中越パルプ工業(3877)企業分析レポート

本資料は公開情報に基づく客観的な整理であり、投資助言を目的とするものではありません。

1. 企業情報

  • 概要:総合製紙の中堅。紙・パルプ製造(新聞用紙、印刷用紙、包装用紙、特殊紙・板紙・加工品、パルプ等)を主力に、発電事業(自家発電等)や紙加工・物流、設備設計施工、原材料事業、セルロースナノファイバー関連(ナノフォレスト)などを展開。王子ホールディングスの持分法適用会社。
  • 事業構成(2025/3期・連結):紙・パルプ製造 91%(営業利益率目安約4%)、発電 5%(同約10%)、その他 4%(同約3%)。
  • 拠点等:本社は富山県高岡市(登記上住所)。従業員1,282人、平均年齢46.4歳、平均年収635万円。
  • セグメントの特徴:発電事業は安定収益源として期待される一方、燃料費の影響を受けやすい。紙・パルプは国内需要構造変化と海外市況・為替の影響を受ける。

2. 業界のポジションと市場シェア

  • ポジション:国内製紙業界の中堅。新聞用紙・印刷用紙・包装用紙が主力。大手の生産調整・撤退で一部振替需要が発生する一方、新聞・印刷用紙の構造的縮小が継続。
  • 競争優位性:
    • 王子HDとの資本関係による調達・販売面の連携余地。
    • 発電事業や特殊紙・衛生用紙、紙加工まで含めたバリューチェーン。
    • セルロースナノファイバー(CNF)など新素材分野の取り組み。
  • 課題:
    • 原燃料・物流コスト変動の影響大。
    • 為替や海外市況変動(パルプ価格)に左右される。
    • 国内の紙需要構造(デジタル化、人口動態)への適応。

3. 経営戦略と重点分野

  • 会社方針(短信等より):通期予想を据え置き、コスト増(燃料・物流、定期点検による原価上昇)に対して生産・販売の最適化を進める。
  • 重点分野(推察含む、会社開示に基づく領域):
    • 発電事業の強化(安定収益源化、燃料費コントロール)。
    • 包装・衛生用途や特殊紙など構造的需要の底堅い分野の拡大。
    • ナノフォレスト(CNF等)の用途開発と収益化。
    • 生産性向上(設備定期点検後の安定稼働、修繕費抑制、物流効率化)。

4. 事業モデルの持続可能性

  • 収益モデル:紙・パルプの差益(販売価格−原材料・燃料費)と数量に依存。発電事業は相対的に安定だが燃料価格に感応。
  • 持続性評価の観点:
    • 需要構造の変化(新聞・印刷用紙縮小)に対し、包装・衛生・特殊紙、加工・物流、発電へポートフォリオをシフト。
    • 原燃料高・為替変動期には利益率が圧迫されやすく、コストパススルーと生産計画の巧拙が収益に直結。
    • CNF等の新素材は長期的ポテンシャルがある一方、現時点の収益規模は限定的。

5. 技術革新と主力製品

  • 技術・独自性:セルロースナノファイバー(CNF)関連(ナノフォレスト)や特殊紙・加工品の開発。製紙プロセスと自家発電の組み合わせによるエネルギー効率化の余地。
  • 主力製品:新聞用紙、印刷・情報用紙、包装用紙、板紙・加工品。衛生用紙は積極販売の記載あり(第1四半期短信)。

6. 株価の評価(2025/9/2時点、株価1,742円)

  • 会社予想EPS:278.91円 → 実績PER:約6.2倍(会社予想ベース)
  • 実績BPS:4,496.68円 → PBR:約0.39倍
  • 業界平均との比較(参考):PER 9.5倍、PBR 0.5倍
    • PER比較:同社約6.2倍は業界平均比で低位。
    • PBR比較:0.39倍は業界平均0.5倍を下回る。
  • 参考シナリオ比較(機械的試算、助言ではありません):
    • 業界平均PER 9.5倍 × 会社予想EPS 278.91円 ≈ 2,650円相当。
    • 業界平均PBR 0.5倍 × BPS 4,496.68円 ≈ 2,248円相当。

