1. 企業情報
鳥居薬品（4551）は、日本たばこ産業（JT）傘下の製薬会社です。腎・透析領域、皮膚疾患領域、アレルゲン領域に強みを持ち、特に皮膚疾患や花粉症薬などのアレルゲン領域に注力しています。塩野義製薬によるTOB（株式公開買い付け）が実施されています。
2. 業界のポジションと市場シェア
鳥居薬品は、医薬品業界において、特定の領域に特化したニッチ戦略を展開しています。特に、腎・透析、皮膚疾患、アレルゲン領域においては、一定の市場シェアを獲得していると考えられます。競争優位性としては、これらの専門領域における製品ラインナップと、JTグループの安定した経営基盤が挙げられます。課題としては、大手製薬会社との競争や、新薬開発におけるリスクが挙げられます。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、腎・透析、皮膚疾患、アレルゲン領域の開発強化を重点戦略としています。中期経営計画においては、将来の導入品獲得に向けた研究開発投資を積極的に実施する方針です。
4. 事業モデルの持続可能性
鳥居薬品の収益モデルは、医薬品の製造販売に依存しています。市場ニーズの変化への適応力としては、重点分野である皮膚疾患やアレルゲン領域における新薬開発の動向が重要です。また、JTグループの傘下であることから、安定した経営基盤が事業の持続可能性を支えています。
5. 技術革新と主力製品
鳥居薬品は、特定の疾患領域に特化した医薬品を開発しています。主力製品としては、腎性貧血治療薬「エナロイ」、高リン血症治療薬「リオナ」、アトピー性皮膚炎治療薬「コレクチム」、スギ花粉症治療薬「シダキュア」などがあります。技術開発の動向としては、これらの製品の改良や、新たな適応症への展開が重要です。
6. 株価の評価
- 株価: 6,330円
- PER（会社予想）: 52.34倍 (業界平均: 27.8)
- PBR（実績）: 1.47倍 (業界平均: 1.4)
- EPS（会社予想）: 120.95円
- BPS（実績）: 4,311.56円
PERは業界平均を上回っており、割高感があります。PBRは業界平均と同程度です。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価は、6,320円から6,350円の間で推移しており、比較的安定しています。年初来高値は6,420円、年初来安値は3,795円です。50日移動平均線は5,685.50円、200日移動平均線は4,716.95円であり、株価はこれらの移動平均線を大きく上回っています。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去12ヶ月で604.25億円と、堅調に推移しています。
- 営業利益: 過去12ヶ月で68.01億円と、増加傾向にあります。
- ROE（実績）: 4.17%
- ROA（過去12か月）: 3.30%
- 自己資本比率（実績）: 86.4%
売上高と利益は増加傾向にあり、財務体質は良好です。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 0.00%
- 1株配当（会社予想）: 0.00円
配当は実施されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は安定しており、大きな変動は見られません。信用買残は減少し、信用売残も減少しています。
11. 総評
鳥居薬品は、特定の疾患領域に強みを持つ製薬会社であり、JTグループの安定した経営基盤が強みです。財務状況は良好で、売上高と利益は増加傾向にあります。ただし、PERは業界平均を上回っており、割高感があります。また、配当は実施されていません。塩野義製薬によるTOBが実施されていることも、今後の株価に影響を与える可能性があります。
企業情報
| 銘柄コード | 4551 |
| 企業名 | 鳥居薬品 |
| URL | http://www.torii.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 医薬品 – 医薬品 |
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