1. 企業情報
マイネットは、スマートフォン向けゲームの開発・運営を主軸とする企業です。特に、リリース済みのゲームタイトルの買収や共同運営を行い、独自のノウハウでゲームを再生・長期運営することに強みを持っています。
ゲーム事業では、既存のゲームタイトルに加え、新領域として運営支援サービスやスポーツDX（デジタルトランスフォーメーション）領域にも注力しており、Jリーグと提携した仮想スポーツゲームの開発を進めています。
また、異業種向けにBtoBソリューションを提供しており、戦略コンサルティングやキッティングBPO（ビジネスプロセスアウトソーシング）サービスを展開し、事業の多角化を図っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
マイネットが主要事業とする国内モバイルゲーム市場は、ファミ通ゲーム白書2025によると約1.7兆円規模（前年比＋3.2%）とされており、引き続き大きな市場規模を維持しています。
同社は、スマートフォンゲームの「開発・運営」だけでなく、一度リリースされたゲームの「買収・再生」という独自のビジネスモデルを確立しています。これにより、ヒットに依存しがちなゲーム業界において、安定した収益基盤の構築を目指しています。
また、スポーツDX領域や異業種向けのBtoBソリューションへと事業領域を広げることで、ゲーム業界内での競争優位性を構築しつつ、新たな市場開拓にも取り組んでいます。ただし、提供データからは具体的な市場シェアや競合他社との直接的な比較は困難です。
3. 経営戦略と重点分野
同社は「売上成長構造の再構築・再強化」を経営戦略の柱に掲げ、新領域・新規事業の拡大を重点分野としています。
具体的な施策としては、以下の取り組みがあります。
* 新領域への挑戦: スポーツDX領域におけるJリーグとの提携による『J.LEAGUE FANTASY CARD』の開発（2026年2月正式リリース予定）。
* 運営・開発支援サービスの展開: ゲームの運営・開発に関する専門人材やノウハウを提供するサービス。
* 異業種事業の強化: 戦略コンサルティングに加え、キッティングBPOサービスの提供開始。
これらの取り組みを通じて、ゲーム事業におけるセカンダリー領域（既存ゲームの再生・運営）に加え、新しい収益源の確立を目指しています。ただし、具体的な中期数値目標は提示されていません。
4. 事業モデルの持続可能性
マイネットの事業モデルは、スマートフォンゲームの買収・再生という独自のニッチ市場で収益を上げており、ゲームタイトルの寿命を延ばすことで持続的な収益源を確保しようとしています。複数のタイトルを運営することで、個々のゲームの変動リスクを分散しています。
さらに、スポーツDX領域での新規事業や、異業種向けBtoBソリューション（戦略コンサルティング、キッティングBPO）への展開は、市場ニーズの変化への適応力を高め、特定の市場に依存しない事業構造への転換を目指す動きと見ることができます。これにより、ゲーム市場のトレンド変化や競争激化に対する耐性を高める可能性があります。
5. 技術革新と主力製品
提供データに具体的な技術革新に関する詳細な記載はありませんが、同社の強みは、取得したゲームタイトルを独自のデータ分析や運営ノウハウで再生・再成長させる点にあると考えられます。
収益を牽引している主力は「ゲーム事業」であり、連結売上高の約93.2%を占めています。セカンダリー領域の既存ゲームが引き続き好調を維持していると報告されています。
新領域では、Jリーグと提携して開発中の『J.LEAGUE FANTASY CARD』（2026年2月リリース予定）が今後の主力製品となる可能性を秘めています。
6. 株価の評価
- 現在の株価: 259.0円
- EPS（会社予想）: 19.53円
- PER（現在株価 ÷ 会社予想EPS）: 259.0円 ÷ 19.53円 = 約13.26倍
- PER（会社予想）: 13.22倍
- 業界平均PER: 17.6倍
- BPS（実績）: 188.49円
- PBR（現在株価 ÷ 実績BPS）: 259.0円 ÷ 188.49円 = 約1.37倍
- PBR（実績）: 1.41倍
- 業界平均PBR: 1.6倍
現在のPER（約13.26倍）は、業界平均PER（17.6倍）と比較して割安な水準にあります。
また、PBR（約1.37倍）も、業界平均PBR（1.6倍）と比較して割安な水準にあります。
7. テクニカル分析
直近の株価は、一時的に活発な動きを見せました。
* 年初来高値が357円、年初来安値が174円であるのに対し、現在の株価は259円であり、年間レンジの中間やや下部に位置しています。
