決算短信：レゾナック・ホールディングス（4004）

2025年12月期 第３四半期決算短信〔ＩＦＲＳ〕（連結）

エグゼクティブサマリー

• 決算サプライズ：会社の通期予想に修正はなし（実績は概ね会社計画に沿うが、一部項目で大幅な下振れ）。
• 業績の方向性：売上収益は減収（△4.2%）、コア営業利益は増益（+5.8%）、営業利益・当期利益は大幅減益（営業利益△74.9%、親会社帰属利益△90.7%）。
• 注目すべき変化：減損損失の計上（当第3四半期累計で△39,434百万円）により営業利益が大幅悪化。半導体・電子材料セグメントは増収増益で全体のコア営業利益を押し上げた一方、ケミカル等で大幅減益。
• 今後の見通し：会社は通期予想（売上1,422,000百万円、コア営業利益98,000百万円、営業利益49,000百万円、親会社帰属当期利益26,000百万円）を据え置き。売上・コア営業利益の進捗は良好だが、営業利益・純利益の進捗は低く、下振れリスクは残る。
• 投資家への示唆：コア事業（特に半導体関連）の回復が確認される一方、事業再編・譲渡に伴う減損等の一時要因が業績を押し下げている点が最大の注目点。通期見通しは据え置かれているが、営業利益系の回復には非経常損益の影響が継続的に及ぶ可能性を念頭に置くべき。

基本情報

• 企業概要:
  • 企業名：株式会社レゾナック・ホールディングス
  • 主要事業分野：半導体・電子材料、モビリティ、イノベーション材料、ケミカル、クラサスケミカル（石油化学）等の化学・材料製造・販売
  • 代表者名：代表取締役社長 高橋 秀仁
  • 上場取引所・コード：東京（東） 4004
  • IR問合せ：IR部長 藤崎 一彦（https://www.resonac.com/jp/inquiry）
• 報告概要:
  • 提出日：2025年11月13日
  • 対象会計期間：2025年12月期 第3四半期累計（2025年1月1日～2025年9月30日、IFRSベース）
  • 決算説明資料作成：有、決算説明会：有（アナリスト・機関投資家向け）
• セグメント（報告セグメント）：半導体・電子材料／モビリティ／イノベーション材料／ケミカル／クラサスケミカル
• 発行済株式:
  • 期末発行済株式数（自己株含む）：184,901,292株
  • 期中平均株式数（四半期累計）：180,855,779株
  • 時価総額：–（資料に記載なし）
• 今後の予定:
  • 決算発表：2025年11月13日（本資料）
  • 株主総会、IRイベント等の具体日程：–（資料記載なし）

決算サプライズ分析

• 予想 vs 実績（累計1–9月）
  • 売上収益：986,263百万円（前年1,029,307百万円、△4.2%）→ 通期予想1,422,000百万円に対する進捗率 69.3%（達成見込みは高め）
  • コア営業利益：72,831百万円（前年68,823百万円、+5.8%）→ 通期予想98,000百万円に対する進捗率 74.3%（達成見込みは比較的良好）
  • 営業利益：21,470百万円（前年85,488百万円、△74.9%）→ 通期予想49,000百万円に対する進捗率 43.8%（大幅に遅れ）
  • 親会社の所有者に帰属する当期利益：6,036百万円（前年64,846百万円、△90.7%）→ 通期予想26,000百万円に対する進捗率 23.2%（大幅に遅れ）
• サプライズの要因：
  • 主因は減損損失の計上（当第3四半期累計で△39,434百万円）。前年は旧本社土地建物売却益等があったため、比較上の差が大きい。
  • 半導体・電子材料セグメントの回復でコア営業利益は増加したが、ケミカル（グラファイト関連の評価損）やモビリティの事業譲渡影響がマイナスに寄与。
• 通期への影響：
  • 会社は通期予想を据え置き。売上とコア営業利益の進捗は順調だが、営業利益・純利益の進捗が低く、追加の減損・特別損失が出ると通期営業利益/当期利益の下振れリスクが高まる。

