1. 企業情報
乃村工藝社は、展示施設、商業施設、博物館などの空間創造における企画、設計、施工、運営管理を総合的に手掛ける企業です。国内最大手であり、専門店、百貨店、複合商業施設、博物館、イベントなど、幅広い分野で事業を展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
乃村工藝社は、ディスプレイ業界において国内最大手の地位を確立しています。同社の強みは、企画から設計、施工、運営までを一貫して手掛ける総合力にあります。競合他社との差別化要因としては、長年の実績に基づくノウハウ、多様な顧客ニーズに対応できる幅広い事業領域、そして、高い技術力とデザイン力が挙げられます。
課題としては、人件費や材料費の高騰、景気変動による設備投資の抑制などが考えられます。
3. 経営戦略と重点分野
中期経営方針（2023年度～2025年度）において、「企業価値の向上」と「クリエイティビティの醸成」を掲げています。具体的には、顧客ニーズへの対応力強化、新たな技術やサービスの開発、海外展開の加速などが重点分野として考えられます。
4. 事業モデルの持続可能性
乃村工藝社の事業モデルは、商業施設や展示会などの需要に支えられており、景気変動の影響を受けやすい側面があります。しかし、同社は、多様な事業領域を持つことで、リスク分散を図っています。また、近年では、デジタル技術を活用した新たな空間演出や、サステナビリティに配慮した空間デザインなど、市場ニーズの変化に対応した取り組みも行っています。
5. 技術革新と主力製品
乃村工藝社は、空間デザイン、ディスプレイ技術、デジタル技術などを融合させた、多様な製品やサービスを提供しています。主力製品としては、商業施設や展示施設の企画・設計・施工、イベントの企画・制作などが挙げられます。
近年では、VR/AR技術を活用した空間演出や、デジタルサイネージなど、デジタル技術を活用した製品開発にも注力しています。
6. 株価の評価
- 株価: 859.0円（2025年2月27日終値）
- PER（会社予想）: (連)15.96倍
- PBR（実績）: (連)1.93倍
- EPS（会社予想）: (連)53.81円
- BPS（実績）: (連)444.88円
PERは業界平均（17.0倍）を下回っており、割安感があります。PBRは業界平均（1.8倍）をやや上回っています。EPS、BPSから計算される株価と比較すると、現在の株価は割安圏にあると判断できます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、2025年2月20日には900円まで上昇しましたが、その後は下落傾向にあります。200日移動平均線（837.44円）を上回っており、中長期的なトレンドは上昇基調にあると判断できます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去1年間で132,567百万円と、前期比で増加しています。
- 営業利益: 過去1年間で4,436百万円と、前期比で増加しています。
- 当期純利益: 過去1年間で3,031百万円と、前期比で増加しています。
- ROE（実績）: (連)7.78%
- ROA（過去12か月）: 3.51%
- 自己資本比率（実績）: (連)58.0%
売上高、利益ともに増加傾向にあり、財務体質は安定しています。自己資本比率も高く、財務的な安全性は高いと言えます。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（会社予想）: 3.73%
- 1株配当（会社予想）: 32.00円
- 配当性向: 83.93%
- 自社株買い: なし
配当利回りは比較的高い水準であり、株主還元に積極的な姿勢を示しています。配当性向はやや高めですが、業績が好調であるため、問題ない範囲と考えられます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は、2025年2月20日に900円まで上昇した後、調整局面に入っています。信用買い残は増加傾向にあり、投資家の関心は高いと考えられます。
株価への影響要因としては、景気動向、設備投資の動向、原材料価格の変動、競合他社の動向などが挙げられます。
11. 総評
乃村工藝社は、ディスプレイ業界のリーディングカンパニーとして、安定した業績を上げています。財務体質も良好であり、株主還元にも積極的です。現在の株価は割安感があり、中長期的な視点で見れば、投資妙味のある銘柄と言えるでしょう。
ただし、景気変動の影響を受けやすい事業特性や、原材料価格の高騰などのリスク要因も存在します。投資判断を行う際には、これらのリスク要因も考慮する必要があります。
企業情報
| 銘柄コード | 9716 |
| 企業名 | 乃村工藝社 |
| URL | https://www.nomurakougei.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
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