1. 現在の株価の評価
- 株価: 598円
- PER（会社予想）: 15.22倍
- PBR（実績）: 2.36倍
- EPS（会社予想）: 39.28円
- BPS（実績）: 253.35円
PERは業界平均（17.6倍）を下回っており、株価は割安に評価されている可能性があります。一方、PBRは業界平均（1.6倍）を大きく上回っており、株価は高めに評価されている可能性も示唆しています。 EPSとBPSの比較からも、株価はBPSを上回っており、株価水準については、PERとPBRの相反するシグナルを総合的に判断する必要があります。
2. テクニカル分析
直近10日間の株価は、609円から588円の間で推移しており、年初来高値（1138円）からは大きく下落しています。現在の株価は年初来安値（564円）をやや上回っており、安値圏にあると判断できます。しかし、明確なトレンドは確認できません。
3. 財務諸表分析
損益計算書（過去12か月）
| 項目 | 過去12か月 | 前年同期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 10,990,960百万円 | 増加 |
| 営業利益 | 667,913百万円 | 減少 |
| 純利益 | 634,496百万円 | 増加 |
| EPS | 31.61円 | 増加 |
| ROE（実績） | 2.46% | 変化不明 |
過去数年を見ると、売上高は増加傾向にあるものの、営業利益は変動が大きく、2023年度は減益となっています。純利益は増加傾向にありますが、営業利益の動向を注視する必要があります。ROEは低水準です。
4. 業界のポジションと市場シェア
イーソルは組込み機器向けOS開発で一定のシェアを有していますが、具体的な市場シェアデータは公開されていません。自動車、通信機器など幅広い業界に顧客を持つものの、競争の激しい市場であり、競争優位性を維持するための技術革新や顧客開拓が課題となります。
5. 経営戦略と重点分野
決算短信によると、自動車市場をメインターゲットとしたワンストップソリューションの提供と研究開発への投資が重点分野です。CASE化への対応や機能安全規格認証取得の需要増加に対応することで成長を目指していると考えられます。
6. 事業モデルの持続可能性
組込みソフトウェア事業とセンシングソリューション事業の2本柱で事業を展開しており、比較的安定した収益基盤を有していると考えられます。しかし、技術革新のスピードが速い業界であるため、継続的な技術開発と市場ニーズへの対応が事業モデルの持続可能性を左右します。
7. 技術革新と主力製品
主力製品はeMCOS、eT-KernelなどのリアルタイムOSです。これらのOSは自動車や産業機器など幅広い分野で利用されており、技術開発の動向は公開情報からは判断できません。
8. 株主還元と配当方針
予想配当利回りは0.92%、1株配当は5.50円です。配当性向は公開情報からは判断できません。自己株式の消却も実施しており、株主還元への姿勢は積極的です。
9. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は下落傾向にあり、投資家の関心は高くない可能性があります。信用倍率が高いことも、リスク要因の一つとして考慮すべきです。
10. 総評
イーソルは組込みソフトウェア市場において一定の地位を築いていますが、競争が激しく、業績の変動も大きいため、投資判断には慎重な検討が必要です。売上高は増加傾向にありますが、営業利益の安定性、ROEの向上、市場シェアの明確化など、今後の動向を注視していく必要があります。現在の株価水準については、PERとPBRの指標が相反する結果を示しているため、総合的な判断が必要です。 また、信用倍率の高さがリスク要因となっている点にも留意すべきです。
企業情報
| 銘柄コード | 4420 |
| 企業名 | イーソル |
| URL | https://www.esol.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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