企業の一言説明
昭和パックスは、重包装袋(クラフト紙袋)を主力とし、製紙業界のトップランナーとして石化製品向け輸出用袋に強みを持つ企業のひとつです。フィルム製品、コンテナー、さらには不動産賃貸事業も展開しています。
投資判断のための3つのキーポイント
- 堅固な財務基盤とキャッシュ創出力: 自己資本比率70.2%、流動比率272%と非常に高い水準を誇り、営業キャッシュフローも純利益を上回る安定したキャッシュ創出能力があります。
- 重包装袋事業における競争優位性: クラフト紙袋市場でトップシェアを維持し、特に石化業界の輸出用途に強みを持つ点は、高い参入障壁と安定した需要に支えられています。
- 収益性とバリュエーションの課題: ROEが5.68%と低く、資本効率の改善が課題です。また、PER、PBRともに業界平均と比較して割高感があり、市場からの評価は厳しい可能性があります。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | 低位安定 |
| 収益性 | C | 資本効率に課題 |
| 財務健全性 | B | 強固ながら懸念点あり |
| バリュエーション | D | 割高の可能性 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 3,400.0円 | – |
| PER | 12.44倍 | 業界平均8.0倍 |
| PBR | 0.62倍 | 業界平均0.5倍 |
| 配当利回り | 1.47% | – |
| ROE | 5.68% | – |
1. 企業概要
昭和パックス(証券コード:3954)は、1935年設立の包装資材メーカーです。重包装袋(クラフト紙袋)の製造・販売を主力事業とし、特に石油化学製品などの輸出用袋で高い競争力を持ち、業界トップシェアを誇ります。その他にも、産業用・農業用フィルム製品、フレキシブルコンテナ(コンテナー)、包装機械システムの提供、不動産賃貸事業など多角的に事業を展開しています。主力である重包装袋事業は連結事業の約66%を占め、タイにも生産拠点を持ち国際的な供給体制を構築しています。
2. 業界ポジション
昭和パックスは、クラフト紙袋市場においてトップクラスのシェアを持つリーディングカンパニーです。特に、石化業界向けの輸出用袋では長年の実績とノウハウを持ち、高い顧客信頼を獲得しています。この分野での技術的独自性とサプライチェーン構築は、新規参入障壁となり、同社の安定した収益基盤を支えています。
財務指標面では、現在のPER12.44倍は業界平均8.0倍を上回り、PBR0.62倍も業界平均0.5倍を上回っています。これは、業界平均と比較して割高と評価される可能性がありますが、安定した事業基盤や財務健全性が一定のプレミアムとして評価されている側面も考えられます。
3. 経営戦略
昭和パックスは、主力である重包装袋事業の安定性を維持しつつ、事業の多角化と効率化を進める戦略を採っています。直近の重要な動きとしては、2026年1月1日を効力発生日として完全子会社である山陰パック有限会社を吸収合併する計画を発表しています。これは、組織の一体化と業務効率の向上を目的としており、経営資源の最適化を図る中長期的な戦略の一環です。
また、原材料価格高騰や物流費上昇といった外部環境の変化に対応するため、コスト管理の徹底や製品採算性の見直しを継続して実施しています。今後のイベントとしては、2026年3月30日に配当落ち日が予定されています。
4. 財務分析
昭和パックスの財務状況は、堅実な基盤と安定したキャッシュフロー創出能力を持つ一方で、収益効率性には改善の余地があることが示唆されています。
| 項目 | 値 | ベンチマーク/業界平均 | 投資家向け解釈 |
|---|---|---|---|
| Piotroski F-Score | 2点 (C) | 7点以上=優良、5-6点=普通、4点以下=要注意 | 財務健全性には懸念点が残ります。特に効率性の項目で点を得られなかった可能性があります。 |
| 営業利益率 | 6.30% | 高いほど良好 | 過去12ヶ月の実績は業界標準と比較して平均的で、コスト管理の努力が見られます。 |
| ROE (自己資本利益率) | 5.68% | 10%以上が目安 | 株主資本を効率的に活用して利益を上げているかを示す指標です。現在の水準は一般的な目安を下回っており、資本効率の改善が課題です。 |