* 2025年11月上旬には、株価が220円台から300円台まで急騰し、出来高も大幅に増加しました（特に11月6日、7日）。これは投資家の関心が高まったことを示唆します。
* その後はやや調整し、現在の259円となっています。
* 50日移動平均線（243.32円）と200日移動平均線（247.24円）を上回っており、中長期的には上昇トレンドにあるように見えますが、短期的な急騰の反動による調整局面である可能性も考えられます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去数年間は2021年の105億円から2023年の87億円、2024年予想88億円、2025年Q3累計で56億円と減少傾向にあります。直近の四半期売上成長率（前年比）は-18.60%と大幅な減少を示しています。
- 営業利益: 2022年に-3.9億円の赤字を計上しましたが、2023年1.6億円、2024年予想4.2億円と黒字を回復・維持しています。ただし、2025年Q3累計では3.1億円（前年同期比△19.4%）と、減収に伴い利益も減少しています。
- 純利益: 2022年に-16.3億円の大幅な赤字を計上後、2023年1.4億円、2024年予想2.4億円と黒字化しました。しかし、2025年Q3累計では1.9億円（前年同期比△38.0%）と減少傾向です。
- ROE（Return on Equity）: 過去12か月で8.86%、実績19.24%と時期によって変動が見られます。
- 自己資本比率: 実績28.8%とやや低めでしたが、2025年9月末時点では36.7%と改善傾向にあります。
- 流動比率: 2025年9月末時点で1.96倍（約187%）と、短期的な支払い能力は健全な水準にあります。
- キャッシュフロー: 過去12か月の営業キャッシュフローは6.77億円のプラスであり、レバードフリーキャッシュフローも2.55億円のプラスを維持しており、キャッシュ創出力はあります。
- 総負債対自己資本比率（D/Eレシオ）: 2025年9月末時点で125.31%と、負債が純資産を上回っており、やや財務レバレッジが高い状態にあります。
9. 株主還元と配当方針
マイネットは、会社予想の配当利回りが0.00%、1株配当も0.00円となっており、現在のところ配当は実施していません。株主還元は、業績や成長投資の状況によって変動する可能性がありますが、現時点では配当による還元は行われていません。自社株買いに関する明確な追加情報はありません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、2025年11月上旬に出来高を伴って大きく上昇しましたが、その後は調整局面に入っています。これは、特定のニュース（決算短信発表日：2025年11月14日）や思惑によって投資家関心が高まったことを示唆します。
信用買残が大幅に増加している一方で、信用売残も大きく増加しており、株価の短期的な方向性に対する見方が分かれている状況が見られます。直近10日間の平均出来高が3ヶ月平均出来高を大きく上回っており、市場の関心は高い状態です。
11. 総評
マイネットは、スマートフォンゲームの買収・再生というユニークなビジネスモデルを基盤としつつ、スポーツDXやBtoBソリューションといった新領域への展開を通じて事業の多角化を進めています。売上高は減少傾向にありますが、損益は2022年の赤字から黒字を維持しており、収益性回復に向けた取り組みを進めている段階です。財務健全性については、自己資本比率が改善傾向にあるものの、負債比率はやや高めです。株価は直近で変動が大きく、投資家の関心を集めています。業界平均と比較して、PER・PBRは割安な水準にあります。新領域の事業が今後の成長ドライバーとなるかが注目されます。
12. 企業スコア
- 成長性: D （LTM売上成長率がマイナスであり、過去数年の売上も減少傾向にあるため）
- 収益性: C （過去の営業利益の変動が大きく、直近の利益率も高くはなく、減益傾向にあるため）
- 財務健全性: C （自己資本比率は改善傾向にあるものの、まだ目安の40%に達しておらず、総負債対自己資本比率も高いため）
- 株価バリュエーション: A （PER、PBRともに業界平均と比較して割安な水準にあるため）
企業情報
| 銘柄コード | 3928 |
| 企業名 | マイネット |
| URL | http://mynet.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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証券会社
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