1. 企業情報

  • 概要

東芝テックは、リテールソリューション(POSシステム、セルフレジ、店舗向けIT機器等)およびワークプレイスソリューション(複合機、プリンター等)を国内外で展開する東芝グループの中核企業です。POSシステムの国内最大手で、世界でもトップクラスのシェアを持ちます。複合機事業はリコーと統合し、グローバル展開を強化しています。
事業構成
– リテールソリューション:売上高の約58%
– ワークプレイスソリューション:売上高の約42%
– 海外売上比率:約67%(2025年3月期)

2. 業界のポジションと市場シェア

  • 競争優位性
    • POSシステムは国内シェア約5割、世界トップクラス。大手流通・小売チェーンに強み。
    • 複合機はリコーと生産・開発統合により、競争力強化とコスト効率化を進めています。
  • 課題
    • 小売業界のDX化進展による新規需要創出と、既存顧客の更新需要確保。
    • 海外事業の為替リスクや現地競合との競争。

3. 経営戦略と重点分野

  • 経営ビジョン・戦略
    • 「流通・職場のデジタル化支援」を掲げ、IoT・AI活用のソリューション提供を強化。
    • グローバル展開の加速と、サブスクリプション型サービスへのシフト。
  • 中期経営計画の施策
    • リテール分野ではセルフレジや無人店舗システムの拡販。
    • ワークプレイス分野ではクラウド連携やセキュリティ強化。
    • 研究開発投資とアライアンスによる技術力強化。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル
    • ハードウェア販売+保守・運用サービス、ソフトウェア/クラウド課金型モデルを組み合わせ。
  • 市場ニーズへの適応力
    • 小売・オフィスのデジタル化・省人化ニーズに対応した製品開発。
    • サブスクリプション型サービスへの移行で収益の安定化を図る動き。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術開発動向
    • POS端末のAI・IoT化、セルフレジ・無人店舗技術、クラウド型複合機管理サービス等。
  • 主力製品・サービス
    • POSシステム、セルフレジ、業務用プリンター、複合機(リコーと共同開発)、e-Bridgeクラウド、デジタルサイネージなど。

6. 株価の評価

  • PBR(実績):1.47倍(業界平均1.6倍よりやや低い)
  • BPS(実績):2,041.02円
  • 現在株価:3,010円
  • PER(会社予想):開示なし(参考:業界平均24.2倍)
  • EPS(直近12ヶ月):565.44円

→ 仮に直近EPSでPERを算定すると、PER=約5.3倍(3,010 ÷ 565.44)
※ただし、2024年度は一時的な損益増加があり、平常時の利益水準を考慮する必要があります。

7. テクニカル分析

  • 株価推移
    • 直近10日間は3,000円前後で推移し、やや下落基調。
    • 年初来高値:3,625円、年初来安値:2,006円。
    • 50日移動平均:2,917円、200日移動平均:3,121円。
    • 現在株価は50日線上、200日線下に位置し、やや調整局面。

8. 財務諸表分析

  • 売上・利益推移
    • 売上高:2022年3月期 4,453億円 → 2025年3月期 5,770億円(増加傾向)
    • 営業利益:2022年3月期 116億円 → 2025年3月期 202億円(増加傾向)
    • 当期純利益:2022年3月期 54億円 → 2025年3月期 299億円(2024年度は一時的な赤字あり)
  • キャッシュフロー
    • 営業CF:248億円(過去12ヶ月)
    • フリーCF:175億円(過去12ヶ月)
  • 収益性指標
    • ROE:30.53%(高水準)
    • ROA:3.7%
    • 営業利益率:約5.6%
  • 財務健全性
    • 自己資本比率:31.2%
    • 総資産に占める現金比率高め、負債水準も適度。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り
    • 予想配当:50円(1.64%)
    • 実績配当:45円(1.48%)
    • 5年平均配当利回り:1.01%
  • 配当性向
    • 7.96%(利益水準に対して配当余力あり)
  • 自社株買い
    • 自己株式保有比率8.12%と高め

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • 株価モメンタム
    • 直近は年初来高値から調整局面、出来高も安定。
    • 信用買残減少、売残は小幅増加でやや需給均衡。
  • 投資家構成
    • 東芝本体が約46%保有、自己株式8%、機関投資家13%。
    • 流動株はやや少なめ。

11. 総評

東芝テックは、POSシステムで国内外トップシェアを持ち、リテール・ワークプレイス分野のデジタル化需要を取り込む事業モデルを展開しています。業績は増収基調で、ROE・キャッシュフローも良好です。配当性向は低く、今後の株主還元余地も見込まれます。株価は直近調整局面にありますが、財務・事業基盤は安定しています。今後はグローバル展開やサブスクリプション型サービスの進捗、技術革新動向が注目されます。


企業情報

銘柄コード 6588
企業名 東芝テック
URL http://www.toshibatec.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 電機・精密 – 電気機器

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By シャーロット

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