1. 企業情報
ヤマエグループホールディングス株式会社は、九州を地盤とする食品卸大手企業です。主力は食品・飼料の卸売で、加工食品、冷凍食品、菓子、酒類、畜産・水産・飼料製品、住宅設備、建材など幅広い商品を取り扱っています。さらに、物流受託、住宅・建材、不動産賃貸、運送、燃料、レンタカー、情報処理、フィットネス、太陽光発電など多角的な事業も展開。M&Aによる事業拡大も積極的に行っています。設立は2021年10月ですが、前身企業の歴史は1950年に遡ります。本社は福岡市博多区に所在し、従業員数は6,164名です。
2. 業界のポジションと市場シェア
ヤマエグループは九州地方で高いシェアを持つ食品卸売企業であり、関東圏への進出も進めています。食品卸売業界は大手数社による寡占化が進みつつありますが、ヤマエグループはM&Aを通じて規模拡大と多角化を推進し、競争力を維持しています。業界全体では価格競争や物流コストの上昇、少子高齢化による需要変化が課題です。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は「食と住を中心とした総合生活産業グループ」をビジョンに掲げ、食品関連を基軸としつつ、住宅・不動産、物流、ITなど多角化を推進。中期経営計画では、M&Aによる事業基盤拡充、物流効率化、デジタル化推進、収益性向上、サステナビリティ推進が重点分野となっています。
4. 事業モデルの持続可能性
主力の食品卸売は安定した需要が見込まれる一方、低利益率のため効率化と規模拡大が不可欠です。多角化による収益源の分散、M&Aによるシナジー創出、物流・IT分野への投資など、市場環境の変化に適応する柔軟性がみられます。住宅・不動産、再生可能エネルギーなど成長分野への進出も持続可能性を高めています。
5. 技術革新と主力製品
食品流通における物流IT化、効率化が進行中。独自の物流ネットワークや情報システムの導入により、コスト削減とサービス向上を図っています。主力は食品卸売ですが、住宅設備や建材、再生可能エネルギー事業も収益に貢献しています。
6. 株価の評価
- 株価：2,280円
- 予想EPS：360.67円
- 実績BPS：3,215.78円
- 予想PER：6.32倍（業界平均12.1倍）
- 実績PBR：0.71倍（業界平均1.0倍）
PER・PBRともに業界平均を下回っており、株価は指標上割安水準に位置しています。
7. テクニカル分析
- 年初来高値：2,700円
- 年初来安値：1,839円
- 直近終値：2,280円
- 50日移動平均：2,439.10円
- 200日移動平均：2,169.30円
株価は年初来安値からは回復していますが、50日移動平均を下回って推移しており、直近はやや軟調な動きが見られます。
8. 財務諸表分析
- 売上高は2022年3月期の5,036億円から2024年3月期には7,127億円へと大幅増加。
- 営業利益も68.8億円（2022年3月期）→139.2億円（2024年3月期）と拡大。
- 純利益は67.2億円（2022年3月期）→84.6億円（2024年3月期）。
- ROE：9.51%、ROA：2.44%
- 自己資本比率：22.3%（やや低め）
- 営業キャッシュフローはプラスだが、フリーキャッシュフローは直近でマイナス（投資活動の活発化が影響）
売上・利益ともに成長傾向ですが、財務レバレッジが高く、自己資本比率が低めです。
9. 株主還元と配当方針
- 予想配当利回り：3.07%
- 1株配当：70円
- 配当性向：約22.7%
- 自社株買いの実施状況は不明
安定した配当を維持しており、配当性向も無理のない水準です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近10日間の株価は2,300円台前後で推移し、やや下落傾向。
- 信用買残は減少傾向、信用倍率は3.86倍とやや買い長。
- 52週変動率は-4.43%とやや軟調。
- インサイダー保有比率が高く、機関投資家の保有も一定割合を占めています。
11. 総評
ヤマエグループホールディングスは、九州を中心とした食品卸売の大手で、M&Aや多角化による成長戦略が特徴です。売上・利益ともに拡大基調で、指標面では割安感が見られます。財務レバレッジは高めですが、安定配当を維持し、事業の持続性や多様化にも取り組んでいます。市場や業界の変化に柔軟に対応しつつ、今後の成長や財務健全性の動向が注目されます。
企業情報
| 銘柄コード | 7130 |
| 企業名 | ヤマエグループホールディングス |
| URL | https://www.yamaegroup-hd.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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