1. 企業情報

三菱重工業は、日本の大手総合重機メーカーであり、世界中で重機械の製造・販売を行っています。主な事業セグメントは、エネルギーシステム、プラント・インフラシステム、物流・冷熱・ドライブシステム、航空・防衛・宇宙です。タービン、航空機、防衛関連、造船など幅広い分野を手掛けており、ターボチャージャーやフォークリフトでは世界的に高いシェアを持っています。

2. 業界のポジションと市場シェア

三菱重工業は、総合重機メーカーとして、幅広い事業ポートフォリオと高い技術力を有しています。特に、航空・宇宙・防衛分野では、国内トップクラスの地位を確立しています。競争優位性としては、長年の実績に基づく技術力、多様な製品ラインナップ、グローバルな事業展開などが挙げられます。課題としては、競争激化、資源価格変動、地政学リスクなどが考えられます。

3. 経営戦略と重点分野

三菱重工業は、経営ビジョンとして、持続可能な社会の実現に貢献することを掲げています。中期経営計画では、成長分野への投資、事業構造改革、収益性の向上などを重点分野としています。具体的には、脱炭素化に向けたエネルギー関連事業の強化、防衛・宇宙分野での技術革新、海外市場の開拓などが推進されています。

4. 事業モデルの持続可能性

三菱重工業の事業モデルは、多角的な事業展開により、特定の市場変動の影響を分散できる強みがあります。エネルギー、インフラ、航空・防衛といった社会インフラを支える事業は、安定した需要が見込めます。市場ニーズの変化に対しては、技術革新や事業ポートフォリオの見直しを通じて、柔軟に対応していくことが重要です。

5. 技術革新と主力製品

三菱重工業は、技術開発に積極的に取り組んでおり、特に、脱炭素化技術、航空宇宙技術、防衛技術などに注力しています。主力製品としては、発電プラント、航空機エンジン、防衛関連製品、宇宙関連製品などがあります。これらの製品は、同社の収益を牽引する重要な要素となっています。

6. 株価の評価

指標 数値
株価 2,999.5円
PER(会社予想) 38.74倍
PBR(実績) 4.29倍
EPS(会社予想) 77.43円
BPS(実績) 698.91円

PERは38.74倍であり、業界平均の16.6と比較すると割高です。PBRは4.29倍であり、業界平均の1.4と比較すると割高です。EPSとBPSを考慮すると、現在の株価は割高な水準にあると考えられます。

7. テクニカル分析

直近10日間の株価推移を見ると、5月20日に年初来高値3,020円を記録した後、2,999.5円で取引を終えています。50日移動平均線は2,650.31円、200日移動平均線は2,260.93円となっており、上昇トレンドを示唆しています。

8. 財務諸表分析

指標 過去12ヶ月 (百万円) 3/31/2024 (百万円) 3/31/2023 (百万円)
売上高 4,657,147 4,657,147 4,202,797
営業利益 280,392 280,392 179,822
当期純利益 222,023 222,023 130,451
売上高営業利益率 6.0% 6.0% 4.3%
ROE 10.85%
ROA 3.04%

売上高は増加傾向にあり、営業利益、当期純利益も大きく改善しています。売上高営業利益率も向上しており、収益性の改善が見られます。ROEは10.85%と良好な水準です。

9. 株主還元と配当方針

  • 配当利回り(会社予想): 0.80%
  • 1株配当(会社予想): 24.00円
  • 配当性向: 31.50%
  • 自社株買い: 記載なし

配当利回りは0.80%と、他の日本企業と比較すると低い水準です。配当性向は31.50%と、比較的安定した配当政策を行っています。

10. 株価モメンタムと投資家関心

直近の株価は上昇傾向にあり、年初来高値を更新しています。出来高も増加しており、投資家の関心が高まっていると考えられます。株価への影響を与える要因としては、業績の好調、新技術の開発、政府の政策などが挙げられます。

11. 総評

三菱重工業は、総合重機メーカーとして、幅広い事業ポートフォリオと高い技術力を有し、業績も好調に推移しています。特に、航空・宇宙・防衛分野での成長が期待されます。株価は割高な水準にありますが、今後の業績拡大と技術革新への期待から、中長期的な視点での投資を検討する価値があると考えられます。ただし、業界平均PERやPBRと比較して割高である点、配当利回りが低い点には注意が必要です。


企業情報

銘柄コード 7011
企業名 三菱重工業
URL http://www.mhi.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 機械 – 機械

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