1. 企業情報
- 企業名: 株式会社オークワ
- 所在地: 和歌山県和歌山市中島185-3
- 設立: 1969年2月21日
- 代表者: 大桑 弘嗣
- 市場区分: 東証プライム
- 業種: 小売業（スーパーマーケット）
- 事業内容: 和歌山県を地盤に近畿・中部地方でスーパーマーケットやスーパーセンター（SuC）を展開。主に食品、日用品、家電、衣料品、医薬品など幅広い商品を取り扱う。食品の製造物流に強みを持ち、ニチリウグループに属する。近年はオンラインショッピング事業も展開。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 地域密着型スーパーとして和歌山県を中心に関西・中部地方で一定の存在感を持つ。全国規模の大手チェーン（イオン、ライフ、バロー等）に比べると規模は限定的だが、地場でのブランド力や物流網に特徴。
- 競争優位性・課題: 強みは食品製造物流の効率化や地域密着型サービス。課題は大手チェーンとの価格競争、業態の垣根を越えた競争激化、消費者の節約志向の高まり。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン・戦略: 地域密着型の店舗展開と、食品を中心とした生活必需品のワンストップ提供。効率的な物流・製造体制の維持強化。
- 重点施策:
- 既存店の収益力向上
- 新規出店・リニューアルによる店舗網の拡充
- オンラインショッピング事業の強化
- コスト削減・業務効率化
- 中期経営計画: 具体的な数値目標や進捗状況の記載はなし。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: スーパーマーケット事業が主力。日常消費財を中心に安定した需要があるが、利益率は低水準。近年は人件費・エネルギーコスト増加、物価高騰など逆風が強い。
- 市場ニーズへの適応力: オンライン事業への対応や、地域の高齢化・世帯人数減少への対応が今後の持続性のカギ。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向・独自性: 特筆すべき独自技術の記載はないが、食品製造物流の効率化が強み。IT活用やEC事業強化も進行中。
- 主力製品・サービス: 食品（生鮮・加工・総菜）、日用品、家電、衣料品など。オンラインショッピング事業も展開。
6. 株価の評価
- EPS（会社予想）: 19.16円
- BPS（実績）: 1,777.23円
- PER（会社予想）: 46.61倍（業界平均21.3倍）
- PBR（実績）: 0.50倍（業界平均1.8倍）
- 株価: 893.0円
評価:
PERは業界平均を大きく上回り、利益水準が低いことを示唆。一方、PBRは業界平均を大きく下回り、株価が純資産価値に対して割安な水準。BPSと比較しても株価は大幅なディスカウント状態。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 年初来高値919円、安値746円。直近は800円台後半～890円台で推移。50日移動平均（826.56円）、200日移動平均（873.66円）を上回る水準。
- 現在の株価水準: 直近高値圏に近いが、年初来高値を明確に更新する動きは見られない。出来高はやや減少傾向。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益推移:
- 売上高は微増傾向（2021年279,216百万円 → 2025年250,150百万円とコロナ禍以降は減少傾向も、直近は微増）。
- 営業利益は2021年7,853百万円→2025年1,328百万円と大幅減少後、直近は増加傾向。
- 当期純利益は2025年2,381百万円の損失（前年1,000百万円の黒字から赤字転落）。
- 収益性指標:
- 営業利益率0.5%、ROE -3.12%、ROA 0.64%と低水準。
- 財務安全性:
- 自己資本比率57.7%、総資産に対する負債比率は低めで財務基盤は安定。
- 流動比率0.86と短期的な資金繰りには注意が必要。
- キャッシュフロー:
- 営業キャッシュフローは黒字だが、フリーキャッシュフローは赤字。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（予想）: 2.91%
- 配当性向: 516.9%（直近の純利益が赤字のため異常値）
- 株主還元策:
- 年間配当26円を維持。
- 2025年4月～2026年4月に最大140万株（約10億円）の自社株買いを実施予定。
- 過去の配当実績: 安定配当を維持する方針。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動傾向: 直近1年で11.31%下落。直近10日間では上昇傾向（800円台前半→890円台）。
- 信用取引状況: 信用買残は減少、信用倍率0.61倍と売り優勢。
- 出来高: 直近はやや減少傾向だが、一定の流動性を維持。
- 投資家構成: 内部保有率高め（37.62%）、機関投資家保有率20.95%。
11. 総評
オークワは和歌山県を中心に近畿・中部地方で展開する地域密着型スーパーマーケットチェーンです。売上は安定的に推移していますが、利益率は低く、直近は純損失を計上しています。コスト増や消費者の節約志向、業態を越えた競争激化など小売業界特有の課題に直面しています。
株価は純資産価値に対して割安な水準ですが、利益水準が低いためPERは高めとなっています。配当は維持されており、自社株買いも実施予定。財務基盤は安定しているものの、短期的な資金繰りには注意が必要です。今後は、収益力の回復や新規事業の拡大、コスト構造の見直しが持続的成長のカギとなります。
企業情報
| 銘柄コード | 8217 |
| 企業名 | オークワ |
| URL | http://www.okuwa.net/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 小売 – 小売業 |
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