企業の一言説明
ラサ工業は化成品、機械、電子材料を展開する多角化が進んだ独立系化学メーカーです。
総合判定
成長期待が高いものの、PBRは割高な化学企業
投資判断のための3つのキーポイント
- 電子材料事業の高成長が牽引役となり、継続的な業績拡大が期待される。
- 強固な財務基盤と安定的な株主還元姿勢(増配)は、長期保有の安心材料。
- PBRが業界平均を大幅に上回っており、市場が織り込む成長期待に対して今後の実績が伴うかが重要。
企業スコア
| 観点 | スコア | 判定理由 |
|---|---|---|
| 成長性 | B | 直近四半期の売上高成長率は8.7% |
| 収益性 | S | ROE15.56%と高い水準を維持 |
| 財務健全性 | S | 自己資本比率が高くFスコアも優良 |
| バリュエーション | D | PBRが業界平均の2倍と特に割高 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 1,705.0円 | – |
| PER | 15.9倍 | 業界平均20.4倍 |
| PBR | 2.20倍 | 業界平均1.1倍 |
| 配当利回り | 1.99% | – |
| ROE | 15.56% | – |
1. 企業概要
ラサ工業は1913年設立の老舗化学メーカーです。化成品、機械、電子材料の3つを主要事業とし、リン酸・リン酸塩を基盤とした高純度化学品、水処理剤、半導体向け高純度化学品に加え、シールド掘進機や電子ビーム溶接機などを手掛けています。特に電子材料事業では高付加価値製品に強みを持ち、半導体産業を支える技術を提供しています。
2. 業界ポジション
化学業界において、ラサ工業は幅広い分野に製品を提供する多角化企業としてのポジションを確立しています。特定のニッチ領域では高い技術力を有しますが、市場シェア全体では中規模企業に位置します。化成品事業は景気変動の影響を受けやすく競争も激しい一方、電子材料事業では、高水準の技術力と品質で独自の地位を築いています。
3. 経営戦略
ラサ工業は、高付加価値製品への転換と新規市場開拓を成長戦略の柱としています。特に、成長著しい電子材料事業への注力により、収益性の向上を目指しています。また、M&Aや設備投資も積極的に検討し、事業ポートフォリオの最適化を図ろうとしています。直近では2026年3月期第3四半期決算において、当初予想からの業績上方修正と年間配当の増額を発表しており、堅調な事業推進がうかがえます。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 8/9 | S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 2/3 | 純利益とROAは優良だが、営業キャッシュフローのデータ不足 |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率、D/Eレシオ、株式希薄化なしで満点 |
| 効率性 | 3/3 | 営業利益率、ROE、四半期売上成長率すべて優良 |
ラサ工業はPiotroski F-Scoreで8/9点と非常に高い評価を得ており、財務品質が優良であることを示しています。特に財務健全性と効率性の項目で満点を獲得しており、バランスの取れた経営が行き届いていることが伺えます。
【収益性】
過去12ヶ月の営業利益率は13.15%と、一般的な目安である10%を上回る良好な水準です。株主資本利益率(ROE)は15.56%と、ベンチマークの10%を大きく超え、株主資本を効率的に活用して利益を上げている優良企業と言えます。総資産利益率(ROA)も8.35%と、ベンチマークである5%を上回っており、資産全体から高い収益を生み出している状況です。
【財務健全性】
直近の自己資本比率は62.9%と非常に高く、財務的な安定性が際立っています。流動比率は1.99倍 (199%) であり、短期的な債務返済能力も十分に確保されています。これらの指標から、ラサ工業の財務基盤は極めて強固であると評価できます。
【キャッシュフロー】
| 決算期 | フリーCF (百万円) | 営業CF (百万円) | 投資CF (百万円) | 財務CF (百万円) | 現金等残高 (百万円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023.03 | 1,081 | 2,042 | -961 | 245 | 4,940 |
| 2024.03 | 3,081 | 4,972 | -1,891 | -4,735 | 3,405 |
| 2025.03 | 3,209 | 5,038 | -1,829 | -1,641 | 5,054 |
2025年3月期における営業キャッシュフローは50億3,800万円と潤沢で、事業活動が堅調であることを示しています。投資キャッシュフローは継続的な設備投資のためにマイナスとなっていますが、フリーキャッシュフローは32億900万円と安定的にプラスで推移しており、本業で稼いだ資金で投資を賄い、余剰資金を生み出せる健全な状態です。直近の現金及び預金は38億6,300万円で、前期から減少していますが、財務の安定性に大きな影響はありません。
【利益の質】
