以下は、テリロジーホールディングス(証券コード: 5133)に関する企業分析レポートです。

1. 企業情報

テリロジーホールディングスは、日本および海外の企業向けにIPネットワーク関連製品やネットワークセキュリティ分野の製品、ソリューションを提供している企業です。具体的には、ハードウェアやソフトウェア、ネットワーク製品の輸入販売、システム構築・コンサルティング、トレーニング、保守サービス、アプリケーションソフトウェアの開発などを手掛けています。
主要な事業内容は、ネットワーク、セキュリティ、ソリューションサービスで構成されています(2025年3月期連結事業構成比:ネットワーク19%、セキュリティ39%、ソリューションサービス42%)。特に、DX(デジタルトランスフォーメーション)関連事業に注力しており、多言語リアルタイム映像通訳サービスやRPAツール「EzAvater」などの独自ソリューションも提供しています。
同社は2022年11月1日にホールディングス体制へ移行しましたが、創業は1989年です。東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、情報・通信業に分類されます。

2. 業界のポジションと市場シェア

テリロジーホールディングスは、通信機器や情報セキュリティ製品の輸入販売、および企業システム構築において、最新技術の発掘と提供に強みを持っています。長年にわたるIPネットワークとセキュリティの専門知識を活かし、顧客企業のDX推進を支援しています。
競争優位性としては、国内外の先進技術をいち早く取り入れ、顧客のニーズに合わせたソリューションとして提供できる点が挙げられます。特に、近年成長著しいソリューションサービス部門(RPAや多言語映像通訳など)は、時代のニーズを捉えた多様なサービス展開を示しています。
市場シェアに関する具体的な数値の公開はありませんが、情報通信業界は技術革新が早く、競争が激しい市場です。地政学的リスクや為替変動、原材料価格の高騰といった外部環境の不透明感は、輸入品を扱う同社にとって影響を与える可能性があります。

3. 経営戦略と重点分野

同社は「デジタル経営人材・事業を創出・育成する会社」をビジョンに掲げ、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指しています。2025年3月期を初年度とした中期経営計画は、売上高は目標を上回ったものの、営業利益以下の目標は未達となりました。これを受け、2026年3月期から2028年3月期を対象とする新たな中期経営計画を策定しています。
新中期経営計画においては「更なる成長とグループ事業価値の創造・実現」をスローガンとし、事業戦略の基本、財務戦略、人事戦略、投資戦略、グローバル戦略の5つの方向性を示しています。特に事業戦略では、独自の先見力と技術動向分析に基づき、新たなテクノロジー導入とソリューション・サービスの創出・提供を継続していく方針です。

4. 事業モデルの持続可能性

同社の事業モデルは、海外の先進的なネットワーク機器やセキュリティ製品の輸入販売を基盤としつつ、それらを活用したシステム構築やコンサルティング、保守サポートにより収益を上げるモデルです。さらに、RPAツール「EzAvater」や多言語リアルタイム映像通訳サービスといった自社開発・提供のソリューションサービスで収益源を多角化しています。
DX推進やテレワーク普及など、現在の市場ニーズを捉えたソリューションは需要が高く、特にソリューションサービス部門の売上高が前期比56.4%増と大きく伸長していることから、市場ニーズへの高い適応力と事業モデルの持続可能性がうかがえます。
一方で、海外からの製品輸入に依存する部分は、為替変動リスクや国際的なサプライチェーンの不安定さに影響を受ける可能性があります。

5. 技術革新と主力製品

同社は、常に最新のITトレンドと技術動向を注視し、その分析に基づいて新たなテクノロジーやサービスを導入・提供しています。DDoS攻撃対策、IPアドレス管理、クラウド型無線LANといったネットワーク関連技術から、OTセキュリティ、ログ管理・分析、セキュリティ認証システムといった情報セキュリティ分野に至るまで、幅広い技術領域をカバーしています。
主力製品・サービスとしては、ネットワーク機器やセキュリティ製品に加え、以下のものが挙げられます。
* EzAvater: 独自開発のソフトウェア型RPAツール。
* CloudTriage: クラウドベースのアプリケーション性能監視サービス。
* 多言語リアルタイム映像通訳サービス: ビジュアルコミュニケーション事業の中核。
* Zero-Con SASE (Secure Access Service Edge): 最新のセキュリティモデル。
* Zoomライセンス販売など: ビジュアルコミュニケーション分野の強化。

これらの独自性のあるサービスや製品が、今後の収益成長を牽引する可能性があります。

6. 株価の評価

現在の株価は378.0円です。
* PER(会社予想): 23.06倍
* PBR(実績): 2.29倍
* EPS(会社予想/2026年3月期): 16.39円
* BPS(実績/2025年3月期): 165.23円

情報・通信業の業界平均PERが17.6倍、業界平均PBRが1.6倍であることと比較すると、同社のPERおよびPBRは業界平均を上回る水準にあります。このことは、市場が同社に対して今後の成長や収益改善に一定の期待を寄せている可能性を示唆しています。2026年3月期の利益大幅改善予想が、PERが高い理由の一つになっていると考えられます。

