企業の一言説明

クロスプラスは、婦人服の製造卸を中核に、量販店・専門店・EC販路を展開するアパレル商社です。

総合判定

割安に放置された事業転換期のアパレル商社

投資判断のための3つのキーポイント

  • 売上総利益率の改善とDXによる物流効率化により、厳しい市場環境下でも営業利益の大幅な増益を実現している。
  • 専門店チャネルの若返りやライフスタイル雑貨部門の強化、ECの成長が中長期的な収益の柱となりつつある。
  • 高い自己資本比率と配当維持能力を有しているが、需給面では信用倍率の高さによる売り圧力に注意を要する。

銘柄スコアカード

観点 評価 判定根拠
収益力 C ROE 9.7%に対し営業利益率やROAに課題あり
安全性 S 自己資本比率 65.5%、D/E倍率 0.16と非常に強固
成長性 B 営業利益のCAGRは高いが直近売上は減収傾向
株主還元 A 配当利回りが高く、配当性向も健全な範囲内
割安度 A PER 6.65倍、PBR 0.50倍と割安水準で推移
利益の質 C 営業CFに対する純利益の比率が低くCF面で懸念

総合: B

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1,298.0円
PER 6.65倍 業界平均10.1倍
PBR 0.50倍 業界平均0.7倍
配当利回り 4.62%
ROE 9.68%

企業概要

クロスプラスは、アパレル製品の企画・製造および卸売事業を主軸とする企業です。量販店向け婦人服でトップクラスのシェアを誇り、現在は専門店やECチャネルへの多角化を推進しています。また、ファッション雑貨やライフスタイル製品、さらに幼児向け発達支援サービスといった新規分野にも挑戦しており、従来のアパレル専業からの脱却を図っています。

業界ポジション

同社は国内アパレル製造卸の老舗として、量販店をメイン顧客とした強固な販路ネットワークを保持しています。近年は、競合が苦戦する専門店販路に対し、機能性ブランド「CROSS FUNCTION」やD2Cブランドなどの育成により差異化を図っています。一方で、国内衣料品市場の縮小や原材料・物流コストの上昇が重荷となっており、高付加価値化への転換が急務です。

競争優位性 (Moat)

  • ブランド・知名度: 中程度 — 長年の量販店取引で築いた安定的な供給実績。
  • スイッチングコスト: 中程度 — 物流自動化による生産効率向上と、顧客満足度を高める多チャネル展開。
  • ネットワーク効果: 弱い — 直接的なネットワーク効果は限定的。
  • コスト優位 (規模の経済): 強い — ロボットソーター導入による物流コスト削減の余地が拡大。
  • 規制・特許: 判断材料不足 — 特定の独自特許よりも、製造・卸売ノウハウの蓄積が強み。

経営戦略

中期経営計画では、既存のアパレル事業の効率化と並行して、高成長が見込まれるECや雑貨部門への投資を継続しています。最近の適時開示では、物流自動化(ロボットソーター100台導入)を推進し、生産性+5%を目指す方針を示しました。また、「2028年1月期のDOE 2.5%」達成に向けた株主還元方針を掲げ、増配を含めた積極的なアクションを継続しています。

収益性

売上高営業利益率は2.3%と、メーカーとしては低水準ですが、前年同期比から改善傾向にあります。ROEは9.7%とベンチマークの10%に迫る水準であり、資本効率の向上が見られます。ROAは5.7%と目安の5%を超えており、資産活用効率は向上しています。

財務健全性

自己資本比率は65.5%を維持しており、アパレル業界において極めて健全と言えます。流動比率も高く、短期的な支払能力に不安はありません。

キャッシュフロー

期間 営業CF フリーCF
過去12か月 9億4,700万円 ▲4,988万円

営業CFは前年の赤字から黒字転換を果たし、本業の稼ぐ力は回復しつつあります。一方でFCFは投資の拡大により微減となり、今後の投資回収が焦点です。

利益の質

営業CF/純利益比率は0.54であり、純利益に対して営業CFの蓄積が追いついていない状況にあるため、回収体制のチェックが必要です。

四半期進捗

2026年1月期の実績は会社計画を上回る形で着地し、利益面での成長力を確認できました。足元の減収は専門店チャネルの苦戦によるものですが、EC等の高成長部門でカバーする構造への転換期と言えます。

バリュエーション

PER 6.65倍、PBR 0.50倍は、いずれも業界平均を下回っており、割安感が非常に強いです。市場からの評価は低水準で推移しており、業績の安定成長が再評価される契機を待っている状態です。

テクニカル分析

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 ▲19.12 / ▲13.88 モメンタムは弱含み
RSI 売られすぎ 36.3 下値余地と反発可能性の両面あり
5日線乖離率 -0.76% 短期的に下値を模索中
25日線乖離率 -3.90% 中期移動平均線からやや乖離
75日線乖離率 -6.11% 長期トレンドに比して割安な位置
200日線乖離率 -2.85% 中長期平均を下回る

