SRSホールディングス(8163)企業分析レポート
株価:1,207円(2025-11-21終値)/市場区分:プライム/時価総額:約502億円
1. 企業情報
- 概要:関西地盤の外食中堅。郊外型ファミリーレストラン「和食さと」を主力に、「さん天(天丼・天ぷら)」「にぎり長次郎(グルメ寿司)」「家族亭(そば・和食)」「CHOJIRO(寿司)」「宮本むなし(定食)」等を展開。2024年度に「すし弁慶」を子会社化し、回転寿司領域を補強。
- 事業:外食単一セグメント(連結事業:和食100)。グループ店舗数は781店(中間期末)。
- 直近のトピック:2025年上期に株式会社すし弁慶を取得・子会社化(連結範囲に追加)。
2. 業界のポジションと市場シェア
- ポジション:国内外食チェーンの中堅。主力「和食さと」198店、グルメ寿司の「にぎり長次郎」72店に加え、M&Aで寿司系の店舗網を拡大。規模は大手(例:すかいらーく等)に劣るが、関西を中心に多業態でプレゼンス。
- 競争優位性:
- 多ブランド・多業態で顧客層と利用シーンの分散が可能。
- 関西地盤の認知、和食・寿司の専門性、M&Aでの補完によりポートフォリオ強化。
- 課題:
- 食材・人件費・物流費・建築費の上昇圧力が継続。
- 大手との差別化(価格/品質/体験)と全国展開の速度・効率。
- 回転寿司や低価格帯チェーンとの競合激化。
3. 経営戦略と重点分野
- 中計「SRS VISION 2030」(初年度:2025年3月期)
1) 「和食さと」のナショナルブランド化
2) 「にぎり長次郎」「うまい鮨勘」でグルメ寿司チェーンのNo.1化
3) 第3・第4の収益柱の確立(新規/隣接領域・M&A)
4) 売上1,000億円超に向けたグループ機能強化とサステナブル経営
– 進捗例:すし弁慶の子会社化、既存店施策、MAツール(マーケティングオートメーション)導入など、成長投資と効率化の両立を図る方針。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル:外食チェーン運営(店内飲食中心)。多業態・M&Aにより収益源を分散。既存店改善と価格戦略、業態ポートフォリオでコスト上昇に対処。
- 適応力:需要回復・インバウンドの追い風を取り込みつつ、デジタル施策(会員/CRM、MAツール)や店舗網再構築で生産性向上を志向。
- リスク:原材料(米等)・労務の上昇、為替・地政学、消費マインドの変動。統合(PMI)リスク。
5. 技術革新と主力製品
- 技術・運営面:MAツール導入などデジタルマーケティングを強化。顧客データ活用による来店頻度・単価向上を狙う(短信記載の範囲)。
- 主力ブランドと収益牽引:
- 和食さと:売上1,408億円相当(中間期年換算イメージではなく、短信の上期実績ベースでは140.8億円)で柱。
- にぎり長次郎、うまい鮨勘:グルメ寿司領域を伸長。
- さん天、家族亭:補完的に収益貢献。
- すし弁慶:M&Aで連結化し裾野を拡大。
(注:上記金額は短信の中間期実績より。通期換算は未実施)
6. 株価の評価(バリュエーション)
- 会社予想EPS:38.69円 → PER:約31.2倍(1,207円/38.69円)
- 実績BPS:415.8円 → PBR:約2.90倍(1,207円/415.8円)
- 参考比較(業界平均):PER 21.3倍、PBR 1.8倍 → 同社はプレミアム水準
- EV/S(LTM):約0.75倍(EV約547億円/売上約732億円)
- EV/EBITDA(LTM):約10.3倍(EV約547億円/EBITDA約53億円)
- 配当利回り(予想):0.83%(年間10円)/配当性向(目安):約41.9%
評価メモ:PER・PBRは業界平均比で高め。EV/Sは0.7〜0.8倍台、FCF創出(後述)を踏まえると、利益成長の実現度が注目点。
7. テクニカル分析
- 現在値:1,207円
- 50日移動平均:1,208.22円(ほぼ一致)/200日移動平均:1,223.47円(やや下回る)
- 52週レンジ:1,030円〜1,318円 → レンジ内の中〜やや上位圏(年初来高値比▲約8%)
- 直近10日:緩やかな上昇基調(1,167円→1,207円)だが出来高は3カ月平均を下回る
- 信用需給:信用倍率0.97倍(買い残・売り残とも減少)→ 需給は中立的
8. 財務諸表分析
- 売上推移(連結)
- 2022年度:約429億円
- 2023年度:約545億円(営業損失)
- 2024年度:約602億円(黒字化)
- 2025年度(3月期):約675億円
- 過去12か月(LTM):約732億円(YoY +約17〜18%)
- 利益
- 営業利益:2023▲6億円 → 2024 +22億円 → 2025 +27億円 → LTM +27億円(営業利益率約3.7%)
