決算短信：ゲオホールディングス（2681）

2026年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕（連結）

エグゼクティブサマリー

• 決算サプライズ：会社の通期業績予想に変更はなく、今回のQ1発表は「会社予想との乖離なし（予想通り）」。市場予想との比較は開示情報に無しのため不明（–）。
• 業績の方向性：増収減益（売上高104,460百万円：前年同期比＋4.3％、営業利益3,993百万円：前年同期比△8.5％）。
• 注目すべき変化：親会社株主に帰属する四半期純利益は2,438百万円（前年同期比△31.3％）と大幅減少。営業利益率は約3.8％に低下（前年同期約4.4％）。
• 今後の見通し：通期予想は据え置き（売上470,000百万円、営業利益11,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益5,500百万円）。Q1進捗率は売上で約22.2％、営業利益で約34.7％、純利益で約44.3％と、売上はほぼ均等分配に近く、利益は通期計画に対して進捗良好。
• 投資家への示唆：売上はリユース市場拡大や新品ゲーム関連の好調で増加したが、収益性はリユース高付加価値部門（OKURA TOKYO）の落ち込みやコスト増で圧迫。借入金が増加し自己資本比率が低下しているため、資本・負債の動きと利益率の改善状況を注視する必要あり。

基本情報

• 企業概要:
  • 企業名：株式会社ゲオホールディングス
  • 主要事業分野：小売サービス（リユース店舗の運営、ゲーム・通信機器の買取販売、レンタル等）
  • 代表者名：代表取締役社長執行役員 遠藤 結蔵
  • URL：https://www.geonet.co.jp/
• 報告概要:
  • 提出日：2025年8月6日
  • 対象会計期間：2026年3月期 第1四半期（連結、2025年4月1日～2025年6月30日）
  • 決算説明会：なし（補足資料は作成）
• セグメント:
  • 単一セグメント（小売サービス事業）として集計（セグメント別開示省略）
• 発行済株式:
  • 期末発行済株式数（自己株式含む）：39,734,052株（2026年3月期1Q）
  • 期中平均株式数（四半期累計）：39,723,786株（当期）
  • 時価総額：–（株価情報未提示）
• 今後の予定:
  • 次の決算・IRイベント等：特記事項無し（具体日程の記載なし）→ –（未提示）

決算サプライズ分析

• 予想vs実績（会社予想との比較／達成率）
  • 売上高：104,460百万円。通期会社予想470,000百万円に対する進捗率 22.2％（達成度：良好）。
  • 営業利益：3,993百万円。通期会社予想11,500百万円に対する進捗率 34.7％（達成度：良好）。
  • 親会社株主に帰属する当期純利益：2,438百万円。通期会社予想5,500百万円に対する進捗率 44.3％（達成度：良好）。
• サプライズの要因：
  • 売上は新品ゲーム機関連の好調（Nintendo Switch 2発売に伴う周辺機器等）やメディア系リユースの堅調が寄与し増収。
  • 収益性が低下した主因は（1）リユース系の売上減（OKURA TOKYOのインバウンド落ち着き等）、（2）販売費及び一般管理費の増加（人員配置・出店投資等）、（3）営業外費用（支払利息の増加）等。
• 通期への影響：
  • 会社は通期予想を据え置き。Q1の利益進捗は通期目標達成に対してむしろ順調だが、収益率低下と借入の増加が継続する場合は通期見通しに下押しリスクあり。

