1. 企業情報
日本金属は、ステンレス鋼精密圧延・加工製品を製造・販売する企業です。主な製品は、冷間圧延ステンレス鋼帯（みがき帯鋼）や特殊鋼帯、精密異形鋼、精密管、ステンレス形鋼などで、自動車部品や家電製品向けに強みを持っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
日本金属は、ステンレス帯鋼の精密冷間圧延分野において、一定の技術力と実績を持つ圧延専業メーカーです。自動車部品や家電向けを中心に展開しており、これらの分野における需要変動の影響を受けやすいと考えられます。
競争優位性:
- ステンレス鋼精密圧延技術
- 特定の顧客セグメントへの強み
課題:
- 自動車業界の需要変動の影響を受けやすい
- 原材料価格の変動リスク
- 中国経済の減速の影響
3. 経営戦略と重点分野
日本金属は、第11次経営計画「NIPPON KINZOKU 2030」を策定し、2025年度から第3フェーズ（2025年度～2029年度）に入っています。このフェーズでは、「ターゲットアイテム拡大・事業化」と「高収益体質の実現」をコンセプトに掲げています。
具体的な施策:
- 販売価格の是正
- コスト削減
- 品質向上
- 生産効率の改善
4. 事業モデルの持続可能性
日本金属の収益モデルは、自動車部品や家電製品向けのステンレス鋼製品の販売に大きく依存しています。これらの市場の需要変動や、競合他社との価格競争が収益性に影響を与える可能性があります。
市場ニーズの変化への適応力:
- 黒加飾ステンレス鋼の採用拡大、医療関連での需要増など、新たな用途開拓の取り組み
- 半導体装置向け製品への注力
5. 技術革新と主力製品
日本金属は、ステンレス鋼の精密圧延技術を強みとしています。
主力製品:
- 冷間圧延ステンレス鋼帯（みがき帯鋼）
- 精密異形鋼
- 精密管
- ステンレス形鋼
6. 株価の評価
EPS（会社予想）: 74.69円
PER（会社予想）: 9.47倍
PBR（実績）: 0.17倍
現在の株価: 707.0円
EPSとPERから、日本金属の株価は、現時点では割安と判断できます。PBRも低く、割安感を示唆しています。
業界平均との比較:
- 業界平均PER: 8.7
- 業界平均PBR: 0.5
日本金属のPERは業界平均よりやや高く、PBRは低い水準です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価履歴から、株価は700円台で推移しており、50日移動平均線（674.30円）と200日移動平均線（657.67円）を上回っています。年初来高値（774円）には近づいていますが、現時点では高値圏にあるとは言い切れません。
8. 財務諸表分析
売上高: 過去12ヶ月で514億1100万円。前期比で減少。
営業利益: 過去12ヶ月で-1億9200万円と赤字。
経常利益: 過去12ヶ月で-4億7400万円と赤字。
当期純利益: 過去12ヶ月で7億0300万円。
ROE（実績）: 2.57%
自己資本比率（実績）: 39.9%
過去12ヶ月の業績は、売上高の減少、営業損失の計上と、厳しい状況です。
9. 株主還元と配当方針
配当利回り（会社予想）: 0.00%
1株配当（会社予想）: 0.00円
日本金属は、現時点では配当を実施していません。
その他株主還元策:
- 自社株買いの実施は確認できません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
株価の直近の変動:
- 直近10日間の株価は700円台で推移しており、やや上昇傾向。
株価への影響を与える要因:
- 自動車業界の需要動向
- 原材料価格の変動
- 世界経済の動向
- 会社の中期経営計画の進捗
11. 総評
日本金属は、ステンレス鋼精密圧延技術を強みとする企業ですが、足元の業績は厳しく、営業損失を計上しています。自動車業界の需要変動や原材料価格の変動リスク、中国経済の減速などの影響も受けています。
株価はPER、PBRともに割安感がありますが、業績の回復が今後の株価を左右するでしょう。中期経営計画の進捗や、新たな用途開拓の動向に注目する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 5491 |
| 企業名 | 日本金属 |
| URL | http://www.nipponkinzoku.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 鉄鋼・非鉄 – 鉄鋼 |
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