因幡電機産業(9934)企業分析レポート(プライム)
最終更新日: 2025-09-10
1. 企業情報
- 概要: 独立系の電線・配線器具商社で、電設資材分野で国内首位。電設資材の商社機能に加え、空調配管化粧カバー「スリムダクト」や被覆銅管(INABA DENKO)、表示灯・積層信号灯(PATLITE)、住宅向け配線システム(ABANIACT)など自社製品も展開。JAPPYブランドによるPB(プライベートブランド)商材も強化。
- 事業構成(2025.3通期 売上比率・概況):
- 電設資材 71%(目安の利益率: 約6%)
- 産業機器 10%(目安の利益率: 約5%)
- 自社製品 19%(目安の利益率: 約18%)
- 主な取扱領域: 受配電設備、照明、空調設備・配管材、電子部品・制御機器、再エネ・省エネ商材(太陽光、LED)等
- 従業員: 2,184人/本社: 大阪市西区
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション: 電設資材で国内首位の独立系商社。全国の販売網、仕入ネットワーク、在庫・物流機能を背景に幅広い商材をワンストップ提供。
- 競争優位性:
- 商社機能(幅広い商品群×調達力×物流)と自社製品の高付加価値の両立
- 空調・FAなど成長分野向けの製品ラインアップとPB展開(JAPPY)
- PATLITE等グループ製品の海外展開力
- 課題:
- 物流費・原材料価格の変動、為替影響
- 半導体・電子部品サイクルの変動
- 電線ケーブル等の市況影響による需給・価格の振れ
3. 経営戦略と重点分野
- 方針(短信記載の要旨):
- 中長期戦略に沿い、重点施策を着実に推進
- 都市再開発、データセンター、工場投資等の需要を取り込む
- 自社製品(空調配管材、表示灯など)の強化と海外販売の拡大
- 重点分野(2026年3月期1Qの動向):
- 電設資材: 大都市圏の再開発・データセンター需要が堅調
- 産業機器: 省力化・自動化需要でロボット・制御機器は増加、電子部品は在庫調整の影響を受けやや弱含み
- 自社製品: ルームエアコン出荷増を背景に被覆銅管やスリムダクトが底堅い。PATLITEの海外販売が伸長
- 中期計画の数値目標・進捗: 資料開示なし(—)
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益源:
- 商社収益(電設資材・産業機器)+自社製品収益のミックス。自社製品は相対的に高い利益率
- 需要特性:
- 建築・設備の更新需要、省エネ・省人化投資、空調リプレースなど比較的安定的な需要に加え、データセンター等の新規投資需要も取り込み
- 適応力:
- 幅広い商材ラインアップとPB展開により市況・製品サイクルの変動に対応
- 財務基盤は強固(ネットキャッシュ、自己資本比率6割超)で投資余力あり
- リスク:
- 原材料・物流コスト上昇、為替変動、半導体サイクル、通商政策の変化
5. 技術革新と主力製品
- 独自性・技術:
- INABA DENKO: 空調配管用被覆銅管、配管化粧カバー「スリムダクト」
- PATLITE: LED表示灯・積層信号灯、音・光の通知機器、ネットワーク対応の可視化ソリューション
- ABANIACT: 住宅向けマルチメディア配線システム
- JAPPY: 商社PBによるコスト・供給面の最適化
- 収益牽引:
- 自社製品(特に空調関連・表示灯)の高採算領域が連結利益率を押し上げ
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 株価: 4,248円
- 時価総額: 2,414億円
- EPS(会社予想): 345.59円 → 予想PER: 12.29倍
- BPS(実績): 3,104.27円 → 実績PBR: 1.37倍
- 配当: 年間140円(会社予想)→ 配当利回り約3.30%、配当性向約39.4%
- 業界平均との比較(参考):
- 業界平均PER 12.1倍に対し同社 12.29倍(概ね近い水準)
- 業界平均PBR 1.0倍に対し同社 1.37倍
- その他指標(LTMベースの概算):
- 売上高: 約3,894億円 → PSR約0.62倍
- EBITDA: 約274.6億円
- 現金同等物: 約690億円、総有利子負債: 約22億円 → EV約1,726億円
- EV/EBITDA: 約6.3倍(概算)
- 単元株・購入代金: 100株単元、最低購入代金 約42.48万円