財務指標

• 財務諸表の要点（当第1四半期末：2025年6月30日）
  • 総資産：268,664百万円（前期末比＋15,856百万円）
  • 負債合計：176,517百万円（前期末比＋14,179百万円）
  • 純資産合計：92,146百万円（前期末比＋1,676百万円）
  • 自己資本比率：34.2％（前期末35.7％）（目安40％以上で安定 → 34.2％はやや低め）
• 収益性（当第1四半期 vs 前年同期）
  • 売上高：104,460百万円（＋4.3％、金額差＋4,313百万円）
  • 売上総利益：44,813百万円（前年41,694百万円）
  • 販管費：40,820百万円（前年37,328百万円）
  • 営業利益：3,993百万円（△8.5％、前年4,366百万円）
  • 営業利益率：3.82％（前年約4.36％、低下＝収益性悪化）
  • 経常利益：4,249百万円（△22.5％）
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益：2,438百万円（△31.3％）
  • 1株当たり四半期純利益（EPS）：61.39円（前年89.34円、△31.3％）
• 進捗率分析（通期予想比）
  • 売上高進捗率：22.2％（通常はQ1で約25％前後が目安 → やや平準的）
  • 営業利益進捗率：34.7％（利益の進捗は良好）
  • 純利益進捗率：44.3％（高め）
  • 過去同期間との比較：売上は増加、利益は減少（収益性低下）
• 財務安全性
  • 自己資本比率：34.2％（安定目安40％未満でやや低め）
  • 流動比率（流動資産／流動負債）：180,812 / 43,309 ≒ 417.5％（流動性は高い）
  • 負債比率（負債／純資産）：176,517 / 92,146 ≒ 191.6％（やや高め）
  • 長期借入金：89,300百万円（前期末71,475百万円→17,825百万円増加、固定負債増）
• 効率性
  • 総資産回転率（概算）：売上104,460 / 総資産268,664 ≒ 0.39回（四半期ベースの単純指標）
  • ROA（概算）：当期純利益2,438 / 総資産268,664 ≒ 0.9％
  • ROE（概算）：当期純利益2,438 / 純資産92,146 ≒ 2.6％
• セグメント別：単一セグメントのため細分化データなし
• 財務の解説：
  • 現金（現金及び預金）は69,259百万円（前期末60,090百万円、＋9,168百万円）。商品在庫が81,608百万円（＋7,721百万円）と増加。長期借入金の増加により固定負債が拡大し、自己資本比率は低下。

配当

• 配当実績と予想：
  • 2026年3月期（予想）：中間配当 17.00円、期末配当 17.00円、年間合計 34.00円（前回予想から修正なし）
  • 直近実績（2025年3月期）：年間34.00円
• 配当性向（通期会社予想ベース）：配当34円／当期純利益予想138.46円（EPS）→ 配当性向約24.5％（適度な還元水準）
• 特別配当：無し
• 自社株買い：記載なし（–）

セグメント別情報

• セグメント構成：小売サービス事業の単一セグメントのため詳細は省略
• 店舗展開（グループ合計）：2,208店（前連結会計年度末比＋22）
  • GEO合計：1,045店（△9）
  • 2nd STREET（国内）：894店（＋14）
  • 2nd STREET（海外：米国48、台湾41、マレーシア26、他）：海外出店継続（新規シンガポール、香港出店）
  • OKURA TOKYO：24店（0）
  • LuckRack：30店（＋3）
• セグメント戦略：
  • リユース需要拡大を背景に2nd STREET中心の新規出店を国内外で推進。GEOはGEO mobile等のモール出店拡大。OKURA TOKYOはラグジュアリーリユースだがインバウンド低迷で厳しい状況。

中長期計画との整合性

• コメント：出店による売上拡大は進む一方で、利益率改善や財務構造（長期借入増加）の影響を確認する必要あり。

競合状況や市場動向

• 市場動向：SDGsや節約志向による循環型消費の浸透でリユース市場は拡大。フリマアプリ等競合はあるが店舗の利便性・安心感が評価される傾向。新品ゲーム関連はSwitch2の影響で周辺機器需要が増加。
• 競合比較：同業他社との詳細比較は本資料に無し（–）。ただし、リユース分野での国内外展開は競争優位性の構築に資する可能性あり。

今後の見通し

• 業績予想：
  • 通期予想の修正有無：無し（2025年5月9日公表の予想から変更なし）
  • 次期予想：未提示（–）
  • 会社予想の前提条件：詳細は添付資料参照（為替等の前提は別途記載とのこと）
• 予想の信頼性：Q1の利益進捗は高いが、リユースライフサイクル（新機種発売による中古相場変動）やインバウンド回復の不確実性等が存在。過去の達成傾向は明示なし（–）。
• リスク要因：
  • 新型ゲーム機発売による旧モデル買い控え（リユースゲーム商材の一時的減収）、インバウンド需要の不安定さ（OKURA TOKYO影響）、原材料ではなく市場需給リスク、金利上昇による支払利息負担増（長期借入金増加）等。

重要な注記

• 会計方針変更：なし
• 四半期連結キャッシュ・フロー計算書：当第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成していない（注記あり）
• その他：添付資料に業績予想の前提やリスク説明がある旨の記載あり。監査人による四半期レビューは実施されていない。

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