1. 企業情報
- 事業内容: TOYOイノベックスは、小型射出成形機とダイカストマシンに強みを持つ企業です。これらの機械の製造・販売を世界的に展開しており、周辺の自動化設備や関連部品も提供しています。中国に生産子会社を持ち、海外への委託生産も行っています。
- 特徴: 1925年創業の老舗企業であり、小型射出成形機分野で一定のシェアを持っています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内でのポジション: 射出成形機とダイカストマシンを主力とする、特殊産業機械メーカーです。
- 競争優位性: 小型射出成形機に強みを持っています。
- 課題: 世界的な需要低迷、急激な円安進行、部材価格高騰、燃料エネルギー価格の高騰など、外部環境の影響を受けやすい状況です。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営ビジョン: 中期経営計画2026に基づき、事業活動を推進しています。
- 中期経営計画の重点分野:
- 射出成形機:最新機種「Si-7」の市場浸透、製品認知度向上、原価管理徹底。
- ダイカストマシン:「BD-V7EX」の拡販、EV市場開拓。
- AI活用による省人化、自動化システム等のソリューション提案。
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル: 射出成形機とダイカストマシンの販売が中心です。
- 市場ニーズの変化への適応力: EV市場への対応や、AIを活用したソリューション提案など、変化への対応を図っています。
- 持続可能性への懸念: 外部環境の影響を受けやすく、売上高が減少傾向にある点は懸念材料です。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向: AIを活用した省人化、自動化システムの開発を進めています。
- 主力製品: 小型射出成形機、ダイカストマシン。
- 製品の独自性: 小型射出成形機に強みを持っています。
6. 株価の評価
- PER(会社予想): (連)81.58倍
- PBR(実績): (連)0.72倍
- EPS(会社予想): (連)7.33円
- BPS(実績): (連)835.82円
- 業界平均PER: 10.7
- 業界平均PBR: 0.7
- 評価: PERは業界平均と比較して非常に高く、割高感があります。PBRは業界平均と同程度です。
7. テクニカル分析
- 株価推移: 直近10日間の株価は579円から600円の間を推移しており、598円で取引されています。年初来高値は672円、年初来安値は500円です。
- 現在の状況: 50日移動平均線(598.68円)を下回っており、200日移動平均線(633.42円)からも乖離しているため、やや弱気な状況と言えます。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 2025年3月期は270.24億円と、前期比で6.3%減少しています。
- 営業利益: 2025年3月期は5.21億円の営業損失を計上しています。
- 当期純利益: 2025年3月期は8.45億円の親会社株主に帰属する当期純損失を計上しています。
- ROE(実績): (連)-4.79%
- 自己資本比率(実績): (連)56.8%
- 分析: 売上高の減少、営業損失の計上、当期純損失の計上と、業績は厳しい状況です。ROEもマイナスとなっており、収益性の改善が急務です。自己資本比率は比較的高い水準を維持しています。
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り(会社予想): 5.85%
- 1株配当(会社予想): 35.00円
- 配当性向: 731.98%
- 自社株買い: 決算短信からは、自社株買いに関する情報は読み取れませんでした。
- 分析: 35円の配当を維持しており、高い配当利回りとなっています。しかし、当期純損失を計上しているため、配当性向は非常に高い水準です。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価の変動: 直近10日間の株価は小幅な変動にとどまっています。
- 株価への影響要因: 業績の悪化、円安、部材価格高騰、世界的な需要低迷などが株価に影響を与える可能性があります。
- 信用取引: 信用買残は増加傾向にあり、信用倍率は29.17倍と高い水準です。
11. 総評
TOYOイノベックスは、小型射出成形機に強みを持つ企業ですが、足元の業績は厳しく、赤字決算となっています。高い配当利回りは魅力的ですが、業績の悪化と高い配当性向を考慮すると、今後の配当維持には注意が必要です。株価は低迷しており、テクニカル的にも弱気な状況です。今後の業績回復と、中期経営計画の進捗に注目する必要があります。
企業情報
銘柄コード | 6210 |
企業名 | TOYOイノベックス |
URL | https://toyo-invx.com/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 機械 – 機械 |
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