決算短信：石川製作所（6208）

2026年3月期第1四半期決算短信〔日本基準〕（連結）

エグゼクティブサマリー

• 決算サプライズ: 会社側の通期予想に修正はなし。第1四半期の実績は通期予想に対して概ね上振れの進捗（売上高進捗19.0%、営業利益進捗23.4%、四半期純利益進捗36.4%）。市場予想との比較は資料に記載なし。
• 業績の方向性: 増収増益（売上高+39.1%、営業利益は11百万円→234百万円、四半期純利益+767.3%）
• 注目すべき変化: 防衛機器セグメントが売上・利益を大きく牽引（売上+66.0%、セグメント利益393百万円）。一方で受注高は全体で前年同期比18.3%減（先行きの不確実性を示唆）。
• 今後の見通し: 会社は5月公表の業績予想を維持。第1四半期の進捗は良好だが、受注の減少（特に防衛で受注減）が通期達成のリスク要因。
• 投資家への示唆: 当面は防衛機器セグメントの実稼働と受注回復の動向、短期借入金の増加と現金保有の減少（流動性面）を注視すべき。

基本情報

• 企業概要:
  • 企業名: 株式会社 石川製作所
  • 主要事業分野: 紙工機械、防衛機器、受託生産（電子機器・繊維機械等を含む）等の製造・販売
  • 代表者名: 代表取締役社長 小長谷 育教
  • URL: https://www.ishiss.co.jp/
• 報告概要:
  • 提出日: 2025年8月7日
  • 対象会計期間: 2026年3月期 第1四半期（連結、2025年4月1日～2025年6月30日）
• セグメント:
  • 紙工機械: 紙工機械の製造・販売
  • 防衛機器: 防衛関連機器の製造・販売（同社業績の主力牽引）
  • 受託生産: 受託による生産（電子機器等）
  • その他: 報告セグメントに含まれない電子機器、繊維機械等
• 発行済株式:
  • 期末発行済株式数: 6,385,972株（自己株式含む）
  • 期中平均株式数（四半期累計）: 6,378,806株
  • 時価総額: –（資料未記載）
• 今後の予定:
  • 決算発表: 本資料（第1四半期）公表済（2025/8/7）
  • IRイベント: 決算説明会の有無: 記載なし（補足資料参照の旨）

決算サプライズ分析

• 予想vs実績:
  • 会社予想との比較（第1四半期に特化した会社公表値はなし、通期予想は維持）
  • 売上高: 3,611百万円。通期予想19,000百万円に対する進捗率19.0%（進捗は良好）
  • 営業利益: 234百万円。通期予想1,000百万円に対する進捗率23.4%（進捗は良好）
  • 四半期純利益: 160百万円。通期予想440百万円に対する進捗率36.4%（進捗は良好）
• サプライズの要因:
  • 防衛機器セグメントの売上急増（+66.0%）と高いセグメント利益（393百万円）が営業利益・純利益を押し上げ。
  • 受注高は全体で減少（前年同期比-18.3%）しており、売上は期ズレや既存受注の消化で先行的に増加した可能性。
• 通期への影響:
  • 当四半期の進捗は通期予想達成に有利。ただし受注の減少は下期の売上・利益に逆風となる可能性があるため、通期達成は受注動向に依存。会社は予想維持。

