日本アイ・エス・ケイ(証券コード:7986)企業分析レポート
1. 企業概要
日本アイ・エス・ケイは、耐火金庫や防盗金庫などの鋼製品、歯科ユニットを中心とした歯科医療機器、および書庫・ロッカーなどのスチール家具を製造・販売する企業です。金属加工で長い歴史を持つ広沢グループの傘下にあり、1919年創業の老舗企業としての信頼と技術力を強みとしています。
主力製品は、家庭用から業務用まで幅広い耐火・防盗金庫、および歯科医院向けの先進的な歯科ユニットです。収益モデルは製品販売が中心のフロー型であり、主に法人向け(B2B)と一部個人向け(B2C)の両方で事業を展開しています。また、不動産賃貸事業も行っており、こちらは安定的なストック型収益源となっています。金庫製造における独自の耐火・防盗技術や、歯科医療機器分野における専門性が技術的独自性および参入障壁となっています。
2. 業界ポジション
日本アイ・エス・ケイは、耐火金庫および歯科医療機器の分野で中堅の位置を占めていると推定されます。市場動向としては、国内経済の緩やかな回復が見られるものの、物価上昇や金融市場の変動といった下振れリスクが継続していると会社は認識しています。これに対し、企業は高付加価値商品の拡販、技術開発、および経費削減を通じて対応を進めています。
競合に対する相対的な強みとしては、長年の事業実績に裏打ちされた製品信頼性、無借金経営に象徴される極めて高い財務健全性が挙げられます。一方、弱みとしては、各事業セグメントにおける市場シェアに関する詳細情報が少ないこと、および全体としての成長性の鈍化傾向が挙げられます。
【定量比較】業界平均との財務指標比較
- PER(会社予想): 7.33倍 (業界平均: 10.0倍)→ 割安
- PBR(実績): 0.61倍 (業界平均: 0.5倍)→ やや割高
株価が利益の何年分かを示すPERは業界平均よりも低く、割安感があります。一方、株価が純資産の何倍かを示すPBRは業界平均をわずかに上回っており、純資産に対してはやや高い評価を受けていると言えます。
3. 経営戦略
経営陣は、積極的な営業活動、高付加価値商品の拡販、技術開発、および経費削減を継続的に推進していく方針です。具体的な数値目標を伴う中期経営計画の開示はありませんが、売上高・利益成長を安定的に確保するための取り組みが見られます。
重点投資分野としては、鋼製品関連事業での製品ミックス改善と高付加価値製品の販売促進、デンタル関連事業での新規開拓と買替需要への対応、そして書庫ロッカー関連事業での生産性向上と新商品開発が挙げられます。
直近の適時開示情報(2025年12月期第3四半期決算短信)においては、大型受注、新製品発表、M&Aといった特筆すべき情報は確認されていません。
これらの経営戦略が今後の業績に与える影響としては、鋼製品およびデンタル関連事業が引き続き業績を牽引し、利益改善に貢献する見込みです。一方で、書庫ロッカー関連事業の採算悪化が懸念されており、同事業の回復が今後の成長にとって重要な鍵となります。
4. 財務分析
- 【財務品質スコア】Piotroski F-Score: 2/9 (C: やや懸念)
- 収益性スコア: 0/3
- 財務健全性スコア: 1/3
- 効率性スコア: 1/3
- 要因分析: 営業利益率は良好(10.54%)でROAも目安を上回っています(5.64%)。しかし、ROE(9.67%)がベンチマークの10%にわずかに届かないことや、効率性に関連する指標が低い点により、収益性と効率性のスコアが伸び悩んでいます。ただし、流動比率は極めて高く、財務健全性は非常に優良な水準を保っています。
- 投資家向け解釈: Piotroski F-Scoreは財務の総合的な健全性を表す指標で、7点以上が優良とされます。日本アイ・エス・ケイのスコアは2点と低めですが、これは主に収益性と効率性の項目に起因しています。特に自己資本比率や流動比率といった企業の安定性を示す指標は非常に良好です。
- 【収益性】
- 営業利益率(過去12か月): 10.54% (目安: 業界や事業モデルによるが、一般に10%以上は良好)
- ROE(実績): 9.67% (目安: 株主のお金でどれだけ稼いだかを示す指標。10%以上が一般的な目安)
- ROA(実績): 5.64% (目安: 会社が所有する全資産でどれだけ稼いだかを示す指標。5%以上が一般的な目安)