7. テクニカル分析(参考)
- 直近終値: 4,248円(年初来高値 4,285円に近接)
- トレンド指標:
- 50日移動平均: 4,091円
- 200日移動平均: 3,884円
- 終値は50日・200日線を上回る水準
- 範囲感:
- 52週レンジ: 3,293円〜4,285円
- 値幅制限: 3,548円〜4,948円
- 出来高:
- 3カ月平均 96.2千株、直近10日平均 81.5千株
- 直近(9/9)出来高 99.5千株
8. 財務諸表分析
- 成長(年度、連結)
- 売上高(億円): 2,891(2022)→ 3,169(2023)→ 3,454(2024)→ 3,840(2025)と増収基調
- 営業利益(億円): 162.6 → 186.4 → 213.2 → 255.6 と増益
- 収益性
- 粗利率: 約16.7%(2022)→ 約17.0%(2025)
- 営業利益率: 約5.6%(2022)→ 約6.7%(2025)
- 当期純利益率: 約4.2%(2022)→ 約4.9%(2025)
- LTMベース: 営業利益率約6.5%、純利益率約4.9%
- 効率性・資本性
- ROE(実績・連結): 約11.25%
- ROA(LTM): 約6.12%
- 自己資本比率: 61.8%(通期実績)/64.0%(1Q)
- 流動比率: 約2.26倍(1Q)
- キャッシュ・財務
- 現金等 約690億円、有利子負債 約22億円のネットキャッシュ
- 減価償却費(1Q): 3.84億円
- セグメント(2026/3期 1Q)
- 電設資材: 売上 5,577億円、利益 23.94億円(利益率約4.3%)
- 産業機器: 売上 901億円、利益 3.43億円(約3.8%)
- 自社製品: 売上 2,272億円、利益 46.63億円(約20.5%)
- 自社製品の高採算が連結利益を牽引
9. 株主還元と配当方針
- 配当方針・実績:
- 2025年3月期: 年間140円(期末に特別配当10円含む)
- 2026年3月期(会社予想): 年間140円(中間70円・期末70円)
- 5年平均配当利回り: 約3.51%
- 配当性向: 約39.4%(予想)
- 自社株:
- 自己株式保有 約70.8万株(約1.25%)
- 直近の自己株買いの新規公表は—(データなし)
- 主要株主:
- 信託銀行口座を中心に国内外機関が分散保有。機関投資家保有比率 約32%、インサイダー約10.6%
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:
- 52週騰落率: 約+9.9%
- 直近10日終値は4,158円→4,248円へジリ高推移
- 信用動向:
- 信用買残 127千株(前週比 -5.3千)、信用売残 10.3千株(前週比 +2.7千)
- 信用倍率 12.33倍(買い越し傾向)
- 出来高:
- 直近は3カ月平均並み。価格は年初来高値圏
- イベント:
- 次回配当権利落ち予定日: 2025-09-29
- 決算予定ウインドウ(参考提供): 2025-07-28〜08-01(済)
11. 総評
- 事業面:
- 電設資材での強固な商社機能に自社製品の高付加価値が加わり、増収・増益と利益率の漸進的改善が確認できる。需要面では都市再開発、データセンター、省人化・自動化、空調リプレースなど複数のドライバーが存在。
- 財務面:
- ネットキャッシュ、自己資本比率6割超で財務健全性は高い。ROEは約11%台。
- バリュエーション・株価面:
- 予想PERは業界平均近辺、PBRは平均を上回る。EV/EBITDAは約6倍台。配当利回りは約3.3%で配当性向は4割弱。
- 株価は50・200日線を上回り、52週高値近辺のレンジに位置。
- リスク要因:
- 原材料・物流コスト、為替、半導体サイクル等の外部環境。電線市況や需要変動による利益率の振れ。
本レポートは公開情報に基づく客観的な整理であり、投資勧誘や助言を目的とするものではありません。記載の数値は概算を含みます。不明な項目は記載していません。
企業情報
銘柄コード | 9934 |
企業名 | 因幡電機産業 |
URL | http://www.inaba.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.0)」によって自動生成されました。
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