乖離は収益のボラティリティ、需要構造・コスト要因、資本効率の水準等を市場が織り込んでいる可能性。

7. テクニカル分析

  • トレンド指標:50日移動平均 1,673円、200日移動平均 1,538円 → 現在値は両線を上回る上昇トレンド。
  • 位置づけ:52週高値 1,771円に接近(現値は約1,742円)。年初来高値圏に近い。
  • 直近10日:1,700〜1,771円レンジで推移しつつ高値トライ後の揉み合い。出来高は3カ月平均3.8万株に近いが、直近はやや低下日もありブレイクの勢いは一服。

8. 財務諸表分析

  • 売上推移(連結):90,104百万円(2022/3)→ 105,668(2023/3)→ 107,826(2024/3)→ 111,009(2025/3・過去12か月)と増収基調。
  • 営業利益:2,358 → 2,598 → 6,176 → 4,848百万円(過去12か月)と改善後に足元は縮小。2026/3期1Qは営業損失△53百万円(定期点検・コスト高影響)。
  • 純利益:1,268 → 3,050 → 3,701 → 1,761百万円(過去12か月)。一時要因(特別損失や市況影響)の振れが大きい。
  • マージン:2026/3期1Qは原燃料・修繕費増で悪化。会社通期予想では営業利益4,900百万円を見込む。
  • ROE/ROA:実績ROE 3.13%、直近12か月ROE 0.42%、ROA 2.24%(資本効率は低位)。
  • 財政状態:自己資本比率 46.7%(6/30時点48.3%)、D/E(総)約64%と負債活用。流動比率約1.01倍で短期資金繰りはタイト気味。
  • キャッシュ:現金同等物 39億円、総有利子負債 約357億円。減価償却費は年換算で約60〜65億円規模。
  • セグメント:2026/3期1Qは紙・パルプが損失、発電・その他は黒字。コスト要因の影響が大きい四半期。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当:前期実績70円、今期会社予想80円(中間40円・期末40円)。予想利回り約4.6%。
  • 配当性向:トレーリング約51%(参考指標)。会社予想EPS前提では配当性向約29%相当。
  • 自社株:自己株比率6.03%。新規の自己株買い等の記載は確認できず。

10. 株価モメンタムと投資家関心

  • モメンタム:年初来+約25%(52週ベース)。移動平均上方で推移し高値圏での持ち合い。
  • 信用動向:信用買残22.3万株・倍率約101倍、売残は極小。買い建て偏重で短期の需給変動に注意が必要な局面。
  • 需給・イベント:主要株主(王子HD 20.6%)やインサイダー持分(37%)により浮動株が相対的に少ない。直近イベントは配当権利落ち(9/29予定)と次回決算タイミング。市況・為替・燃料価格、設備稼働状況が株価に影響しやすい。

11. 総評

  • 需要構造の変化が続く中、包装・衛生・特殊紙や発電等へのポートフォリオで安定化を図る一方、原燃料・物流費や設備要因による収益ボラティリティが残る。
  • 財務は自己資本比率約47〜48%で一定の安定性があるが、短期負債や燃料費の動向に感応。資本効率は低水準。
  • バリュエーションは業界平均比でPER・PBRともにディスカウント圏。市場は利益水準の持続性、需給構造、コスト環境を織り込みつつ評価している可能性。
  • テクニカルには高値圏での推移。信用買いの積み上がりにより短期の値動きが振れやすい点が観察される。
  • 今後の着眼点:定期点検後の操業正常化とコストコントロール、発電の採算、包装・衛生・特殊紙の伸長、CNF等の収益化進捗、為替・パルプ市況・燃料価格の変動。

注記:本レポートは公開データの事実関係と簡易計算に基づく整理です。数値は会社開示や市況により変動します。投資判断は行っておりません。


企業情報

銘柄コード 3877
企業名 中越パルプ工業
URL http://www.chuetsu-pulp.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 素材・化学 – パルプ・紙

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By シャーロット

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