日本金銭機械(6418)企業分析レポート
更新日: 2025-10-14
注記:本資料は公開情報を整理したものであり、投資助言・推奨を目的としません。数値は原則として連結ベース。単位は特記なき限り百万円・円。
1. 企業情報
- 概要:貨幣処理機(紙幣識別・硬貨計数・リサイクラ等)とアミューズメント関連機器をグローバルに開発・製造・販売。主な顧客は小売・交通・カジノ/ゲーミング・公営競技など。
- 事業セグメント(直近公表構成の目安)
- グローバルゲーミング:約57%
- 海外コマーシャル:約15%
- 国内コマーシャル:約10%
- 遊技場向機器:約18%
- 特徴:紙幣識別機は米国で高いシェア。カジノ向けが強み。欧米市場が主力。
- 本社/設立:大阪市浪速区/1955年
- 従業員:584人(平均年齢43.3歳、平均年収771万円)
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:紙幣識別・鑑別分野で米国トップクラスのプレゼンス。カジノ/ゲーミング市場での組込み実績・信頼性が強み。
- 競争優位性
- 高精度の識別アルゴリズムと耐久性を備えたハードウェア。
- グローバルな顧客基盤(北米ゲーミングが牽引)。
- リサイクラ(入出金一体)など運用効率化ニーズに合致。
- 課題
- 欧州コマーシャル市場の景況・在庫調整の影響を受けやすい。
- 国内は新紙幣特需の一巡後、更新需要が平常化。
- キャッシュレス化の進展は現金関連機器の需要に波及し得る一方、同社は現金・キャッシュレス両対応機器も展開。
3. 経営戦略と重点分野
- ビジョン・方向性(開示等からの整理)
- 主力の北米ゲーミングでの高付加価値製品の深耕。
- コマーシャル領域での現金処理・マルチペイメント(現金/キャッシュレス)対応機器の強化。
- 研究開発(特に海外コマーシャル)への先行投資を継続。
- 2026年3月期 通期見通し(2025/5/9公表、変更なし)
- 売上31,000(前期比-18.0%)、営業利益1,400(-71.5%)、経常利益1,000(-78.6%)、当期純利益3,200(-16.0%)、EPS 118.82円
- 第1四半期の所感(短信)
- 国内特需の反動、欧州在庫調整で減収・減益。一方、北米ゲーミングは堅調。
- 円高で為替差損を計上。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:機器販売+更新・入替需要、組込み先増加による継続的なリプレース需要。ゲーミングは設備投資サイクルと稼働率に連動。
- 需要の耐性
- 現金流通は地域差があり、北米カジノでは現金・券(TITO)運用が継続的に存在。
- 国内は新紙幣更新の一巡後は平常ベースへ。欧州は景況次第で変動。
- 適応力:現金/キャッシュレス両対応のマルチペイメント、アクセス制御など周辺領域にも展開。R&D投資を継続。
5. 技術革新と主力製品
- 技術動向:紙幣識別アルゴリズムの高度化、偽札対策、耐環境性能、モジュール化(交換・保守容易性)。リサイクラによる省人化・オペレーション効率化。
- 主力/収益牽引:
- 紙幣識別ユニット、バンクノート/コインリサイクラ、入金機、バリデータ。
- 北米ゲーミング向けの組込みユニットが収益の柱。
- コマーシャル向けマルチペイメント端末(現金・キャッシュレス)。
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 足元指標(会社予想ベース)
- 株価: 948円(終値)
- 時価総額: 約280億円
- PER: 7.98倍(業界平均16.6倍)
- PBR: 0.84倍(業界平均1.4倍)
- EPS(予想): 118.35円
- BPS(実績): 1,130.12円
- 配当利回り(予想): 4.24%(1株配当40円)
- 配当性向(参考): 約33.8%(=40/118.35)
- EV/売上・EBITDA(LTMベース・概算)
- LTM売上: 37,816
- LTM EBITDA: 5,423
- 現金等: 17,312、借入・社債合計(概算):約8,700 ⇒ ネットキャッシュ約8,612
- EV ≒ 280億 – 86億 = 約194億 ⇒ EV/S ≈ 0.51倍、EV/EBITDA ≈ 3.6倍
- 参考試算(比較のための単純計算)
- 業界平均PER(16.6倍)をEPS 118.35円に単純適用した株価水準:約1,966円
- PBR 1.0倍時の株価参考:BPS 1,130円程度
(注:いずれも理論値ではなく単純比較の参考値)
7. テクニカル分析
- 直近10日:高値切下げ・安値切下げ傾向。1000円近辺から948円へ下押し。