財務指標

• 要旨（単位：百万円）
  • 売上収益（1–9月）: 986,263（△43,044、△4.2%）
  • コア営業利益（1–9月）: 72,831（+4,008、+5.8%）
  • 営業利益（1–9月）: 21,470（△64,018、△74.9%）
  • 税引前四半期利益（1–9月）: 20,205（△57,697、△74.1%）
  • 四半期利益（1–9月）: 7,093（△58,474、△89.2%）
  • 親会社帰属四半期利益（1–9月）: 6,036（△58,810、△90.7%）
  • 基本的1株当たり四半期利益：33.37円（前年358.70円）
• 貸借対照表の要点（2025/9/30）
  • 資産合計：2,069,686百万円（前期末2,172,626百万円、△102,940）
  • 負債合計：1,398,188百万円（前期末1,480,620百万円、△82,432）
  • 資本合計：671,498百万円（前期末692,006百万円、△20,508）
  • 親会社所有者帰属持分：644,722百万円、親会社所有者帰属持分比率 31.2%（前期末30.6%）→ 31.2%（やや低め、目安40%で安定）
  • 現金及び現金同等物：216,266百万円（前期末294,656百万円、減少）
  • 有利子負債（参考数値）：9,871億円（前期10,237億円、減少）
• 収益性（前年同期比）
  • 売上高：986,263百万円（△4.2%、△43,044百万円）
  • コア営業利益：72,831百万円（+5.8%、+4,008百万円）
  • 営業利益：21,470百万円（△74.9%、△64,018百万円）
  • 税引前利益：20,205百万円（△74.1%）
  • 四半期利益（親会社帰属）：6,036百万円（△90.7%）
  • EPS（基本、通期累計ではなく第3Q累計表示）：33.37円（前年358.70円）
• 進捗率分析（通期予想に対する1–9月累計）
  • 売上高進捗率：69.3%（通常は約75%を目安に上期偏重でなければ中立。69%はやや良好）
  • コア営業利益進捗率：74.3%（良好）
  • 営業利益進捗率：43.8%（低い。非経常損失の影響大）
  • 純利益進捗率（親会社帰属）：23.2%（かなり低い）
• 財務安全性
  • 親会社所有者帰属持分比率：31.2%（目安40%未満で改善余地あり）
  • 流動資産合計：812,288百万円、流動負債合計：466,910百万円 → 流動比率：約174%（流動性は確保されている水準）
  • 負債比率（負債合計/資本合計）：1,398,188 / 671,498 ≒ 208%（負債依存はやや高め）
• 効率性
  • 減価償却費：71,040百万円（前年73,249百万円）
• セグメント別（売上収益／コア営業利益、1–9月、単位：百万円）
  • 半導体・電子材料：売上365,672（+11.3%）、コア営業利益73,986（+40.0%）→ 主力セグメントで好調
  • モビリティ：売上132,105（△11.8%）、コア営業利益2,032（△48.2%）
  • イノベーション材料：売上67,936（△5.1%）、コア営業利益8,091（△8.5%）
  • ケミカル：売上125,893（△16.5%）、コア営業利益△7,399（前年は黒字）→ 在庫評価損等で悪化（赤字化）
  • クラサスケミカル：売上222,777（△8.1%）、コア営業利益3,326（△35.0%）
• 財務の解説：
  • 売上・コア営業利益は半導体関連の回復が牽引。営業利益・純利益は大幅な減損計上やその他の特別損失により低下。現金は減少し、有利子負債は若干圧縮。為替（円高）の影響で包括利益（OCI）もマイナス寄与。

