三菱倉庫(9301)企業分析レポート
株価: 1,156円(2025-10-06終値)
市場: 東証プライム(運輸・物流/倉庫・運輸関連業)
時価総額: 約4,380億円
1. 企業情報
- 事業概要
- 物流(倉庫、港湾、国際一貫、陸上・海上輸送、通関)、物流情報システムの開発・運用、医薬品・医療機器等の保管・流通加工、電子機器修理センター運営など。
- 不動産(オフィス、商業施設、ホテル、住宅)の開発・賃貸・管理、駐車場・商業施設運営、分譲マンション関連等。
- セグメント構成
- 連結事業構成: 物流83%(セグメント利益率目安6%)、不動産17%(同29%)
- 海外比率: 21%(2025年3月期)
- 特徴
- 倉庫業の大手。施設の高度化・自動化、医薬・食品・機械/電機・新素材・EC領域に重点。1887年創業の老舗で三菱グループとの関係性を背景に不動産・物流の両輪を展開。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション
- 倉庫・総合物流の上位プレーヤー。国際一貫輸送や港湾・陸上輸送、温度管理・GDP対応など付加価値領域に強み。
- 競争環境
- 主要競合: 日本通運グループ、三井倉庫HD、住友倉庫、センコーGHD など。
- 競争優位: 高品質な保管/流通加工、医薬・冷凍冷蔵や危険物等の専門性、首都圏好立地の物流・オフィスアセットによる安定収益。
- 課題: 海外景気や貿易量の変動、運賃・人件費・エネルギーコストの上昇、国内不動産市況の変動。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン/方針(推測される重点)
- 物流施設の高度化(自動化・省人化、WMS/可視化)、医薬・食品など規制・品質要件の高い領域の拡大、ECフルフィルメント強化。
- 国際一貫輸送・港湾機能の強みを活かしたグローバル対応、海外(アジア中心)の機能拡充。
- 不動産は賃貸主体の安定収益基盤強化、老朽・再開発・環境対応(ZEB/省エネ)推進。
- 具体策例
- GDP/GMP対応のコールドチェーン設備、危険物・高付加価値品の専用施設。
- 物流DX(WMS、TMS、見える化、需要予測)、マルチテナント型DCの展開。
- 三菱地所等との連携による不動産ポートフォリオの質的向上。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル
- 物流は取扱量×付加価値サービス(保管、流通加工、国際一貫、通関)で積み上げ型。低~中利益率だが安定性が高い。
- 不動産は賃貸中心で高利益率・安定キャッシュフロー。市況影響は受けるが長期契約で下支え。
- 適応力
- EC拡大、医薬・冷凍冷蔵ニーズ増に合致。自動化・省人化で労働需給やコスト上昇に対応余地。
- マクロ環境(運賃・燃料費、貿易量)変動への感応度は残るが、セグメント分散で緩和。
5. 技術革新と主力製品/サービス
- 技術動向
- WMS/TMS等の物流情報システム、IoT/ロボティクスによる自動化、可視化/最適化、コールドチェーン・GDP対応の品質管理。
- 主力領域
- 医薬品・医療機器の保管/流通加工、食品(温度帯管理)、機械・電機、新素材、ECフルフィルメント。
- 不動産では首都圏中心のオフィス・商業・物流施設の賃貸運用。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 指標(現株価1,156円ベース)
- 予想EPS: 112.69円 → 予想PER 約10.3倍(業界平均14.8倍を下回る)
- 実績BPS: 1,039.63円 → PBR 約1.11倍(業界平均1.1倍と同水準)
- 予想配当: 36円 → 予想配当利回り 約3.1%、予想配当性向 約32%(36/112.69)
- EV/EBITDA(概算): EV ≈ 時価総額4,380億 + 純有利子負債約591億 ≈ 4,971億円。EBITDA ≈ 381〜678億円の開示差があるため、Normalized EBITDA(約374億円)基準で約13倍程度。
- EV/Sales(概算): 約1.7倍(売上約2,867億円)
- 所見
- PERは業界平均比で低め、PBRは平均並み。キャッシュ創出力は安定(OCF>FCF)。一過性損益の影響が期によって現れる点には留意。
7. テクニカル分析