| ROA (総資産利益率) | 2.78% | 5%以上が目安 | 企業が総資産をどれだけ効率的に利用して利益を上げているかを示します。現在の水準は目安を下回っており、資産全体の運用効率には改善の余地があります。 |
| 自己資本比率 | 70.2% | 40%以上が目安 | 総資産に占める自己資本の割合で、高いほど財務の安全性が高いことを示します。非常に健全な水準です。 |
| 流動比率 | 2.72倍 (272%) | 150-200%以上が目安 | 短期的な支払い能力を示す指標です。200%を大きく上回っており、非常に高い短期的な債務返済能力があります。 |
| 営業CF | 2,210百万円 | プラスが望ましい | 企業の主力事業で稼ぎ出す現金であり、安定的にプラスであることが健全な事業運営の証です。 |
| フリーCF | 485.25百万円 | プラスが望ましい | 営業CFから設備投資などに使われた現金を差し引いたもので、企業の自由に使える資金源です。プラスであり、投資余力があることを示します。 |
| 営業CF/純利益比率 | 1.84 | 1.0以上=健全、1.0未満=要確認 | 利益がどれだけ現金として入ってきているかを示す「利益の質」の指標です。1.0を大きく上回っており、利益の質は非常に良好です。 |
四半期進捗
2026年3月期第2四半期(中間期)の実績は、通期予想に対して比較的順調に進捗しています。
- 売上高進捗率: 通期予想24,000百万円に対し、中間期実績11,972百万円で進捗率は49.9%と、通期の半分にあたる標準的な進捗です。
- 営業利益進捗率: 通期予想1,330百万円に対し、中間期実績819百万円で進捗率は61.6%と、良好な進捗を見せています。これは、コスト管理の改善や採算性向上努力の成果と見られます。
- 純利益進捗率: 通期予想1,200百万円に対し、中間期実績651百万円で進捗率は54.3%と、概ね順調です。ただし、前年中間期にあった投資有価証券売却益(255百万円)の反動で、純利益そのものは前年同期比で減少しています。本業の利益貢献は順調だが、特別損益要因に注意が必要です。
バリュエーション
昭和パックスの現在の株価3,400.0円をもとに、バリュエーション指標を評価します。
- PER (株価収益率): 12.44倍
- 業界平均PER: 8.0倍
- PERは「株価が1株当たり利益の何年分か」を示し、業界平均と比較して高いか低いかで割安・割高を判断する目安となります。昭和パックスのPER12.44倍は業界平均8.0倍と比較して1.5倍以上高く、相対的に割高であると判断されます。
- PBR (株価純資産倍率): 0.62倍
- 業界平均PBR: 0.5倍
- PBRは「株価が1株当たり純資産の何倍か」を示し、1倍未満であれば解散価値を下回る状態とされます。昭和パックスのPBR0.62倍は1倍を下回っており、純資産価値から見れば割安感がありますが、業界平均0.5倍と比較するとやや高い水準です。
これらの指標に基づくと、現時点ではバリュエーション面で割安感があるとは言い難い状況です。目標株価(業種平均PER基準で2,173円、業種平均PBR基準で2,762円)と比較しても、現在の株価はそれらを上回っています。
テクニカル
昭和パックスの株価は、直近で強い上昇トレンドを示しています。
- 52週高値・安値との位置: 年初来安値1,600円、年初来高値3,435円に対し、現在の株価3,400.0円は52週レンジの98.1%位置にあり、ほぼ年初来高値圏で推移しています。
- 移動平均線との関係:
- 現在株価3,400.0円は、5日移動平均線3,312.00円を2.66%上回っています。
- 25日移動平均線3,073.84円を10.61%上回っています。
- 75日移動平均線2,937.63円を15.74%上回っています。
- 200日移動平均線2,439.07円を39.40%上回っています。
全ての短期・中期・長期移動平均線を大きく上回っており、非常に強い上昇モメンタムにあることが示されています。
市場比較
昭和パックスの株価パフォーマンスは、市場平均を大幅に上回っています。
- 日経平均株価との相対パフォーマンス:
- 1ヶ月リターン: 株式+39.63% vs 日経平均+7.90% → 31.73%ポイント上回る
- 3ヶ月リターン: 株式+19.63% vs 日経平均+11.38% → 8.25%ポイント上回る
- 6ヶ月リターン: 株式+69.49% vs 日経平均+36.34% → 33.15%ポイント上回る
