。ROEは9.11%と、まずまずの水準です。
過去の傾向:
| 決算期 | 売上高 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 当期純利益 (百万円) |
|---|---|---|---|
| 2024/3 | 64,231 | 3,901 | 2,040 |
| 2023/3 | 67,135 | 3,306 | 3,783 |
| 2022/3 | 63,780 | 1,622 | 1,306 |
| 2021/3 | 59,183 | 701 | 408 |
過去数年の売上高は安定していますが、利益は変動しています。2023年3月期は高い利益を計上しましたが、2024年3月期は減益となりました。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 5.19%
- 1株配当（会社予想）: 65.00円
- 配当性向: 27.89%
- 自社株買い: なし
高い配当利回りは魅力的です。配当性向も適正な範囲にあり、安定した配当が期待できます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は上昇傾向にあり、50日、200日移動平均線を上回っています。信用買い残が増加しており、投資家の関心も高まっていると考えられます。
* 株価の変動要因: 業績、インフラ投資の動向、鋼材価格の変動、為替相場。
11. 総評
東京製綱は、ワイヤロープで国内トップシェアを誇り、安定した収益基盤を持っています。高い配当利回りも魅力的です。PER、PBRは割安感があり、テクニカル的にも上昇トレンドを示唆しています。ただし、業績はインフラ投資や鋼材価格に左右されるため、今後の動向を注視する必要があります。炭素繊維ケーブル（CFCC）など、新分野への取り組みにも注目です。
企業情報
| 銘柄コード | 5981 |
| 企業名 | 東京製綱 |
| URL | http://www.tokyorope.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 金属製品 |
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