- 営業利益率とROAは良好な水準ですが、ROEは目安に僅かに届かない状況です。
- 【財務健全性】
- 自己資本比率(実績): 69.0% (目安: 企業の安定性を示す指標。40%以上が望ましいとされる)
- 流動比率(直近四半期): 251% (目安: 短期的な支払い能力を示す指標。150%以上が良好とされる)
- 無借金経営と記載されており、D/Eレシオ(有利子負債と自己資本の比率)も極めて低いと推測されます。自己資本比率と流動比率は非常に高い水準にあり、財務基盤は極めて安定しています。
- 【成長性】
- 売上高成長率(2023年12月期→2024年12月期): +3.3%
- 売上高成長率(2024年12月期→2025年12月期予想): +1.7%
- 営業利益成長率(2023年12月期→2024年12月期): +2.2%
- 営業利益成長率(2024年12月期→2025年12月期予想): +0.4%
- 過去数期の売上高および利益成長率は比較的緩やかで、高成長とは言えない水準です。
- 【キャッシュフロー】
- 2025年12月期第3四半期累計期間のキャッシュ・フロー計算書は作成されていないため、営業CF、投資CF、財務CFの3区分やFCF(フリーキャッシュフロー)の算出はできません。
- 現金及び預金は1,275百万円(前期末比105百万円増加)となっており、流動性は確保されています。
- 配当カバレッジ比率に関する言及できるデータはありません。
- 【利益の質】
- 利益の質分析に関するデータは提供されていないため、評価はできません。
- 【セグメント別分析】 (2025年12月期 第3四半期累計)
- 売上構成比: 鋼製品関連 29.2%、デンタル関連 33.4%、書庫ロッカー関連 32.4%、不動産賃貸 2.9%、その他 2.2%。
- 成長率(対前年同期間): 鋼製品関連 +8.2%、デンタル関連 +0.7%、書庫ロッカー関連 △3.2%、不動産賃貸 +6.4%、その他 +20.8%。
- セグメント利益: 鋼製品関連とデンタル関連で利益改善が顕著であり、不動産賃貸も安定的に利益貢献しています。一方で、書庫ロッカー関連は売上・利益ともに減少しており、課題セグメントと言えます。
- 成長ドライバー: 鋼製品、デンタル、不動産賃貸が主な成長ドライバーですが、各事業の成長速度は異なります。
- 課題セグメント: 書庫ロッカー関連事業の採算改善が喫緊の課題です。
- 【四半期進捗】 (2025年12月期 第3四半期累計 vs 通期予想)
- 売上高進捗率: 約75.6%
- 営業利益進捗率: 約92.9%
- 親会社株主に帰属する当期純利益進捗率: 約84.7%
- 営業利益の通期予想に対する進捗率が92.9%と非常に高く、下期に大きな不利要因が出なければ通期達成の可能性は高いと判断されます。売上高と純利益の進捗も順調と言えるでしょう。
5. 株価分析
- 【現在の水準】
- PER(会社予想): 7.33倍 (業界平均: 10.0倍)。業界平均と比較して割安な水準です。「株価が利益の何年分か」を示し、低いほど割安の可能性。
- PBR(実績): 0.61倍 (業界平均: 0.5倍)。業界平均と比較してやや割高な水準です。「株価が純資産の何倍か」を示し、1倍未満は解散価値を下回る状態。
- EPS(会社予想): 245.97円 (1株当たり利益)
- BPS(実績): 2,955.73円 (1株当たり純資産)
- 理論株価レンジ(業種平均PER基準): 2,469円、理論株価レンジ(業種平均PBR基準): 1,478円。現在の株価1,804.0円は、PER基準では割安、PBR基準では割高な中間位置にあります。
- 【テクニカル】
- 52週高値: 1,850円、52週安値: 1,371円。現在の株価1,804.0円は52週レンジの90.4%に位置しており、高値圏で推移しています。
- 移動平均線との位置関係:
- 5日移動平均線: 1,783.40円 (現在株価はこれを上回り+1.16%)
- 25日移動平均線: 1,785.44円 (現在株価はこれを上回り+1.04%)
- 75日移動平均線: 1,750.11円 (現在株価はこれを上回り+3.08%)
- 200日移動平均線: 1,646.68円 (現在株価はこれを上回り+9.55%)
