企業の一言説明
鹿島建設は、土木・建築・不動産開発を手掛ける国内有数の総合建設大手です。
総合判定
業績好調で財務は堅実、株価は市場平均を上回るも割高感あり
投資判断のための3つのキーポイント
- 直近四半期で大幅な増収増益を達成し、株主還元も強化されており、業績の勢いが強い点が評価されます。
- Piotroski F-Scoreが「良好」と示唆する通り、堅実な資産と効率的な経営基盤を持っています。
- 株価は過去1年で大幅に上昇し、PER・PBRともに業界平均と比較すると割高感があり、投資には慎重な見極めが必要です。
企業スコア
| 観点 | スコア | 判定理由 |
|---|---|---|
| 成長性 | A | 直近四半期増収増益幅が大きく、通期予想も好調 |
| 収益性 | A | ROEが10%超えと良好水準 |
| 財務健全性 | B | 自己資本比率は堅実だが、流動比率には改善余地 |
| バリュエーション | D | PER、PBRともに業界平均を大幅に上回る |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 6264.0円 | – |
| PER | 17.31倍 | 業界平均14.0倍 |
| PBR | 2.20倍 | 業界平均1.1倍 |
| 配当利回り | 2.10% | – |
※PER、PBR、配当利回りはデータソースにより値が異なる場合があります。(PER: 17.2倍/17.31倍、PBR: 2.19倍/2.20倍、配当利回り: 2.08%/2.10%/2.11%)
1. 企業概要
鹿島建設は1840年創業の総合建設大手で、土木・建築・不動産開発を主要事業としています。超高層ビルや耐震、原子力発電所関連などの高度な技術力を強みとし、国内外で社会インフラ整備や研究開発施設建設に携わっています。
2. 業界ポジション
国内建設業界において、大成建設、大林組、清水建設などと並ぶ大手ゼネコンの一角を占めています。特に超高層ビルや免震技術、深層地下開発などの特殊技術に強みを持つことで、差別化を図っています。
3. 経営戦略
中期経営計画では、建設事業と不動産開発事業のシナジーを追求し、国内外での事業拡大を目指しています。特に再生可能エネルギー関連や環境技術への投資を強化しており、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進しています。直近では2026年5月14日に決算発表が予定されています。
4. 財務分析
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 6/9 | A: 良好 |
| 収益性 | 2/3 | 純利益がプラスを維持し、ROEも堅調に推移している。 |
| 財務健全性 | 2/3 | D/Eレシオが1.0未満、株式希薄化もないが、流動比率は目標水準に達していない。 |
| 効率性 | 2/3 | ROEは10%を上回る水準を維持し、四半期売上高も成長しているが、営業利益率には改善余地がある。 |
Piotroski F-Score: 鹿島建設のPiotroski F-Scoreは6/9点と「良好」な水準です。これは、収益性、財務健全性、効率性の各側面において、健全な経営がなされていることを示しています。特に純利益の安定性やROE、債務状況の健全性が評価されていますが、流動性の強化や営業利益率のさらなる向上が今後の課題と言えます。
【収益性】
営業利益率は過去12か月で8.17%と、F-Scoreのベンチマークである10%には及ばないものの、損益計算書を見ると増加傾向にあり、収益性の改善が進んでいます。ROE(自己資本利益率)は10.19%を達成しており、株主資本を効率的に活用して利益を生み出している良好な状態です。ROA(総資産利益率)はデータから計算すると約3.64%となり、事業に投下された資産に対する利益率も着実に確保されています。
【財務健全性】
自己資本比率は36.4%と、建設業としては一般的な水準を維持しており、財務基盤は堅実と言えます。流動比率は1.31倍で、短期的な債務返済能力は確保されていますが、より盤石な体制を目指すなら1.5倍以上が望ましいでしょう。総負債を自己資本で割ったTotal Debt/Equityは70.06%と、100%を下回っており、過度な負債に依存しない経営姿勢がうかがえます。
【キャッシュフロー】
| 決算期 | フリーCF(百万円) | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) | 現金等残高(百万円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023.03 | -110,859 | -29,116 | -81,743 | 111,893 | 282,253 |
| 2024.03 | 60,809 | 123,734 | -62,925 | -9,566 | 350,064 |
| 2025.03 | -74,204 | 30,632 | -104,836 | 61,687 | 349,540 |
直近2025年3月期は、営業活動によるキャッシュフローは306億3,200万円のプラスであったものの、投資活動によるキャッシュフローが-1,048億3,600万円と大規模な投資を行ったため、フリーキャッシュフローは-742億400万円となりました。これは積極的な設備投資や事業開発を進めていることを示しており、長期的な成長への投資と捉えられます。現金および現金同等物の残高は3,495億4,000万円で安定しています。
【利益の質】
