1. 企業情報

イトーヨーギョーは、コンクリート製品(マンホール、ライン導水ブロックなど)の製造・販売を主軸とする企業です。無電柱化関連製品や環境関連製品も手掛けています。また、建築設備機器の販売・施工・メンテナンス、不動産賃貸事業も行っています。

2. 業界のポジションと市場シェア

イトーヨーギョーは、コンクリート二次製品分野の中堅企業です。公共事業への依存度が高く、インフラ投資の動向に業績が左右される傾向があります。競争優位性としては、ライン導水ブロックなど、特定の製品分野での技術力と、無電柱化関連製品への取り組みが挙げられます。課題としては、原材料価格の高騰や、公共事業予算の変動による影響が考えられます。

3. 経営戦略と重点分野

2025年3月期の決算短信によると、イトーヨーギョーは以下の分野に注力しています。
* コンクリート関連事業: ライン導水ブロックシリーズ、環境対策製品「ヒュームセプター」の販売強化。
* 建築設備機器関連事業: 公共事業案件の受注拡大、民間工事への営業展開。
* 不動産関連事業: 遊休不動産の有効活用。

中期経営計画に関する具体的な情報は、今回の決算短信からは確認できませんでした。

4. 事業モデルの持続可能性

イトーヨーギョーの収益モデルは、公共事業と民間需要に依存しています。インフラ投資の動向や、建設需要の変化に大きく影響を受けます。環境配慮型製品や無電柱化関連製品への取り組みは、今後の市場ニーズに対応する上で重要です。

5. 技術革新と主力製品

イトーヨーギョーは、ライン導水ブロックシリーズなどの独自製品を開発しています。環境対策製品の開発も進めており、技術革新を通じて競争力を高めようとしています。主力製品は、マンホールやライン導水ブロックなどのコンクリート製品です。

6. 株価の評価

  • 株価: 678.0円 (2025年7月2日終値)
  • PER (会社予想): 8.63倍 (業界平均: 7.3倍)
  • PBR (実績): 0.54倍 (業界平均: 0.7倍)
  • EPS (会社予想): 78.54円
  • BPS (実績): 1,256.72円

PERは業界平均を上回っていますが、PBRは下回っています。これは、現時点では割安と判断することもできます。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価推移を見ると、2025年7月2日の終値は678円であり、年初来高値857円からは下落しています。50日移動平均線(635.48円)と200日移動平均線(572.42円)を上回っており、中期的な上昇トレンドを示唆しています。

8. 財務諸表分析

指標 過去12ヶ月 2024/3期 2023/3期 2022/3期 2021/3期
売上高 (百万円) 3,132.24 3,132.24 3,467.35 2,934.28 3,052.07
営業利益 (百万円) 108.97 108.97 179.88 61.84 113.59
当期純利益 (百万円) 101.55 101.55 131.20 317.17 86.45
売上高営業利益率 2.57% 3.5% 5.2% 2.1% 3.7%
ROE (実績) -4.13% 19.86% 19.86% 19.86% 19.86%
自己資本比率 (実績) 63.1% 55.6%
  • 2025年3月期の決算では、売上高は増加、営業利益、経常利益、当期純利益が大幅に増加しています。
  • 自己資本比率も上昇しており、財務体質は改善傾向にあります。
  • ROEはマイナスですが、2025年3月期は改善しています。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り (会社予想): 2.65%
  • 1株配当 (会社予想): 18.00円
  • 配当性向: 14.52% (2025年3月期)

2025年3月期の期末配当は20円と増配されました。配当性向は低く、今後の増配余地も残されています。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価は、2025年7月2日に678円と、やや下落傾向にあります。信用買残は減少しており、売り圧力は弱まっています。
株価への影響要因としては、公共事業の動向、原材料価格の変動、金利上昇などが考えられます。

11. 総評

イトーヨーギョーは、コンクリート製品を主力とする中堅企業であり、2025年3月期は増収増益と業績を回復させています。財務体質も改善傾向にあり、配当も増額されています。
PERは業界平均を上回っていますが、PBRは下回っており、割安感もあります。ただし、公共事業への依存度が高く、今後の業績はインフラ投資の動向に左右される可能性があります。


企業情報

銘柄コード 5287
企業名 イトーヨーギョー
URL http://www.itoyogyo.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 建設・資材 – ガラス・土石製品

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