1. 企業情報
- 企業名: 株式会社トーメンデバイス
- 概要: 豊田通商グループに属する半導体専門商社。主に韓国サムスン電子製のDRAMやフラッシュメモリなどのメモリー半導体、システムLSI、ディスプレイ部品（OLED等）を取り扱う。1945年創業、1992年設立。本社は東京都中央区。
- 事業内容: メモリー（78%）、システムLSI（18%）、ディスプレイ（2%）、その他（2%）。海外売上比率78%。
- 従業員数: 196人（平均年齢46.5歳、平均年収894万円）
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内ポジション: 半導体商社としては、サムスン電子製品の取り扱いに特化し、国内外の大手顧客向けにメモリー製品を供給。豊田通商グループのネットワークを活用。
- 競争優位性: サムスン電子との強固な関係性と、豊田通商グループの販売網が強み。生成AIや車載向けなど成長分野にも注力。
- 課題: メモリー市況の変動や中国メーカーの台頭、世界的な貿易コスト上昇による競争激化。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 生成AIサーバーや車載分野など成長分野でのトータルソリューション提供を強化。
- 中期経営計画: 生成AIサーバービジネス開拓、車載ビジネスの販売体制強化、最先端商材の提案。
- 重点施策: サーバー・ストレージ向けメモリー、車載向けメモリー・OLED、スマートフォン向け高画素CIS・OLEDなど。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: サムスン電子製品の代理販売が中心。メモリー市況に収益が大きく左右されるが、AI・車載・データセンター等の成長分野で需要拡大が見込まれる。
- 市場変化への適応力: 生成AIや自動運転などの新規需要に対応する体制を構築。中国メーカーの台頭や地政学リスクには注意が必要。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発動向: 自社での製造は行わず、商社として最先端半導体製品の調達・販売に注力。AIサーバー向けや車載向けなど、用途別に最適な製品を提案。
- 主力製品・サービス: DRAM、フラッシュメモリ、SSD、システムLSI、OLEDディスプレイ等。特にサムスン電子のメモリー製品が収益を牽引。
6. 株価の評価
- PER（予想）: 8.08倍（業界平均12.1倍より割安）
- PBR（実績）: 0.78倍（業界平均1.0倍より割安）
- EPS（予想）: 705.79円
- BPS（実績）: 7,296.29円
- 株価（2025/5/13終値）: 5,700円
- 株価指標比較: 業界平均と比較して割安水準。
7. テクニカル分析
- 直近株価推移: 直近10日間で5,100円台から5,700円台へ上昇傾向。50日移動平均（5,554.8円）を上回り、200日移動平均（6,099.8円）を下回る水準。
- 高値・安値圏: 年初来高値7,310円、年初来安値4,515円。現在は中間からやや安値圏寄り。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 462,822百万円（2022年3月期）→ 417,621百万円（2023年3月期）→ 370,676百万円（2024年3月期）→ 421,671百万円（2025年3月期）
- 営業利益: 10,630百万円（2022年3月期）→ 12,230百万円（2023年3月期）→ 9,480百万円（2024年3月期）→ 10,169百万円（2025年3月期）
- 純利益: 6,379百万円（2022年3月期）→ 4,906百万円（2023年3月期）→ 2,096百万円（2024年3月期）→ 5,588百万円（2025年3月期）
- ROE（実績）: 11.75%
- ROA（実績）: 5.21%
- 自己資本比率: 43.5%
- キャッシュフロー: 営業CF 9,210百万円、投資CF △21百万円、財務CF △16,853百万円
- 財務安全性: 自己資本比率・流動比率ともに健全水準。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り（予想）: 4.56%
- 1株配当（予想）: 260円（2026年3月期予想）、300円（2025年3月期実績）
- 配当性向: 22.21%
- 自社株買い: 自己株式保有割合は0.01%と限定的。
- 配当方針: 安定配当を基本としつつ、業績に応じた配当実施。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム: 直近10日間で上昇基調。年初来安値からは回復傾向だが、年初来高値からは下落基調。
- 信用取引動向: 信用買残が多く、信用倍率は高水準（853倍）。需給面でやや過熱感あり。
- 投資家関心: 配当利回りの高さ、業界での割安感、AI・車載分野の成長期待が注目材料。
11. 総評
トーメンデバイスは、サムスン電子製品に特化した半導体専門商社であり、豊田通商グループのネットワークを活かし、生成AIや車載分野など成長領域に注力しています。業績はメモリー市況の影響を受けやすいものの、直近では売上・利益ともに回復傾向を示しています。財務基盤は健全であり、配当利回りも高水準です。株価指標は業界平均と比べて割安感が見られますが、信用買残の多さや需給面での過熱感、メモリー市況や地政学リスクには注意が必要です。今後もAI・車載分野の成長が業績のカギとなる見通しです。
企業情報
| 銘柄コード | 2737 |
| 企業名 | トーメンデバイス |
| URL | http://www.tomendevices.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 商社・卸売 – 卸売業 |
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