- トレンド位置
- 50日線: 約1,225円、200日線: 約1,113円。現状は50日線を下回り、200日線を上回る中立圏。
- 52週高値1,298円からは約11%下、安値836円からは大きく回復。
- 直近動向
- 直近10日で緩やかに下押し。10/6は出来高約197万株と3カ月平均(約97万株)を上回る。
- 支持・抵抗の目安: 支持1,145〜1,150円、次は200日線(約1,113円)。抵抗1,200〜1,225円(心理・50日線付近)。
- ボラティリティ
- β(5年)0.29と低めで相対的にディフェンシブな値動き。
8. 財務諸表分析
- 収益・利益(LTM=直近12カ月、概算)
- 売上高: 約2,840〜2,870億円(前年比+約10〜12%)
- 粗利率: 約12.8%
- 営業利益: 約203億円(営業利益率 約5.8〜7.1%のレンジ、算出差あり)
- 純利益: 約319億円(純利益率 約11〜13%)
- 3年推移(売上/営業利益/純利益)
- 2022: 2,572億 / 181億 / 179億円
- 2023: 3,006億 / 230億 / 272億円
- 2024: 2,545億 / 189億 / 278億円
- LTM: 2,840億 / 203億 / 319億円
- コメント: 2023年に外部環境で増収後、2024年に反動減、LTMは持ち直し。
- キャッシュフロー・ROE/ROA
- 営業CF: 約253億円、フリーCF: 約130億円(概算)
- ROE(実績): 8.17%、ROA(LTM): 約2.0%
- 財務健全性
- 自己資本比率: 59.8%、D/E(総負債/自己資本): 約29.7%、流動比率: 1.47倍。財務余力は良好。
9. 株主還元と配当方針
- 配当
- 予想配当36円、予想利回り約3.1%。トレーリングの配当性向約37%、5年平均利回り2.42%。
- 自社株
- 自己株式保有7.21%。発行株式数は過去数年で減少傾向(希薄化抑制・総還元の一部とみられる)。
- その他
- 直近の株式分割:5対1(2024/10/30)。次回配当権利落ち予定:2026/3/30。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム
- 直近は50日線割れで短期はやや弱含み。出来高増を伴う調整局面。
- 投資家動向
- 信用買残24.8万株、売残17.0万株、信用倍率1.46倍。前週比で買い・売りともに減少し、信用需給はやや落ち着き。
- 機関投資家保有約47.6%、インサイダー保有約16.6%と安定的な株主構成。
11. 総評
- 物流×不動産のポートフォリオで、景気変動耐性と安定CFを確保。医薬・コールドチェーン、国際一貫、施設高度化など付加価値領域の拡大が進展。
- 収益性は不動産が底上げし、物流は人件費・燃料・運賃等のコスト環境に左右されやすい。LTMでの増収・増益傾向は確認できる一方、一過性損益や市況要因の振れには留意。
- バリュエーションはPERで同業平均比低位、PBRは平均並み。財務健全性は高水準。テクニカル面では中立圏での推移で、短期は戻り待ちの局面が続く。
(注)本資料は公開情報に基づく一般的な企業分析であり、投資助言ではありません。
12. 企業スコア
- 成長性: A
- 根拠: LTM売上高は前年比+約10〜12%、3年CAGRもプラス域。
- 収益性: B
- 根拠: 物流中心で営業利益率は中位(約6%前後)。不動産の高採算で全体を底上げするが、業界比で突出は限定的。
- 財務健全性: A
- 根拠: 自己資本比率約60%、D/E約30%、流動比率1.47倍と健全。
- 株価バリュエーション: A
- 根拠: 予想PERは業界平均を下回り割安水準、PBRは平均並み。EV/売上は約1.7倍で過度な割高感は見えにくい。
企業情報
銘柄コード | 9301 |
企業名 | 三菱倉庫 |
URL | http://www.mitsubishi-logistics.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 運輸・物流 – 倉庫・運輸関連業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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