- 現在株価は全ての移動平均線を上回っており、短期から長期にかけて明確な上昇トレンドを示唆しています。ゴールデンクロスなどの具体的なシグナルは示されていませんが、この位置関係は強気を示します。
- 【市場との比較】
- 過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年のどの期間においても、日経平均およびTOPIXといった市場指数を下回るパフォーマンスとなっています。これは、市場全体の強い上昇トレンドに対して、日本アイ・エス・ケイの株価上昇が相対的に緩やかだったことを示しています。
6. リスク評価
- 【定量的リスク指標】
- ベータ値(5Y Monthly): 0.15 (目安: 市場全体と比較した場合の株価変動の大きさ。1.0以上は市場より変動大、1.0未満は市場より変動小)→ 市場感応度が非常に低いことを示します。市場全体の変動に対して、株価は大きく反応しにくい特性があります。
- 年間ボラティリティ: 26.86% (目安: 株価の年間変動幅。20%以下は低リスク、20-40%は中リスク)→ 中リスクの範囲にあります。
- シャープレシオ: -0.17 (目安: リスクに見合うリターンが得られているかを示す指標。1.0以上は良好、0.5未満はリスク対比リターン不十分)→ リスク対比リターンが不十分であることを示しています。
- 最大ドローダウン: -35.54% (例: 過去最悪の局面で100万円投資していたら64.46万円まで下落した実績)→ 過去には大きな下落を経験したことがあることを示唆しており、将来も同程度の変動があり得ることを認識すべきです。
- 【価格変動シナリオ】
- 年間ボラティリティ 26.86%に基づくと、仮に100万円投資した場合、年間で±26.86万円程度の変動が想定されます。
- 【事業リスク】
- 決算短信記載のリスク要因: 国内需要の下振れ、原材料価格の変動、為替・金融市場の変動、主要事業(書庫ロッカー)の採算悪化。これらは、安定した業績推移を阻害する可能性があります。
- 事業特有のリスク: 耐火金庫事業は、景気動向や災害対策意識の変化、技術革新に影響を受けます。歯科医療機器事業は、医療政策の変更や競合他社の新製品投入、技術陳腐化のリスクがあります。また、主要顧客が法人や医療機関であるため、設備投資抑制や予算削減の影響を受ける可能性もあります。
- 52週レンジにおける現在位置: 90.4%(0%=安値、100%=高値)。現在の株価は、過去1年間で見て比較的高値圏にあり、下落余地に対する警戒が必要です。
7. 市場センチメント
- 信用取引の状況:
- 信用買残: 41,400株 (前週比: +400株)
- 信用売残: 0株
- 信用倍率: 0.00倍 (売残がないため)
- 信用買い残は存在しますが、信用売残がなく信用倍率が0.00倍であるため、需給バランスは買い方に偏っています。この状況が続くと、将来的に買い残の整理(売り)による株価下落圧力となる可能性も考慮に入れる必要があります。
- 株主構成と大株主の動向:
- 大株主は廣澤興産(有)(19.99%)を筆頭に、自社(自己株口)13.64%、廣澤清氏、広沢かほる氏、公益財団法人広沢育英会、広沢(有)など、広沢グループに関連する株主が高い比率を占めています。
- インサイダー保有比率が56.59%と非常に高く、安定株主による経営支配が強い構造です。機関投資家による保有割合は1.24%と低水準です。
- 経営陣の持株比率と安定株主の状況:
- 廣澤グループの支配力が強く、経営の安定性は高いと考えられます。これは、短期的な市場の変動に左右されにくい経営を可能にする一方で、流動性が低くなる傾向もあります。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 1.66% (株価1,804.0円、1株配当30.00円)
- 配当性向(実績): 12.15% (会社予想ベースでは約12.7%)
- 一般的な配当性向30-50%と比較して、低水準です。これは、利益を内部留保に回す傾向が強いことを示しています。
- 配当の継続性・増配傾向:
- 決算短信の予想では年間配当30.00円を維持する方針であり、近年も配当額は横ばいで推移しています。安定配当を継続する姿勢は評価できますが、特段の増配傾向は見られません。
- 自社株買いの実績と方針:
