企業の一言説明

協和日成はガス配管工事を主体とし、ビル設備、電設・土木工事も展開する総合建設業の老舗企業です。

総合判定

堅実な財務基盤を持つ安定配当銘柄、ただし市場連動性が低く成長性・収益性に課題

投資判断のための3つのキーポイント

  • 非常に堅実な財務基盤と高い自己資本比率を誇り、Piotroski F-Scoreも優良判定です。
  • 安定した高い配当利回り(3.16%)と健全な配当性向を維持しており、株主還元に積極的です。
  • 市場全体との連動性が低く、独自の株価変動を見せる一方で、収益性の改善と成長ドライバーの明確化が課題です。

企業スコア

観点 スコア 判定理由
成長性 B 直近四半期売上は良好だが、長期的な成長は緩やか。
収益性 C ROE・営業利益率が推奨水準を下回る。
財務健全性 S 高い自己資本比率とF-Scoreにより財務は優良。
バリュエーション B PBRは業界平均並みだがPERはやや高め。

注目指標サマリー

指標 業界平均比
株価 1,425円
PER 12.8倍 業界平均11.3倍
PBR 0.75倍 業界平均0.7倍
配当利回り 3.16%
ROE 7.25%

1. 企業概要

協和日成は1893年創業の老舗建設企業で、主にガス配管工事、ガス機器設備、建築設備、電設・土木工事の4事業を展開しています。東京ガスとの密接な関係を基盤に、ガスインフラ整備から住宅・商業施設、公共施設まで幅広い領域で社会インインフラの構築と維持に貢献しています。

2. 業界ポジション

国内建設業において、特に都市ガスインフラ関連工事で強固な基盤を築いています。東京ガスとの長年にわたる親密な取引関係が安定的な事業を支え、ニッチながらも高付加価値領域での専門性を確立しています。競合がひしめく建設市場で、安定した地位を維持しています。

3. 経営戦略

2026年3月期第3四半期決算では、売上高280億18百万円(前年同期比+10.3%)、営業利益8億99百万円(同+102.2%)と大幅な増収増益を達成しました。特に建築設備事業とガス・機器設備事業が好調に推移しています。会社は物価・資機材価格等の動向を注視しており、今後の影響を速やかに開示する方針を示しています。2026年3月30日には配当落ち日を迎えました。

4. 財務分析

協和日成の財務状況は、Piotroski F-Scoreで高評価を獲得するなど、非常に健全な基盤を持っています。一方で、収益性と利益の質には改善の余地があると言えます。

【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score

企業の財務力を評価するPiotroski F-Scoreは、0点から9点までの範囲で評価され、企業の収益性、財務健全性、効率性の観点から財務トレンドを分析します。

項目 スコア 判定
総合スコア 7/9 S: 優良
収益性 3/3 純利益、営業キャッシュフロー、ROAが全てプラスで満点
財務健全性 3/3 流動比率が基準値を上回り、負債比率も低く、新株発行もないため満点
効率性 1/3 四半期売上成長率がプラスではあるが、営業利益率やROEが基準を下回る

協和日成のPiotroski F-Scoreは7/9点と「S:優良」判定であり、非常に堅実な財務基盤を有しています。特に収益性と財務健全性において満点を獲得している点は評価できます。収益性では純利益、営業キャッシュフロー、ROA(3.51%)が全てプラスであるため、根本的な収益力は確保されています。財務健全性では、流動比率(1.78)が基準値を上回り、Total Debt/Equity(5.40%)が低く、株式の希薄化も発生していないことから、短期・長期の両面で安定しています。しかし効率性スコアは1/3にとどまり、四半期売上成長率(8.0%)はプラスを維持しているものの、営業利益率(3.77%)とROE(7.25%)が推奨水準を下回っている点から、資本活用と利益創出の効率性には改善の余地があると示唆されます。

【収益性】

過去12ヶ月の営業利益率は3.77%と、建設業としては平均的ですが、高収益企業と比較すると課題があります。ROE(Return on Equity、株主資本利益率)は7.25%で、株主の投資効率を示す一般的な目安である10%を下回っており、資本をより効率的に活用して利益を上げることが求められます。ROA(Return on Assets、総資産利益率)は3.51%と、総資産に対する利益創出能力も一般的な目安の5%を下回っています。

【財務健全性】

財務健全性は非常に高い水準です。自己資本比率は66.54%と極めて高く、借入金に依存しない強固な財務体質を示しています。流動比率は1.78(178%)で、短期的な支払能力に問題はなく、財務的な安定性が際立っています。

【キャッシュフロー】

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円) フリーCF(百万円)
単2023.03 1,107 -575 -966 532
単2024.03 1,371 -713 -359 658
単2025.03 1,108 -1,035 -1,221 73
過去12か月 525 -386.75 -50.5 138

