1. 企業情報

  • 事業内容

フタバ産業株式会社は、自動車部品(特にマフラー等の排気系部品、車体骨格プレス部品、サスペンション部品、燃料系部品など)の製造・販売を主力としています。トヨタグループ向けの売上が全体の7割超を占めており、国内マフラー市場で首位。プレス・溶接技術に強みを持ち、国内外で自動車部品を供給しています。また、情報環境機器部品や農業環境機器も一部手掛けています。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 競争優位性

国内マフラー市場で首位。トヨタグループへの高い依存度(売上の約7割以上)があり、トヨタとの強固な取引関係が競争優位性の一因です。プレス・溶接技術の高さも差別化要素です。
課題

トヨタ依存度の高さはリスク要因。世界的な自動車産業のEVシフトや生産台数の変動、原材料費高騰などへの対応が課題です。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営陣のビジョン・戦略

2030年を見据え、既存製品の進化、新規事業の創出、カーボンニュートラル対応、ダイバーシティ推進を掲げています。
中期経営計画

2027年に向けた中期経営計画を策定中。生産体制見直し、生産効率向上、原価改善、サプライチェーン・物流費低減などを重点施策としています。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル

自動車部品(特に排気系・骨格部品)を中心としたBtoB型。トヨタをはじめとする大手自動車メーカーへの安定供給が基盤です。
市場ニーズ変化への適応力

EV化・カーボンニュートラル対応等の研究開発を進めており、事業環境変化への対応を強化しています。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発の動向・独自性

プレス・溶接技術に強み。排気系部品の高効率化・軽量化、カーボンニュートラル対応技術の開発に注力。
収益を牽引する製品・サービス

排気系部品(マフラー等)、車体骨格プレス部品が主力。トヨタグループ向けが中心。

6. 株価の評価

  • PER(予想): 5.90倍(業界平均13.3倍より割安)
  • PBR(実績): 0.60倍(業界平均0.8倍より割安)
  • EPS(予想): 134.09円
  • BPS(実績): 1,314.35円
  • 株価: 791円

→ EPS・BPSから計算しても割安感が見られます。

7. テクニカル分析

  • 株価推移

年初来高値: 847円、年初来安値: 599円、現在値: 791円
50日移動平均: 754.26円、200日移動平均: 730.59円
直近は高値圏からやや調整局面にあるものの、移動平均線より上で推移。
直近の動き

6月下旬に急騰後、やや調整。出来高も増加傾向。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益推移
    • 売上高(2025/3期): 707,104百万円(前期比-11.1%)
    • 営業利益: 15,178百万円(前期比-21.0%)
    • 当期純利益: 6,208百万円(前期比-51.6%)
    • 営業利益率: 2.1%(前期2.4%)
  • キャッシュフロー
    • 営業CF: 24,785百万円(前期比大幅減)
    • 投資CF: -23,190百万円
    • フリーCF: マイナス
  • ROE/ROA
    • ROE: 5.13%
    • ROA: 2.92%
  • 財務安全性
    • 自己資本比率: 37.5%
    • 有利子負債比率はやや高めだが、財務基盤は一定水準。
  • 傾向

2024年度は増収増益だったが、2025年度は売上・利益とも減少。利益率も低下傾向。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(予想): 5.06%(高水準)
  • 1株配当(予想): 40円
  • 配当性向: 約50%
  • 自社株買い: 直近で大規模な実施は確認できず
  • 方針

安定配当を基本としつつ、業績に応じて増配も実施。特別配当も実施例あり。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価の直近変動

6月末に急騰し、その後やや調整。出来高も増加し、投資家の関心が高まった様子。
要因

配当利回りの高さ、割安なバリュエーション、決算発表・中期経営計画への期待などが影響と考えられます。
信用取引動向

信用買残は減少、信用倍率は高水準(10倍超)。信用売残は増加傾向。

11. 総評

フタバ産業は、トヨタグループ向けを中心とした自動車部品メーカーであり、国内マフラー市場で首位を維持しています。プレス・溶接技術に強みがある一方、トヨタ依存度の高さや自動車業界のEVシフト、原材料高などのリスクも抱えています。2025年3月期は売上・利益とも減少し、利益率も低下しましたが、財務基盤は一定の安定性があります。配当利回りは高く、株価バリュエーションも割安水準です。今後は中期経営計画の進捗や自動車業界の動向、利益回復の度合いが注目されます。
※本レポートは情報提供を目的としており、投資判断を推奨・助言するものではありません。


企業情報

銘柄コード 7241
企業名 フタバ産業
URL http://www.futabasangyo.com/
市場区分 プライム市場
業種 自動車・輸送機 – 輸送用機器

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By シャーロット

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