2025年3月期の営業キャッシュフローと純利益を比較すると、営業CF/純利益比率は約1.19倍(50億3,800万円 ÷ 42億400万円)となり、1.0倍を上回っています。これは、利益を現金として着実に獲得できていることを示唆しており、利益の質が健全であると評価できます。
【四半期進捗】
2026年3月期第3四半期累計の売上高進捗率は73.9%、営業利益進捗率は77.8%、親会社株主に帰属する当期純利益進捗率は77.0%と、各利益項目で通期予想に対する堅調な進捗を見せています。特に営業利益・純利益の進捗が売上高を上回っており、収益性の改善が伺えます。セグメント別では電子材料事業が売上高、セグメント利益ともに大幅な増益を達成し、全体の業績を牽引しています。
【バリュエーション】
現在のPERは15.9倍で、業界平均の20.4倍と比較するとやや割安な水準にあります。一方でPBRは2.20倍と、業界平均の1.1倍を大きく上回っており、純資産に対して株価が割高に評価されている状況です。これは、電子材料事業のような成長分野への期待が株価に織り込まれている可能性を示唆しています。PERベースの目標株価は2,193円ですが、PBRベースでは852円と乖離があり、市場は同社の成長性や収益性を重視していると考えられます。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | – | – |
| RSI | 中立 | – | – |
| 5日線乖離率 | – | -4.98% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | +2.08% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | +2.98% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +38.87% | 長期トレンドからの乖離 |
現在の株価は主要な移動平均線を下回る銘柄が多く、短期的な下落傾向にあります。特に5日移動平均線からの乖離率は-4.98%と、短期間での売り圧力がやや強い状況です。
【テクニカル】
現在の株価1,705.0円は、52週高値2,184.0円(分割後)からは約22%低い水準にあり、直近では調整局面に入っていると言えます。しかし、52週安値531.8円(分割後)から見れば大きく上昇した水準です。短期移動平均線(5日、25日)を下回っていますが、長期移動平均線(75日、200日)からの乖離は依然としてある状態です。
※52週高安値のデータとレンジ内位置の計算が矛盾しているため、提供データをそのまま記載。理論値は70.3%(高値圏)となりますが、データではレンジ内位置は13.1%(低値圏)と表記されています。
【市場比較】
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | -77.91% | +14.03% | -91.95%pt |
| 3ヶ月 | +18.90% | +12.45% | +6.45%pt |
| 6ヶ月 | -65.90% | +24.99% | -90.89%pt |
| 1年 | -32.93% | +72.17% | -105.10%pt |
足元の1ヶ月および6ヶ月、1年間のパフォーマンスは日経平均を大きく下回っていますが、3ヶ月で見ると日経平均を上回るパフォーマンスを見せています。これは、短期間での急落があったものの、その後一定の回復局面があったことを示唆しています。
【注意事項】
📌 信用倍率が9.12倍と高水準なため、将来の売り圧力に注意が必要です。
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 年間ボラティリティ | 268.59% | ▲注意 | 過去1年間で株価の変動が非常に大きい |
| 最大ドローダウン | -91.43% | ▲注意 | 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる |
| シャープレシオ | 0.46 | △やや注意 | リスクを取った分だけリターンが得られているか |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 0.81 | ○普通 | 下落リスクだけで見たリターン効率 |
| カルマーレシオ | 0.47 | △やや注意 | 最大下落からの回復力 |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.13 | ○普通 | 日経平均とあまり連動しない |
| R² | 0.02 | – | 値動きのうち市場要因で説明できる割合 |
【ポイント解説】
ラサ工業の株価は、年間ボラティリティが268.59%と非常に高く、値動きが激しい傾向にあります。過去の最大ドローダウンは-91.43%と、極めて大きな下落を経験しており、今後も同様の下落リスクを考慮する必要があります。市場との相関を示すR²が0.02と低く、日経平均の動きに左右されにくい独自の要因で動く傾向が強いです。現在のボラティリティは過去1年で高水準(上位82%)にあり、投資には慎重な判断が求められます。
【投資シミュレーション】
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±137万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】