- 年初来レンジ:796〜1,228円。現在値948円はレンジの約35%位置(やや安値圏寄り)。
- 出来高:下落局面で出来高は一部縮小(直近5.9万株)。明確なトレンド転換シグナルは未確認。
- 信用需給:買残36.2万株、売残22.7万株、信用倍率1.59倍(やや買い長)。前週比は小幅増。
8. 財務諸表分析
- 成長(売上・利益)
- 売上(百万円):20,040(2022)→25,259(2023)→31,611(2024)→37,816(LTM)
- LTM YoY: +19.6%、約3年CAGR: +23〜24%程度
- 営業利益:569→623→2,839→4,911(LTM)
- 当期純利益:605→3,146→3,282→3,810(LTM)
- 収益性(LTM)
- 粗利率:40.6%(=15,341/37,816)
- 営業利益率:13.0%(=4,911/37,816)
- EBITDAマージン:14.3%(=5,423/37,816)
- ROE(実績):12.56%
- 安全性(1Q 2026)
- 自己資本比率:64.3%(期末実績は64.9%)
- 流動比率:約484%(流動資産/流動負債)
- ネットキャッシュ:概ねプラス(現金17,312 − 有利子負債約8,700)
- キャッシュフロー(1Q 2026)
- 営業CF:+1,955(在庫減少が寄与)
- 投資CF:△305
- 財務CF:△1,422(配当・返済など)
- 短期動向(1Q 2026)
- 売上:7,612(前年同期比-24.7%)
- 営業利益:441(-77.0%)
- 主因:国内特需一巡、欧州在庫調整、為替差損。
9. 株主還元と配当方針
- 配当:2025/3期 実績50円(中間14・期末36)。2026/3期 会社予想40円(中間20・期末20)。
- 予想利回り:約4.24%(株価948円前提)。
- 自己株式:保有比率9.24%(2,742千株)。譲渡制限付株式の処分(従業員向け等)あり。
- 重要日程:次回予想の権利落ち日 2026-03-30(予定)。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:短期は下向き。年初来高値(1,228円)から調整局面。
- 需給:信用買い優勢(倍率1.59倍)だが、直近価格は軟調。
- 価格ドライバー(直近)
- 2026/3期1Qの減収・減益、国内特需一巡と欧州調整。
- 為替動向(円高時の為替差損)。
- 北米ゲーミングの堅調さと通商政策の動向。
- 予定イベント
- 決算発表ウィンドウ:2025-08-05〜2025-08-12(実施済み)
- 権利落ち日:2026-03-30
11. 総評
- 北米ゲーミングを柱にLTMでは増収・増益基調。収益性は二桁営業利益率、ROEも二桁。
- 一方、2026/3期は国内新紙幣特需の反動と欧州在庫調整で減収・減益の会社想定。為替も利益に影響。
- 財務体質は自己資本比率60%超・ネットキャッシュで堅健。営業CFも在庫圧縮で改善。
- バリュエーションはPER・PBRとも業界平均比で低位、EV/EBITDAも低水準。配当利回りは4%台。
- 短期テクニカルは弱含み。需給はやや買い長。今後は北米ゲーミングの持続性、欧州の在庫調整の進捗、為替の影響が注目点。
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY +19.6%、約3年CAGR +23%台。足元通期ガイダンスは減収見込みだが、スコアはLTM/中期成長を基準。
- 収益性:A
- 根拠:LTM粗利率40.6%、営業利益率13.0%、EBITDAマージン14.3%。機械業平均と比べて遜色ない水準と評価。
- 財務健全性:S
- 根拠:自己資本比率約65%、流動比率約484%、ネットキャッシュ。
- 株価バリュエーション:A
- 根拠:PER 7.98倍(業界16.6倍)、PBR 0.84倍(業界1.4倍)、EV/EBITDA約3.6倍。相対的に低位。
参考データ
– 年初来高値/安値:1,228円 / 796円
– 発行済株式数:29,672,651株(自己株含む)
– 主な株主:上東興産15.71%、自己株式9.24%、信託銀行7.67% 他
注記
– 数値は提示データ・決算短信要約に基づく。異なる集計基準の可能性がある項目は概算と明記。
– 一過性損益はスコア算定から除外。業界平均は提示値に依拠。
企業情報
銘柄コード | 6418 |
企業名 | 日本金銭機械 |
URL | http://www.jcm-hq.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 機械 – 機械 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。