※過去12か月の投資CFおよび財務CFは概算値
過去12ヶ月の営業キャッシュフローは5億2,500万円とプラスを維持しており、本業で安定的に現金を創出できています。ただし、過去の年間実績と比較するとやや減少傾向にあります。フリーキャッシュフローは1億3,825万円とプラスですが、投資活動の影響を受けており、将来の成長投資とキャッシュ創出のバランスが重要になります。

【利益の質】

営業CF/純利益比率は0.61です。これは純利益の全てがキャッシュフローを伴っているわけではないことを示しており、現金以外の会計上の利益が多い可能性があり、やや懸念される水準です(1.0以上が健全とされます)。

【四半期進捗】

2026年3月期第3四半期決算では、通期予想(据え置き)に対する進捗率が、売上高73.6%、営業利益63.4%、純利益67.4%となりました。売上高は概ね計画通りに進捗している一方で、利益面はやや遅れており、第4四半期での巻き返しが期待されます。

【バリュエーション】

現在のPER(株価収益率)は12.8倍と、業界平均の11.3倍と比較してやや高めです。一方でPBR(株価純資産倍率)は0.75倍と、業界平均の0.7倍と同水準であり、資産価値と比較すると割安感があるとも言えます。市場は現在の収益性に対してはやや高めの評価をしているものの、純資産価値には十分に及んでいない状況です。

【テクニカルシグナル】

指標 状態 数値 解釈
MACD 中立 [MACD値/シグナル値] 短期トレンド方向を示す
RSI 中立 [0-100] 70以上=過熱、30以下=売られすぎ
5日線乖離率 -0.06% 直近のモメンタム
25日線乖離率 -0.32% 短期トレンドからの乖離
75日線乖離率 -7.76% 中期トレンドからの乖離
200日線乖離率 -7.50% 長期トレンドからの乖離

テクニカルシグナルはMACD、RSIともに「中立」を示しており、明確なトレンドは確認されていません。しかし、株価が5日、25日、75日、200日全ての移動平均線を下回っており、特に中長期の移動平均線に対する乖離率が大きいことから、中長期的な下降トレンドにあることを示唆しています。

【テクニカル】

現在の株価1,425円は、52週高値1,947円から約27%低い水準にあります(52週レンジ内位置は34.0%)。直近の株価は、短期の移動平均線である5日移動平均線(1,425.80円)と25日移動平均線(1,429.64円)をわずかに下回っており、上値の重い展開が続いています。長期の移動平均線である75日移動平均線(1,544.80円)および200日移動平均線(1,540.60円)からも大きく下離れており、中期から長期にかけての下降基調が継続している状況です。

【市場比較】

期間 当銘柄 日経平均
1ヶ月 +1.06% +14.03% -12.97%pt
3ヶ月 -12.58% +12.45% -25.02%pt
6ヶ月 -2.73% +24.99% -27.72%pt
1年 +20.15% +72.17% -52.02%pt

過去1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、1年いずれの期間においても、協和日成の株価パフォーマンスは日経平均を大幅に下回っています。このことは、市場全体が上昇する局面において、協和日成がその流れに十分に乗れていないことを示しています。

6. リスク評価

協和日成は、伝統的な建設業であることから、事業環境と市場動向の両面で特定のリスク特性を持っています。

基本リスク指標

指標 判定 ひとことメモ
ベータ値 データなし データなし 市場平均より値動きが大きいか小さいか
年間ボラティリティ 28.37% ○普通 1年間でどれくらい価格がブレるか
最大ドローダウン -20.84% ○普通 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる
シャープレシオ -0.08 ▲注意 リスクを取った分だけリターンが得られているか

リスク効率指標

指標 判定 ひとことメモ
ソルティノレシオ 0.31 △やや注意 下落リスクだけで見たリターン効率
カルマーレシオ 0.45 △やや注意 最大下落からの回復力

市場連動性

指標 判定 ひとことメモ
市場相関 0.30 ○普通 日経平均とどれだけ連動するか
0.09 値動きのうち市場要因で説明できる割合

【ポイント解説】

協和日成の株価は、年間ボラティリティ28.37%と「普通」の水準ですが、シャープレシオが-0.08とマイナスであるため、リスクを取った割には十分なリターンが得られていない点には注意が必要です。ソルティノレシオ(0.31)やカルマーレシオ(0.45)も「やや注意」判定であり、下落リスクに対するパフォーマンスや最大下落後の回復力には課題が見られます。市場相関係数0.30、決定係数R²が0.09であり、株価の動きのうち市場全体で説明できる割合が低いことを示しており、日経平均などの市場指数とは異なる独自の材料で株価が変動しやすい傾向にあります。現在のボラティリティは過去1年と比較して「低」水準であり、直近の値動きは比較的穏やかですが、過去の最大ドローダウンは-20.84%に達しており、回復に平均56日間を要した経験があります。

【投資シミュレーション】

> 仮に100万円投資した場合: 年間で±28万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの4%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。