- 当期純利益:LTM 約8.4億円(純利益率約1.2%)。一過性費用の影響が見られ、ノーマライズ利益は上振れ傾向。
- 収益性指標(LTM)
- 粗利率:約65.9%
- 営業利益率:約3.7%(企業指標のOperating Margin 5.39%は定義差に留意)
- ROE:約5.4%/ROA:約3.9%
- EBITDA:約53億円(EBITDAマージン約7%)
- キャッシュフロー・財務
- 営業CF(LTM):約46億円/レバレッジドFCF:約20億円(FCFマージン約2.8%)
- 現金等:約113億円/有利子負債:約157億円 → ネット有利子負債:約45億円
- ネットデット/EBITDA:約0.85倍、利払い負担は限定的(EBIT/利息 ≈12倍)
- 自己資本比率:35.9%(中間期末 38.5%)/流動比率:約1.58倍
メモ:売上はコロナ後に順調に回復〜拡大。利益は改善局面だが、コスト高・一過性費用の影響で純利益は伸び悩み。財務は過度なレバレッジではなく、投資余地あり。
9. 株主還元と配当方針
- 予想配当:年間10円(期末一括)→ 予想利回り約0.83%
- 配当性向(目安):約41.9%(会社予想ベース)
- 自社株買い:開示ベースでは目立った実施は確認できず(自己株式は約11.9万株と少量)
- 方針メモ:現状は安定配当を基本とし、成長投資・M&Aとのバランス重視とみられる。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- モメンタム:短期は小幅上昇、長期移動平均線はわずかに下回る。βはほぼゼロ(-0.01)で市場連動性は低い傾向。
- 投資家構成:インサイダー保有約14.9%、機関保有約14.2%。フロート約3,450万株。
- 需給・イベント:信用残はバランス。次回配当の権利落ちは2026-03-30予定。短期の材料は中計進捗、M&A統合効果、コスト環境・価格政策の動向。
11. 総評
- 成長:既存店回復+M&Aで売上は力強く拡大(LTM成長率約18%、3年CAGRも二桁)。「和食さと」の全国展開と寿司領域の強化が牽引。
- 収益:営業利益は改善基調だが、コスト上昇や一過性費用の影響で純利益率は低位。中計に沿った効率化・ポートフォリオ最適化が焦点。
- 財務:自己資本比率は35〜38%台、ネットデット/EBITDAは1倍未満で健全性は概ね良好。
- バリュエーション:PER・PBRは業界平均比でプレミアム。今期予想の利益成長の実現度、コスト環境、M&Aシナジーの顕在化が評価の鍵。
- テクニカル・需給:短期は中立〜やや強め、長期は中立。出来高は平常並み〜やや低下で、大きな方向性はファンダメンタルズ待ち。
(本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘・助言ではありません。)
12. 企業スコア(S/A/B/C/D)
- 成長性:A
- 根拠:LTM売上YoY +約18%、3年CAGR二桁。M&A含め拡大局面。
- 収益性:B
- 根拠:営業利益率約3.7%、EBITDAマージン約7%。同業大手並〜やや下程度とみられるため中立評価。
- 財務健全性:B
- 根拠:自己資本比率35.9%(中間38.5%)、流動比率1.58倍、ネットデット/EBITDA<1倍。概ね健全だが「40%以上」基準にはやや届かず。
- 株価バリュエーション:C
- 根拠:PER約31倍、PBR約2.9倍は業界平均(PER21倍、PBR1.8倍)比で割高水準。EV/S約0.75倍・FCF創出は補完材料。
参考データ(抜粋)
- 売上(LTM):約732億円/営業利益(LTM):約27億円/純利益(LTM):約8.4億円
- EBITDA(LTM):約53億円/営業CF(LTM):約46億円/FCF(LTM):約20億円
- 会社予想(通期):売上760億円、営業利益30億円、純利益16億円
- PER(予想):約31.2倍/PBR:2.91倍/配当利回り(予想):0.83%
- 50日線:1,208円/200日線:1,223円/52週高値:1,318円・安値:1,030円
- 信用倍率:0.97倍(買い残・売り残とも減少)
企業情報
| 銘柄コード | 8163 |
| 企業名 | SRSホールディングス |
| URL | https://srs-holdings.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 小売 – 小売業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.2)」によって自動生成されました。
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