配当

• 配当実績と予想：
  • 中間配当：0.00円（実績）
  • 期末（予想）：65.00円
  • 年間配当予想：65.00円（変更なし、直近公表からの修正無し）
• 配当利回り：–（株価情報なし）
• 配当性向（会社予想ベース）：年間EPS（会社予想）143.87円に対する配当65円 → 配当性向約45.2%（やや高めの還元水準）
• 特別配当：無
• 株主還元方針：自社株買い等の記載は本資料に明示なし（–）

セグメント別情報（要点）

• 半導体・電子材料：売上・コア営業利益ともに増加。半導体後工程向けやデータセンター向けHDメディア、AI向け製品の拡大が寄与。セグメント内が全体を牽引。
• モビリティ：二次電池外装材・包装材の事業譲渡や国内顧客需要減で減収減益。
• イノベーション材料：自動車市場低迷の影響等で減収減益。
• ケミカル：化学品の一部は数量増・値上げで増収増益だが、グラファイト（黒鉛電極）市況低迷や在庫評価損で赤字化。全体として前年同期比で減収減益。
• クラサスケミカル：ナフサ価格下落による販売価格低下と在庫差損の発生で減収減益。
• 各セグメント戦略：資料では主に市場動向（半導体回復・EV鈍化・ナフサ下落等）に応じた生産・販売対応と事業再編を実施している旨を開示。

中長期計画との整合性

• 中期経営計画：本資料における明確な数値目標の更新や中期計画の進捗報告は記載なし。組織再編（クラサスケミカルの分割吸収）や事業譲渡は進行中で、構造改善が行われていることは示されているが、KPIの進捗は明示されていない（–）。
• KPI達成状況：–（資料に明確なKPI開示なし）

競合状況や市場動向

• マクロ/市場動向：
  • 半導体市場：AI・データセンター向け需要回復が確認され、半導体・電子材料セグメントに好影響。
  • EV市場：SiC等は成長鈍化で横ばい。
  • 石油化学・ナフサ市況：ナフサ下落で販売価格が低下し、クラサスケミカルにマイナス影響。
  • グラファイト関連：黒鉛電極市況低迷で販売数量・価格が低下。
• 競合比較：同業他社との直接比較データは本資料に無し（–）。ただし、半導体関連素材の回復は業界全体のトレンドに合致。

今後の見通し

• 業績予想（会社公表、2025年通期）
  • 売上収益：1,422,000百万円（+2.2% YoY）
  • コア営業利益：98,000百万円（+6.4% YoY）
  • 営業利益：49,000百万円（△45.0% YoY）
  • 税引前利益：38,000百万円（△55.1% YoY）
  • 親会社の所有者に帰属する当期利益：26,000百万円（△64.6% YoY）
  • 会社は2月13日公表の予想から修正なし。
• 予想の信頼性：過去の予想達成傾向の記載はなし。現状、売上・コア営業利益は進捗が良いが、営業利益や当期利益は非経常損失により進捗が悪く、予想達成の鍵は今後の追加的な減損や事業譲渡の有無に依存。
• 主なリスク要因：
  • 追加の減損損失や事業譲渡損失
  • 為替変動（円高はその他包括利益へマイナス影響）
  • 原材料・ナフサ等市況変動（クラサスケミカル等への影響）
  • 世界経済の不確実性、特に半導体・自動車需要の変動

重要な注記

• 会計方針：2024年12月期通期よりIFRS適用済（比較数値もIFRSベースに組替）。当四半期における会計方針変更・見積り変更はなし。
• 連結範囲の変更：当期に連結範囲の重要な変更あり（新規追加 －社、除外 1社：株式会社レゾナック・パッケージング）。
• セグメント区分変更：2025年1月1日付でセグメント区分を5区分に変更（クラサスケミカルを新設等）。過年度数値は遡及修正済。
• 監査：四半期連結財務諸表は有限責任あずさ監査法人による期中レビューを受け、重要な点で問題なしとの結論。

（注）不明な項目・資料記載のない数値は「–」としました。投資助言は行っておりません。

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このレポートは、AIアドバイザー「シャーロット (3.0.4)」によって自動生成されました。

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