【事業リスク】

  • 原材料費・人件費の高騰: 建設業界全体で資材価格の高騰や熟練工の人手不足が続いており、工事原価を圧迫し収益性を低下させる可能性があります。
  • 主要顧客への依存: 東京ガスとの関係が強固である一方、主要顧客からの受注に収益が大きく左右されるリスクがあります。
  • 地政学的リスク・自然災害: 都市インフラの建設・維持を手掛けるため、大規模な自然災害や地政学的リスクが事業活動に直接的な影響を及ぼす可能性があります。

7. 市場センチメント

信用倍率は0.00倍と表示されていますが、これは信用売残が0株であるため、計算上定義不能な状況です。信用買残は33,000株に対し信用売残がないため、将来の買い戻しによる株価上昇圧力は期待できず、買残過多の状態が続けば需給悪化につながる可能性もあります。直近のニュースでは、立会外分売の報道により、短期的な需給関係の悪化が警戒されており、市場センチメントはネガティブに傾いています。
主要株主構成は、城北興業が22.09%、東京瓦斯が8.64%、(株)麻生が6.73%を保有しており、安定株主による保有比率が高い構造です。インサイダー保有比率が60.71%と非常に高いことも特徴です。

8. 株主還元

協和日成の年間配当は45円が予想されており、現在の株価1,425円に対する配当利回りは3.16%と、比較的高い水準です。配当性向は41.8%と、利益の約4割を配当に回している計算になり、一般的な適正水準とされる30~50%の範囲内にあります。この健全な配当性向は、利益を確保しながら株主還元を重視する姿勢を示しており、現時点での減配リスクは低いと考えられます。自社株買いに関する直近のデータはありません。

SWOT分析

分類 項目 投資への示唆
💪 強み 堅実な財務基盤
東京ガスとの強固な関係
企業の安定性に寄与し、長期保有リスクを低減。
⚠️ 弱み 低い収益性
利益の質の課題
業績改善への期待感が高まらない限り、株価上昇には限界がある。
🌱 機会 老朽化インフラ更新需要
省エネ・脱炭素関連の新技術導入
持続的な需要と新たな価値創出で成長機会となる。
⛔ 脅威 人件費・資材価格高騰
立会外分売による需給悪化
コスト増が収益を圧迫し、株価の短期的な下落リスクを高める。

この銘柄が向いている投資家

投資家タイプ 相性が良い理由
安定配当を求める長期投資家 堅牢な財務と安定した配当利回りで長期保有に適する。
建設インフラ関連の安定成長を期待する投資家 都市ガスインフラの専門性と強固な顧客基盤で堅実な需要。

この銘柄を検討する際の注意点

  • 低い収益性: ROE(7.25%)や営業利益率(3.77%)が業界平均や理想水準を下回っており、収益改善への具体的な戦略を注視すべきです。
  • 市場での不人気: 日経平均を大幅に下回る株価パフォーマンスが市場からの注目度の低さを示唆しており、将来的な株価評価に影響する可能性があります。
  • 需給関係悪化への警戒: 立会外分売に加え、信用売残ゼロの状況は突発的な買い圧力に乏しく、将来の株価下落リスク要因となり得ます。

今後ウォッチすべき指標

指標 現状 トリガー条件 注目理由
営業利益率 3.77% 5%以上への回復 収益性改善度合いを測る
受注残高 215億7,738万円 230億円以上への増加 将来の売上高を予測する
配当性向 41.8% 50%以上への変更 株主還元方針の変更を測る

企業情報

銘柄コード 1981
企業名 協和日成
URL http://www.kyowa-nissei.co.jp/
市場区分 スタンダード市場
業種 建設・資材 – 建設業

バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)

将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。

現在の指標

株価 1,425円
EPS(1株利益) 133.42円
年間配当 45.00円

シナリオ別5年後予測

各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。

シナリオ 成長率 将来PER 5年後株価 期待CAGR
楽観 12.6% 14.7倍 3,562円 22.2%
標準 9.7% 12.8倍 2,716円 16.2%
悲観 5.8% 10.9倍 1,928円 9.0%

目標年率別の理論株価(標準シナリオ)

標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。

現在株価: 1,425円

目標年率 理論株価 判定
15% 1,500円 ○ 5%割安
10% 1,873円 ○ 24%割安
5% 2,363円 ○ 40%割安

【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い

競合他社

企業名 コード 現在値(円) 時価総額(億円) PER(倍) PBR(倍) ROE(%) 配当利回り(%)
日比谷総合設備 1982 2,872 1,263 17.31 1.64 10.3 2.26
朝日工業社 1975 3,480 946 11.83 1.99 19.0 3.87
暁飯島工業 1997 3,990 87 10.97 1.00 10.5 2.38

関連情報

証券会社


このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.44)」によって自動生成されました。

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企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。

By ジニー

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