財務指標

• 財務諸表要点:
  • 総資産: 21,425百万円（前期末20,839百万円、+2.8%）
  • 純資産: 5,560百万円（前期末5,385百万円、+3.2%）
  • 自己資本比率: 26.0%（前期末25.8%）→ 低め（目安40%超が安定）
  • 流動資産: 16,535百万円（現金及び預金612百万円、棚卸資産5,413百万円、売掛等10,160百万円）
  • 流動負債: 13,557百万円（短期借入金8,950百万円）
• 収益性（第1四半期・対前年同四半期）:
  • 売上高: 3,611百万円（+39.1%、前年2,595百万円、増収は良い傾向）
  • 営業利益: 234百万円（前年11百万円、改善）
  • 営業利益率: 234/3,611 = 6.48%（前年 11/2,595 = 0.42%）
  • 経常利益: 226百万円（前年17百万円、改善）
  • 四半期純利益: 160百万円（+767.3%、前年18百万円）
  • 1株当たり四半期純利益（EPS）: 25.22円（前年2.91円）
• 進捗率分析（通期予想に対する第1四半期進捗）:
  • 売上高進捗率: 3,611 / 19,000 = 19.0%（前年同期間の通期比進捗は約13.7%→ 今期は速い）
  • 営業利益進捗率: 234 / 1,000 = 23.4%（前年同期間は1.1%→ 大幅に良好）
  • 純利益進捗率: 160 / 440 = 36.4%（前年同期間は約4.1%→ 大幅に良好）
• 財務の安全性:
  • 自己資本比率: 26.0%（低め、留意）
  • 負債合計: 15,864百万円。負債/純資産比 ≒ 2.85倍（高い）
  • 流動比率: 16,535 / 13,557 = 1.22（122%）（目安100%超は可、余裕は限定的）
  • 短期借入金増加: 短期借入金が7,510→8,950百万円（増加1,440百万円）で流動負債増
• 効率性:
• セグメント別（第1四半期）:
  • 紙工機械: 売上343百万円（-33.9%）、セグメント損失40百万円（ほぼ前年並の赤字）
  • 防衛機器: 売上2,857百万円（+66.0%）、セグメント利益393百万円（主力で大幅改善）
  • 受託生産: 売上316百万円（+37.2%）、セグメント利益23百万円
  • その他: 売上93百万円（-24.5%）、利益31百万円
• 財務の解説:
  • 売上・利益は防衛機器の寄与で大幅改善したが、受注高は全体で減少している点が下期リスク。現金は減少し短期借入が増加しているためキャッシュ管理を要注視。

配当

• 配当実績と予想:
  • 2025年3月期: 年間配当（表記不整合のため）–（資料は期ごとの記載あり）
  • 2026年3月期（予想）: 年間配当 合計 15.00円（資料欄より）※中間/期末の内訳は資料表記に従うと第2四半期末15.00円等の記載
• 配当利回り: 株価情報が資料にないため算出不可（–）
• 配当性向（予想ベース）: 配当15.00円 / 通期EPS 68.98円 = 約21.7%（目安: 中程度の株主還元）
• 特別配当の有無: なし
• 株主還元方針: 自社株買い等の記載なし（–）

セグメント別情報

• セグメント別状況（第1四半期、対前年同四半期）:
  • 防衛機器: 売上2,857百万円（+66.0%）、セグメント利益393百万円（前年171百万円）→ 収益貢献が顕著
  • 紙工機械: 売上343百万円（-33.9%）、セグメント損失40百万円（赤字継続）
  • 受託生産: 売上316百万円（+37.2%）、利益23百万円（堅調）
  • その他: 売上93百万円（-24.5%）、利益31百万円
• 前年同期比較: 防衛機器が最大の増収増益、紙工機械は減収で依然マイナス影響
• セグメント戦略: 資料では詳細記載なしだが、防衛機器が収益の柱になっているため同分野の受注動向が鍵

中長期計画との整合性

• 中期経営計画: 資料内に中期計画の進捗に関する明示的記載なし（–）
• KPI達成状況: 設定KPIの記載なし（–）

競合状況や市場動向

• 競合他社との比較: 資料に比較情報なし（–）
• 市場動向: 全体受注高が前年同期比で18.3%減少している点は市場や顧客の発注タイミング変化を示唆。防衛関連売上は増加しているが受注は減少しており、需給タイミングのばらつきに注意。

今後の見通し

• 業績予想:
  • 通期予想の修正: なし（2025年5月8日公表の予想を維持）
  • 会社側の通期予想（要点）: 売上高19,000百万円（+17.3%）、営業利益1,000百万円（+44.4%）、当期純利益440百万円（+3.9%）、EPS 68.98円
  • 会社予想の前提条件: 資料では明示の詳細前提は別添資料参照（為替等は明記なし）
• 予想の信頼性: 第1四半期の進捗は良好。ただし受注残・新規受注の動向、短期借入増加や現金減少が下期に影響する可能性あり。
• リスク要因:
  • 受注高の前年同期比減少（-18.3%）による下期売上リスク
  • 短期借入金の増加と現金の減少（流動性リスク、金利上昇リスク）
  • セグメント依存（防衛機器の寄与度が高く、同分野での受注変動が業績に直結）

重要な注記

• 会計方針: 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更に関する記載あり（詳細は注記参照）。その他の大幅な会計上の変更は記載なし。
• その他: 第1四半期のキャッシュ・フロー計算書は作成していない（注記）。減価償却費は60百万円（当第1四半期）で前年は79百万円。

（不明な項目は — と表記しています。なお、本資料は提供情報に基づく要約であり、投資助言を目的としたものではありません。）

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