- 1年リターン: 株式+87.02% vs 日経平均+34.33% → 52.69%ポイント上回る
- TOPIXとの相対パフォーマンス:
- 1ヶ月リターン: 株式+39.63% vs TOPIX+9.29% → 30.34%ポイント上回る
これらのデータは、昭和パックスの株価が過去1年間、特に直近6ヶ月間において、日経平均およびTOPIXといった主要株価指数をパフォーマンスで大きく凌駕しており、市場内で非常に注目されていることを示しています。
定量リスク
- ベータ値: 0.02(過去5年間の月次データ)
- ベータ値が1より著しく低い0.02であるため、市場全体の動きに対する株価の連動性が非常に低いことを示しています。これは、市場全体が大きく変動しても、同社の株価は比較的安定している可能性を意味します。
- 年間ボラティリティ: 36.77%
- これは過去1年間の株価の変動の大きさを表します。仮に100万円投資した場合、年間で±36.77万円程度の変動が想定されることを意味し、比較的高い価格変動リスクがあると言えます。
- 最大ドローダウン: -52.56%
- 過去の特定期間において、株価がピークから最も大きく下落した割合です。この銘柄に100万円を投資した場合、過去には最大で52.56万円の損失を被る可能性があったことを示唆しており、将来も同程度の大きな下落が起こりうるリスクとして認識しておく必要があります。
- シャープレシオ: -0.80
- リスクに見合うリターンが得られているかを示す指標で、1.0以上が良好とされます。マイナスの値は、得られたリターンがリスクに見合っておらず、無リスク資産のリターンすら下回っていたことを意味します。
事業リスク
- 原材料価格の高騰: クラフト紙やポリエチレンなどの主要原材料価格は高止まり傾向にあり、今後も高騰が続けば、製造コストの増加を通じて収益性を圧迫する可能性があります。
- 労務費・物流費の上昇: 人件費や輸送コストの上昇は、製品価格への転嫁が難しい場合、営業利益率の低下に直結します。特に製造業である同社にとって、これらのコスト変動は重要なリスク要因です。
- 子会社における売掛債権問題: 連結子会社である株式会社ネスコの売掛債権(381.8百万円)に関する取立不能・遅延リスクが存在し、係争中です。将来的にこの問題が損失として顕在化した場合、会社の業績に大きな下振れ影響を与える可能性があります。すでに貸倒引当金を計上済みですが、訴訟の行方を注視する必要があります。
- 海外事業の需要減速: タイ子会社を含む海外事業においては、現地経済情勢や景気減速の影響で需要が減少するリスクがあります。特に、主力である石化製品向け輸出需要が変動した場合、業績への影響が懸念されます。
7. 市場センチメント
- 信用取引状況: 信用買残が297,700株、信用売残が0株であり、信用倍率は0.00倍となっています。信用売残がない状態は、株価下落を見込む投資家が少ないことを示唆しますが、一方で買い方の需給が偏っている可能性もあります。
- 主要株主構成:
- サンエー化研: 19.01%
- 新生紙パルプ商事: 18.81%
- 三菱UFJ銀行: 3.03%
上位株主には事業会社や金融機関が多く、安定株主が一定割合を占めています。インサイダー保有比率が52.18%と高く、経営陣や関連企業による持ち株比率が高い傾向にあります。
8. 株主還元
- 配当利回り: 会社予想1.47% (1株配当50.00円/株価3,400.0円)
- この配当利回りは、現在の市場における利回り水準と比較して特別高いというわけではありませんが、安定した配当を目指す姿勢が見られます。
- 配当性向: 会社予想18.3% (年間配当50円/EPS273.35円)
- 配当性向は「利益の何%を配当に回しているか」を示し、30-50%が一般的とされます。昭和パックスの配当性向は比較的低く、利益を内部留保に回して事業基盤の強化や将来の成長投資に充てる方針と解釈できます。
- 自社株買いの状況: データなし。現状では自社株買いに関する明確な情報はありません。
SWOT分析
強み
- 重包装袋市場でのトップシェアと石化業界向け輸出における独自の強み。
- 非常に高い自己資本比率(70.2%)と流動比率(272%)に裏打ちされた強固な財務体質。
弱み
- ROE(5.68%)およびROA(2.78%)が低く、資本効率と資産運用効率に課題。
- Piotroski F-Scoreが2点と、財務面での懸念点が指摘されている。
機会
- 吸収合併による子会社の統合を通じた事業効率化とコスト削減の可能性。