- 資料に自社株買いに関する具体的な記載はありませんが、大株主リストに「自社(自己株口) 13.64%」とあることから、過去に自社株買いを実施した実績があると考えられます。今後の方針については情報がありません。
9. 総合評価
【投資ポイント】
- 1. 強固な財務基盤: 無借金経営かつ自己資本比率69.0%、流動比率251%という極めて高い財務健全性を誇り、経営の安定性は非常に優れています。
- 2. 安定的な事業ポートフォリオ: 耐火金庫、歯科医療機器、不動産賃貸といった、異なる特性を持つ事業の組み合わせにより、経営の安定性を確保しています。
- 3. 営業利益の進捗良好: 2025年12月期第3四半期時点で、営業利益の通期予想に対する進捗率が92.9%と非常に高く、計画達成への期待が持てます。
【強み】
- 盤石な財務健全性と無借金経営。
- 創業100年を超える歴史とブランド力、技術的専門性。
- 広沢グループによる安定した株主構成と経営基盤。
【弱み】
- 全体としての売上高・利益成長率の鈍化。
- Piotroski F-Scoreが低く、収益性および効率性改善の余地。
- 書庫ロッカー事業の採算悪化。
【機会】
- 高付加価値製品の販売強化による収益性向上(鋼製品・デンタル)。
- 不動産賃貸事業の安定収益の最大化。
- 企業文化を活かした新たな技術開発や市場開拓。
【脅威】
- 国内市場の需要低迷と景気変動リスク。
- 原材料価格や物流コストの上昇。
- 競合との価格競争激化および技術革新への対応。
【注目すべき指標】
- 書庫ロッカー事業の売上高成長率とセグメント利益率の推移。
- 全社としての売上総利益率および営業利益率の改善。
- 自己資本利益率(ROE)の10%回復。
10. 企業スコア
- 成長性: C
- 売上高成長率が0-5%の範囲(2025年12月期の予想売上成長率は+1.7%)。
- 収益性: A
- ROEは9.67%で10%に僅かに届かないものの、営業利益率が10.54%と10-15%の範囲にあるため、A評価とします。
- 財務健全性: S
- 自己資本比率69.0%(60%以上)、流動比率251%(200%以上)と非常に高い水準で、極めて堅固です。Piotroski F-Scoreは低いものの、これは主に収益性・効率性スコアによるもので、財務健全性(貸借対照表上の安定性)はSランクに該当します。
- 株価バリュエーション: C
- PER(7.33倍)は業界平均(10.0倍)の73%でSの基準を満たしますが、PBR(0.61倍)は業界平均(0.5倍)の122%でCの基準に該当します。両方の基準を満たす必要があるため、C評価とします。
企業情報
| 銘柄コード | 7986 |
| 企業名 | 日本アイ・エス・ケイ |
| URL | http://www.king-ind.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – その他製品 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,804円 |
| EPS(1株利益) | 245.97円 |
| 年間配当 | 1.66円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 18.6% | 8.4倍 | 4,863円 | 22.0% |
| 標準 | 14.3% | 7.3倍 | 3,517円 | 14.4% |
| 悲観 | 8.6% | 6.2倍 | 2,313円 | 5.2% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,804円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,755円 | △ 3%割高 |
| 10% | 2,192円 | ○ 18%割安 |
| 5% | 2,766円 | ○ 35%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.12)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
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