7. テクニカル分析

株価は直近の10日間で350円から381円の範囲で推移しており、360円台から380円台へ上昇傾向が見られます。年初来高値は412円、年初来安値は202円であり、現在の株価378.0円は年初来高値に近づいている水準です。
また、50日移動平均線(358.52円)と200日移動平均線(300.96円)がいずれも現在の株価を下回っており、短期および中期的な上昇トレンドを示唆しています。全体的なトレンドとしては安値からの上昇基調にあり、高値圏に位置していますが、強い上昇モメンタムも確認できます。しかし、出来高は日によって変動が大きく、平均水準を下回る日もあります。

8. 財務諸表分析

  • 売上高:
    • 2023年3月期: 5,676百万円
    • 2024年3月期: 6,881百万円(前年比 +21.2%)
    • 2025年3月期: 8,653百万円(前年比 +25.8%)
    • 過去12か月では8,653百万円と継続的な増収傾向にあり、四半期売上成長率も前年比24.4%と堅調です。
  • 利益:
    • 営業利益: 2024年3月期に大きく改善したものの、2025年3月期は273百万円(前年比 +0.3%)と横ばいでした。輸入商品の仕入価格上昇、為替影響、人材投資による費用増が要因とされています。
    • 経常利益: 2025年3月期は327百万円(前年比 -17.6%)。為替差益があった一方で、デリバティブ評価損などが影響しました。
    • 親会社株主に帰属する当期純利益: 2025年3月期は176百万円(前年比 -6.7%)。オンデマンド動画配信サービスの事業撤退損が特別損失として計上されています。
    • 売上高営業利益率(2025年3月期)は3.2%と、前期の4.0%から低下しており、売上増に対し利益率の改善が課題となっています。
  • キャッシュフロー:
    • 営業活動によるキャッシュフローは、2025年3月期に△54百万円とマイナスに転じました。前受金の減少や売上債権の増加が主な要因とみられます。これは事業拡大に伴う運転資金の使途が増加している可能性を示唆します。
    • フリーキャッシュフローも△208.62百万円とマイナスです。
    • 期末の現金及び現金同等物残高は1,681百万円(前期比234百万円減少)となっています。
  • 財務安全性・効率性:
    • 自己資本比率は39.7%(前期36.7%から改善)と財務基盤は安定していると言えます。
    • 流動比率は1.38と、短期的な支払い能力に問題はありません。
    • 負債比率も低く、財務健全性は高い水準です。
    • ROE(実績)は6.57%であり、総資産に対する利益性の効率を示すROA(過去12か月)は2.44%です。売上の伸びに対して利益率や資産効率の改善が今後の課題となるでしょう。

9. 株主還元と配当方針

テリロジーホールディングスは、2025年3月期に年間5.00円の配当(期末配当5.00円)を実施しました。2024年3月期の年間7.00円からは減配となりますが、2025年3月期の配当には資本剰余金も原資に含まれています。2026年3月期も年間配当5.00円を予想しています。
会社予想に基づく配当利回りは1.32%です。配当性向は65.53%と、利益に対する配当の比率が高めです。現在の情報からは、自社株買いなどの追加的な株主還元策に関する具体的な記載はありません。

10. 株価モメンタムと投資家関心

株価は直近で上昇モメンタムを示しており、テクニカル分析の項目で述べたように、移動平均線も上向きです。
投資家の関心に影響を与える要因としては、DX需要の高まり、セキュリティ市場の成長、そして同社のソリューションサービス部門(特にRPAや多言語映像通訳サービス)の高い成長率が挙げられます。また、新しい中期経営計画による今後の利益改善への期待も、投資家の関心を集める可能性があります。
一方で、為替変動による原材料・仕入れコストの増加リスク、国際情勢の不透明感、そして直近の営業キャッシュフローのマイナス動向は、株価に影響を与えるネガティブ要因となり得ます。信用買残が多い一方で信用売残が0であるため、高い信用倍率となっており、将来的な需給動向には注意が必要です。

11. 総評

テリロジーホールディングスは、情報通信とセキュリティを主軸としつつ、DX関連ソリューションへの事業拡大を加速させている企業です。売上高は順調に成長しており、特にソリューションサービス部門が全体の成長を牽引しています。これは、同社が市場のトレンドとニーズを適切に捉えていることを示しています。
しかしながら、為替変動やコスト増、一時的な事業撤退損の影響により、2025年3月期の営業利益は横ばい、純利益は減少となりました。収益性の改善は今後の課題です。財務基盤は自己資本比率の改善により安定していますが、営業キャッシュフローのマイナスは事業拡大に伴う運転資金需要が増していると読み取れ、今後の資金動向に注目が必要です。
株価は年初来高値圏にあり、PERやPBRは業界平均と比較して割高水準ですが、これは2026年3月期に大幅な利益改善を見込む新中期経営計画への期待が織り込まれている可能性があります。テクニカル的には上昇モメンタムが見られるものの、出来高は変動的です。
今後、新中期経営計画の進捗状況、特に利益率改善に向けた施策の実行と成果、および外部環境(為替、地政学リスクなど)への対応が、同社の企業価値向上に大きく影響するでしょう。


企業情報

銘柄コード 5133
企業名 テリロジーホールディングス
URL https://www.terilogy-hd.com/
市場区分 スタンダード市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.0)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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