- 包装資材業界における環境配慮型製品への需要増加に対する新規ビジネス展開。
脅威
- クラフト紙やポリエチレンなどの原材料価格および労務・物流費の継続的な高騰。
- 子会社の売掛債権問題の行方と、それが業績に与える潜在的な下振れリスク。
この銘柄が向いている投資家
- 財務安定性を重視する投資家: 高い自己資本比率と潤沢なキャッシュフローを評価し、安心して長期保有したいと考える投資家。
- ニッチ市場の安定成長に期待する投資家: 重包装袋の専門性の高さと、特定の産業(石化製品輸出)における強固な地位に魅力を感じる投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- 収益性の改善状況: ROEやROAの低さは、資本効率を重視する投資家にとっては懸念材料です。今後の経営戦略で、どのように資本効率を改善していくのか進捗をウォッチする必要があります。
- 子会社債権問題の進展: 株式会社ネスコの売掛債権に関する係争は、業績に影響を及ぼす可能性があります。訴訟の行方や、それによる特別損失の発生状況について、続報を注意深く確認することが重要です。
今後ウォッチすべき指標
- 営業利益率: 原材料価格高騰やコスト増を吸収し、本業で安定した利益を稼ぎ続けられるかを示す鍵となるでしょう。目標値として8%以上の安定的な推移が望ましい。
- ROE(自己資本利益率): 低い資本効率の改善が見られるかどうかの最も重要な指標です。目標値として8%への着実な改善が期待されます。
- 子会社の売掛債権に関する開示情報: 訴訟の進捗や、債権回収見込み額の修正など、新たな情報開示があった場合には迅速に確認する必要があります。
10. 企業スコア(詳細)
- 成長性: C
- 売上高は微増傾向にあるものの、2026年3月期の営業利益は減益予想であり、過去12ヶ月の四半期売上高成長率も0.70%と低い水準です。高い成長は見込みにくい状況です。
- 収益性: C
- 実績ROEが5.68%、過去12ヶ月の営業利益率が6.30%であり、いずれも一般的な目安(ROE10%、営業利益率10%)を下回ります。資本効率と本業の収益力に改善の余地があります。
- 財務健全性: B
- 自己資本比率70.2%と流動比率272%は「S」評価の水準に匹敵する非常に高い健全性を示していますが、Piotroski F-Scoreが2点と低い点が懸念材料として挙げられるため、総合的にBと評価します。
- バリュエーション: D
- PER12.44倍は業界平均8.0倍を155.5%上回っており、PBR0.62倍も業界平均0.5倍を124%上回っています。業界平均と比較して割高感があり、相対的に高い評価を受けていると判断されます。
企業情報
| 銘柄コード | 3954 |
| 企業名 | 昭和パックス |
| URL | http://www.showa-paxxs.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 素材・化学 – パルプ・紙 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 3,400円 |
| EPS(1株利益) | 273.35円 |
| 年間配当 | 1.47円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 7.0% | 14.3倍 | 5,475円 | 10.0% |
| 標準 | 5.4% | 12.4倍 | 4,414円 | 5.4% |
| 悲観 | 3.2% | 10.6倍 | 3,385円 | -0.0% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 3,400円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 2,199円 | △ 55%割高 |
| 10% | 2,746円 | △ 24%割高 |
| 5% | 3,465円 | ○ 2%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.15)」によって自動生成されました。
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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。