営業CF/純利益比率は、過去12か月の営業利益(2,124億6,400万円)と純利益(1,679億9,800万円)を比較すると約1.26倍となります。これは純利益を上回る営業キャッシュフローを創出しており、利益の質が健全であることを示しています。
【四半期進捗】
2026年3月期第3四半期決算は、通期予想に対して売上高が70.8%、営業利益が75.4%、親会社株主に帰属する純利益が71.9%の進捗率です。特に営業利益は前年同期比で81.6%の大幅増益となっており、通期予想の修正も上方修正されました。主要事業である土木・建築ともに堅調に推移しており、業績は好調に推移していると言えます。
5. 株価分析
【バリュエーション】
PERは17.31倍、PBRは2.20倍です。業界平均PERが14.0倍、業界平均PBRが1.1倍と比較すると、PER、PBRともに業界平均を大きく上回る水準にあり、足元の株価には高い期待が織り込まれているか、あるいは相対的に割高な評価を受けている可能性があります。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | -22.69 / -58.49 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 52.9% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | +2.36% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | +2.61% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -2.62% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +15.99% | 長期トレンドからの乖離 |
MACDは中立状態にあり、株価の方向性については明確なシグナルを示していません。RSIは52.9%で中立域にあり、買われすぎでも売られすぎでもない水準です。
【テクニカル】
現在の株価6,264円は、52週高値8,040円に対し64.0%の位置、52週安値3,357円に対し64.0%の位置にあります。直近の株価6,256円は5日移動平均線(6,115円)と25日移動平均線(6,100.88円)を上回っており、短期的なモメンタムは強気です。しかし、75日移動平均線(6,428.12円)は下回っており、中期トレンドではやや調整局面にある可能性があります。200日移動平均線(5,394.04円)は大きく上回っており、長期的な上昇トレンドは継続していると見られます。
【市場比較】
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | +5.91% | +15.48% | -9.57%pt |
| 3ヶ月 | -3.16% | +13.30% | -16.45%pt |
| 6ヶ月 | +31.10% | +21.50% | +9.60%pt |
| 1年 | +102.33% | +76.64% | +25.69%pt |
過去1年間では日経平均株価を大幅に上回るパフォーマンスを示しています。しかし、直近1ヶ月および3ヶ月の期間では日経平均に対してアンダーパフォームしており、短期での上値の重さが示唆されています。一方、TOPIXとの比較では、1ヶ月で-0.58%pt、3ヶ月で-9.34%ptと、こちらも短期的には劣後しています。
6. リスク評価
⚠️ 信用倍率23.99倍、将来の売り圧力に注意
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 年間ボラティリティ | 34.68% | △やや注意 | 1年間でどれくらい価格がブレるか |
| 最大ドローダウン | -79.52% | ▲注意 | 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる |
| シャープレシオ | -1.02 | ▲注意 | リスクを取った分だけリターンが得られているか |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 0.65 | △やや注意 | 下落リスクだけで見たリターン効率 |
| カルマーレシオ | 0.19 | ▲注意 | 最大下落からの回復力 |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.55 | ◎良好 | 日経平均とどれだけ連動するか |
| R² | 0.30 | – | 値動きのうち市場要因で説明できる割合 |
【ポイント解説】
鹿島建設の現在の値動きは、年間ボラティリティが34.68%と「やや注意」レベルであり、過去1年で平均的な水準よりも変動が大きい状態です。現在のボラティリティは過去1年で上位84%と、比較的高い水準にあります。過去の最大ドローダウンは-79.52%(約80%の下落)と非常に大きく、「注意」レベルであり、長期投資においては同様の大きな下落リスクを認識しておく必要があります。シャープレシオやカルマーレシオがマイナスまたは低い水準にあることから、リスクを取っただけのリターンが得られにくい期間であったことが示唆されます。市場相関は0.55と比較的高く、株価変動の約30%は市場全体の動向で説明できることから、市場全体のトレンドに影響を受けやすい特性も持ち合わせています。
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±36万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】
