1. 企業情報
- 企業名：加藤産業株式会社
- 所在地：兵庫県西宮市松原町9-20
- 設立：1947年8月22日
- 従業員数：4,100人
- 事業内容：
食品卸売大手。常温流通品（加工食品、菓子、酒類等）を中心に、低温流通、海外展開も実施。自社ブランド（ジャム、パスタ、調味料等）も展開し、製造・販売・物流・小売支援まで幅広い事業を展開。関西を地盤に全国展開、海外展開も強化中。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内順位：食品卸売業界4位。独立系色が強く、関西を中心に全国展開。
- 競争優位性：常温流通品に強み、自社ブランド商品も保有。提案型営業や物流機能の進化に注力。
- 課題：業界全体で原材料・物流・人件費の高騰、消費者の節約志向強化、小売業態間の競争激化といった外部環境変化への対応が必要。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン：卸売業としての役割・機能の進化、提案型営業の強化、生産性向上、人材育成、海外事業の拡大。
- 中期経営計画の重点施策：
- 常温流通：提案型営業推進、業務効率化
- 低温流通：新商品カテゴリー開拓、経費抑制
- 酒類流通：主要取引先との連携強化、利益管理
- 海外：営業力・ブランド獲得・現地シナジー創出
- 直近の動き：東南アジアでのM&Aや現地法人の連結化を進め、海外展開を強化。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル：食品の卸売を基盤に、自社ブランド商品や物流・小売支援サービスも提供。安定した取引先基盤と多様な商品群が強み。
- 市場変化への適応：消費者ニーズの多様化やコスト上昇への対応として、提案型営業や業務効率化、海外展開を推進。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向：物流効率化やデジタル化（DX）、新商品開発に注力。
- 主力製品・サービス：カンピー（ジャム・缶詰等）など自社ブランド商品、常温・低温食品、酒類、海外向け食品卸売。
6. 株価の評価
- 株価：5,520円（2025/6/20終値）
- EPS（会社予想）：379.70円
- PER（会社予想）：14.54倍（業界平均12.1倍）
- BPS（実績）：5,116.17円
- PBR（実績）：1.08倍（業界平均1.0倍）
- 評価：PER・PBRともに業界平均をやや上回る水準。
7. テクニカル分析
- 年初来高値：5,600円
- 年初来安値：4,165円
- 直近株価位置：5,520円（高値圏に近い水準）
- 移動平均線：50日（5,270.20円）、200日（4,652.23円）を上回って推移。
- 出来高：直近10日間平均約42,000株、6/20は127,000株と増加。
8. 財務諸表分析
- 売上高：1兆1,698億円（2024/9期見込、前年比4.5%増）
- 営業利益：168億円（2024/9期見込）
- 純利益：144億円（2024/9期見込）
- 営業利益率：1.73%
- ROE：9.47%
- ROA：2.41%
- 自己資本比率：34.2%
- キャッシュフロー：営業CFは安定、フリーCFも黒字
- 過去数年傾向：売上・利益ともに安定成長、利益率は低いが堅調。ROE・ROAも安定。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（予想）：2.54%
- 1株配当（予想）：140円（2024年9月期実績120円＋特別配当3円）
- 配当性向：29.31%
- 自社株買い：自己株式保有比率10.98%と高め
- 方針：安定配当・増配傾向
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 直近の株価推移：6月中旬以降、5,400円台から5,500円台で推移し高値圏。出来高増加傾向。
- 信用取引動向：信用買残1,600株、信用売残4,000株、信用倍率0.40倍と売り長。
- 投資家関心：インサイダー保有率27.87%、機関投資家保有率17.89%と安定株主が多い。
11. 総評
加藤産業は、食品卸売業界で安定した地位を持ち、常温流通を中心に自社ブランドや海外展開にも注力しています。業績は堅調に推移し、財務基盤も安定しています。株価は年初来高値圏で推移し、配当利回りも業界平均を上回る水準です。今後も原材料・物流費の高騰や消費者動向の変化など外部環境への対応が課題となりますが、提案型営業や海外展開、業務効率化などの戦略を通じて、持続的な成長を目指しています。
本レポートは、情報提供を目的としており、投資判断を目的としたものではありません。
企業情報
| 銘柄コード | 9869 |
| 企業名 | 加藤産業 |
| URL | http://www.katosangyo.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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