- 市況変動リスク: 主力分野である化成品や機械事業は景気や原材料価格の変動の影響を受けやすく、業績に影響を及ぼす可能性があります。
- 技術革新リスク: 電子材料事業は技術革新が速く、常に最先端技術への対応が求められ、研究開発投資の成否が重要となります。
- 特定顧客への依存: 電子材料事業において、半導体メーカーなど特定顧客への依存度によっては、その顧客の業況変動がリスクとなる可能性があります。
7. 市場センチメント
信用買残は161万8,100株、信用売残は17万7,400株で、信用倍率は9.12倍と高水準です。これは買い残が売り残の9倍以上あることを示し、将来的に買い方が利益確定売りに転じたり、追加保証金(追い証)発生時の投げ売りなどが発生した場合、株価にとっての売り圧力となる可能性があります。
主要株主構成
- 日本マスタートラスト信託銀行(信託口)(11.33%)
- 日本カストディ銀行(信託口)(5.79%)
- 自社取引先持株会(5.60%)
8. 株主還元
現在の配当利回りは1.99%、配当性向は30.1%と、比較的健全な水準です。「2026年3月期 第3四半期決算短信」では、年間配当予想が170円から増配後の34円(5分割調整後)とされており、積極的な株主還元姿勢が伺えます。現状の配当性向は利益に対する無理のない範囲であり、配当の持続可能性は高いと考えられます。
SWOT分析
| 分類 | 項目 | 投資への示唆 |
|---|---|---|
| 💪 強み | 電子材料事業の高い成長性 堅固な財務基盤 |
業績成長と株価上昇の原動力となる。 |
| ⚠️ 弱み | 信用倍率の高さ 景気変動への依存 |
急な株価下落リスクを高める可能性がある。 |
| 🌱 機会 | 半導体市場の拡大 環境規制強化による需要増 |
電子材料や水処理関連の売上増加が期待される。 |
| ⛔ 脅威 | 原材料価格の変動 競合激化と価格競争 |
化成品事業の収益性を圧迫する可能性がある。 |
この銘柄が向いている投資家
| 投資家タイプ | 相性が良い理由 |
|---|---|
| 長期的な成長を期待する投資家 | 電子材料事業の成長が今後の業績を牽引すると見込めるため。 |
| 財務の安定性を重視する投資家 | 自己資本比率が高く、安定した財務基盤を持つため。 |
この銘柄を検討する際の注意点
- 高いバリュエーション: PBRが業界平均と比較して割高であり、成長期待が株価に織り込まれているため、期待を超える成長がなければ調整リスクがあります。
- 高いボラティリティ: 年間ボラティリティが非常に高く、急激な株価変動を伴う可能性があるため、リスク許容度の低い投資家には不向きです。
- 信用倍率の動向: 信用買残が多く、今後の売り圧力となる可能性があるので、信用取引状況の継続的な確認が必要です。
今後ウォッチすべき指標
| 指標 | 現状 | トリガー条件 | 注目理由 |
|---|---|---|---|
| 電子材料事業の売上成長率 | +63.7%(直近Q) | +20%以上を継続 | 主要成長ドライバーの持続性確認 |
| 営業利益率 | 13.15% | 15%以上への向上 | 収益改善の継続性を示す指標 |
| 信用倍率 | 9.12倍 | 5倍以下への改善 | 将来の売り圧力の緩和判断 |
企業情報
| 銘柄コード | 4022 |
| 企業名 | ラサ工業 |
| URL | http://www.rasa.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 素材・化学 – 化学 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,705円 |
| EPS(1株利益) | 107.50円 |
| 年間配当 | 34.00円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8.3% | 19.1倍 | 3,059円 | 14.0% |
| 標準 | 6.4% | 16.6倍 | 2,432円 | 9.1% |
| 悲観 | 3.9% | 14.1倍 | 1,829円 | 3.4% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,705円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,311円 | △ 30%割高 |
| 10% | 1,638円 | △ 4%割高 |
| 5% | 2,066円 | ○ 17%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ニチアス | 5393 | 3,096 | 5,912 | 22.91 | 2.61 | 11.9 | 1.76 |
| ユニチカ | 3103 | 2,835 | 1,637 | 8.18 | 6.41 | 128.4 | 0.00 |
| ハリマ化成グループ | 4410 | 921 | 240 | 12.99 | 0.58 | 4.9 | 4.56 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.44)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。