- 景気変動リスク: 建設需要は景気動向に大きく左右されるため、国内・国外経済の減速が事業に影響を与える可能性があります。
- 資材価格・人件費高騰リスク: 建設資材価格の高騰や熟練労働者の不足による人件費の上昇は、収益性を圧迫する要因となります。
- 地政学・為替変動リスク: 海外事業を展開しているため、地政学リスクや為替レートの変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。
7. 市場センチメント
【信用取引状況】
信用買残が1,369,700株であるのに対し、信用売残は57,100株と、信用買残が大幅に多い状況です。信用倍率は23.99倍と高水準であり、将来の株価上昇時における(利益確定の)売り圧力や、市場心理の悪化時に損失確定の動きが加速するリスクには注意が必要です。
【主要株主構成】
- 日本マスタートラスト信託銀行(信託口): 14.66%
- 自社(自己株口): 11.51%
- 日本カストディ銀行(信託口): 7.84%
上位株主には信託銀行が多く、機関投資家による安定的な保有が見られます。自社(自己株口)が10%以上を占め、株価の安定や株主還元策として機能している可能性もあります。
8. 株主還元
配当利回りは2.10%(会社予想)と、市場平均と比較して魅力的な水準です。1株配当は年間132.00円を予定しています。
配当性向は過去12か月の実績で32.16%、2026年3月期予想で39.0%となります。
【配当持続可能性】
配当性向は30-50%の健全な範囲内にあり、利益水準に対して無理のない配当政策を実施していると判断できます。現時点では減配リスクは低いと見られます。過去の配当性向も20〜30%台で推移しており、安定的な配当を継続する方針がうかがえます。自社株買いに関する直近のデータは提供されていません。
SWOT分析
| 分類 | 項目 | 投資への示唆 |
|---|---|---|
| 💪 強み | 高度な技術力と国内外での事業展開 堅実な財務体質と安定した収益基盤 |
安定的な受注と収益で株価の下支えとなる |
| ⚠️ 弱み | 業界平均に対しPER・PBRが割高 高い信用倍率 |
株価の調整局面で下落圧力が強まる可能性 |
| 🌱 機会 | 社会インフラ需要の継続と再生可能エネルギー投資 海外市場での成長機会 |
新分野への進出で長期的な成長を加速させる |
| ⛔ 脅威 | 景気変動や物価高騰による収益性悪化 地政学的リスクと為替変動 |
外部環境の変化が業績に直接影響を及ぼす |
この銘柄が向いている投資家
| 投資家タイプ | 相性が良い理由 |
|---|---|
| 安定成長と配当を期待する投資家 | 業績好調で財務が堅実、配当性向も健全なため |
| 大手建設企業のポートフォリオ組み入れを検討する投資家 | 国内トップクラスの技術力と幅広い事業領域を持つため |
この銘柄を検討する際の注意点
- 株価の割高感: 業界平均PER・PBRと比較して割高であり、現在の株価に過度な期待が織り込まれていないか注意深く評価すべきです。
- 高水準な信用倍率: 信用買残が積み上がっており、将来的に売り圧力となる可能性を考慮し、短期的な需給バランスに注目が必要です。
- 景気変動への感応度: 建設業界は景気に左右されやすいため、経済指標や政府の投資戦略の動向を継続して監視する必要があります。
今後ウォッチすべき指標
| 指標 | 現状 | トリガー条件 | 注目理由 |
|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 8.17% | 10%以上への回復 | 収益性の改善加速を示す |
| 流動比率 | 1.31倍 | 1.5倍以上への改善 | 短期的な財務健全性向上 |
| 受注高 | +17.7%(前年同期比) | 持続的な成長の維持 | 将来の売上高成長の先行指標 |
企業情報
| 銘柄コード | 1812 |
| 企業名 | 鹿島建設 |
| URL | http://www.kajima.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 6,264円 |
| EPS(1株利益) | 363.86円 |
| 年間配当 | 2.10円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 17.7% | 19.3倍 | 15,907円 | 20.5% |
| 標準 | 13.6% | 16.8倍 | 11,590円 | 13.1% |
| 悲観 | 8.2% | 14.3倍 | 7,704円 | 4.3% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 6,264円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 5,770円 | △ 9%割高 |
| 10% | 7,206円 | ○ 13%割安 |
| 5% | 9,094円 | ○ 31%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.63)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
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なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。