株価は全ての主要移動平均線を下回る位置にあり、上値の重い展開が続いています。52週安値水準から大きく乖離してはおらず、底値固めが次のトレンド転換の条件となりそうです。

市場比較

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 ▲5.05% +7.88% ▲12.93%pt
3ヶ月 ▲8.91% +13.19% ▲22.10%pt
6ヶ月 +1.01% +19.25% ▲18.24%pt
1年 +25.53% +70.37% ▲44.83%pt

日経平均の好調と比較し、相対的なパフォーマンスは低調に推移しています。

基本リスク指標

指標 判定 ひとことメモ
ベータ値 0.43 ◎良好 市場平均に比べ値動きが穏やか
年間ボラティリティ 29.91% ○普通 年間を通じた変動幅は標準的
最大ドローダウン ▲37.66% △やや注意 過去下落の深さに留意
シャープレシオ 0.02 △やや注意 リスクに見合うリターンが不足

リスク効率指標

指標 判定 ひとことメモ
ソルティノレシオ 0.25 ▲注意 下落リスクに対する効率に課題
カルマーレシオ 0.20 ▲注意 回復力には時間が必要

市場連動性

指標 判定 ひとことメモ
市場相関 0.44 ◎良好 指数との連動性は低く独自に動く
0.19 市場要因の影響度は約2割

ポイント解説

同銘柄は市場との連動性が低く、個別企業の業績要因に左右されやすい傾向があります。ボラティリティは標準的ですが、最大下落幅が大きくなる傾向があるため、エントリータイミングの管理が重要です。

投資シミュレーション

> 仮に100万円投資した場合: 年間で±28万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの4%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。

事業リスク

  • 為替変動(円安)によるアパレル仕入コストの上昇。
  • 専門店販路における需要の変化と競合激化。
  • ロジスティクス自動化投資の費用対効果。

信用取引状況

信用倍率は7.48倍と高水準であり、買い残が積み上がっているため、上昇局面での戻り売り圧力が警戒されます。

主要株主構成

  • 辻村隆幸 (7.77%)
  • 田村駒(株) (4.18%)
  • 自社(自己株口) (3.70%)

株主還元

配当利回りは4.62%と極めて魅力的です。配当性向は21.25%と健全な水準にあり、減配の可能性は低いと考えられます。今後、配当性向の向上や増配方針が実現されれば、株価の下支え要因となるでしょう。

カタリスト整理

上昇要因 下落要因
短期 (〜3ヶ月) 配当権利確定、ECチャネルの高成長、物流自動化によるコスト削減効果 専門店の需要減退、信用買い残解消に伴う戻り売り
中長期 (〜2 年) DOE目標達成へ向けた増配、新規DX事業の収益貢献 円安トレンドの継続、原材料価格の長期高止まり

SWOT分析

分類 項目 投資への示唆
💪 強み 量販店トップシェア
強固な財務体質
収益の安定性と倒産リスクの低さ
⚠️ 弱み 専門店販路の不振
CF蓄積の遅れ
キャッシュ不足による投資への制約
🌱 機会 物流の完全自動化
EC市場の拡大
利益率向上による再評価チャンス
⛔ 脅威 アパレル物価上昇
競争激化
利益率への継続的な圧力

この銘柄が向いている投資家

投資家タイプ 相性が良い理由
高配当狙いの長期投資家 4.6%を超える高い配当利回りと健全な配当性向があるため。
割安株狙いのバリュー投資家 PER・PBRが業界平均を下回り、市場評価の低い割安株であるため。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 信用買い残の整理: 信用倍率が7.5倍と高いため、需給の整理が終わるまでは株価が上値を切り上げにくい構造にあります。
  • 利益の質: 現金収支が純利益に追いついていない点は、長期的な企業価値成長の観点から注意深い観察が必要です。

今後ウォッチすべき指標

指標 現状 トリガー条件 注目理由
営業利益率 2.3% 3.0%以上の回復 稼ぐ力の向上を示すため
信用倍率 7.48倍 5倍以下への低下 需給改善による株価反転
売上総利益率 27.6% 28%維持 原価上昇への耐性確認

企業情報

銘柄コード 3320
企業名 クロスプラス
URL http://www.crossplus.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 商社・卸売 – 卸売業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,298円
EPS(1株利益) 195.08円
年間配当 4.62円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 0.0% 7.6倍 1,492円 3.1%
標準 0.0% 6.7倍 1,297円 0.3%
悲観 1.0% 5.7倍 1,159円 -1.8%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,298円

目標年率 理論株価 判定
15% 656円 △ 98%割高
10% 820円 △ 58%割高
5% 1,035円 △ 25%割高

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
ヤギ 7460 4,360 398 9.78 0.75 7.9 4.12
三共生興 8018 833 383 18.67 0.57 4.0 3.24
タキヒヨー 9982 2,809 247 15.25 0.73 4.9 1.77

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.2.5)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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