企業の一言説明
杉村倉庫は関西を地盤に倉庫、通関、港湾運送などの物流事業に加え、不動産賃貸事業を展開する老舗企業です。
総合判定
堅実な財務基盤を持つが、バリュエーションは割高な成熟企業
投資判断のための3つのキーポイント
- 極めて高い自己資本比率と潤沢なキャッシュフローを背景に、強固な財務健全性を維持しています。
- 物流事業と不動産賃貸事業を両輪とし、着実な売上高と利益、安定した株主還元を継続しています。
- 業界平均と比較してPER・PBRは割高感があり、ROEもベンチマークを下回るため、今後の成長戦略と資本効率改善が注目されます。
企業スコア
| 観点 | スコア | 判定理由 |
|---|---|---|
| 成長性 | C | 近年の売上成長は鈍化傾向にあります |
| 収益性 | B | 営業利益率は良好もROEはベンチマークを下回ります |
| 財務健全性 | S | 自己資本比率が高く流動性も極めて良好です |
| バリュエーション | D | PER・PBRともに業界平均と比較して割高です |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 1,075.0円 | – |
| PER | 19.30倍 | 業界平均11.8倍 |
| PBR | 1.01倍 | 業界平均0.5倍 |
| 配当利回り | 1.12% | – |
| ROE | 5.68% | – |
1. 企業概要
杉村倉庫は1895年創業の歴史を持つ、関西を地盤とする倉庫会社です。倉庫・通関・港湾運送・運送といった物流事業と、保有不動産を活用した賃貸事業を主軸としています。特に流通加工や運輸サービスの拡大に注力しており、ゴルフ練習場の運営も手掛けるなど、多角的な事業展開を行っています。野村ホールディングスグループの一員であることも特徴です。
2. 業界ポジション
国内の倉庫・運輸関連業界において、杉村倉庫は関西を地盤とする老舗企業として安定した事業基盤を築いています。特定のニッチ市場における圧倒的なシェアがあるというよりは、長年の実績と信頼に基づく顧客基盤が強みです。野村ホールディングスグループという強力な株主の後ろ盾も安定性を支えています。一方で、業界全体での競争は激しく、差別化を図るためのサービス拡充や効率化が常に求められる環境にあります。
3. 経営戦略
杉村倉庫は、老舗としての強みを活かしつつ、物流事業における流通加工や運輸サービスの拡充、そして安定収益源である不動産事業の堅実な運営を基本戦略としています。直近では2026年3月期の第3四半期において、物流事業のセグメント利益が前年比+6.0%と伸長しており、流通加工・運輸分野の拡大が奏功していると見られます。通期業績予想は堅実な保守的な進捗であり、大規模な成長投資よりも安定成長を重視していると考えられます。今後のイベントとしては、2026年3月30日に配当落ち日が予定されています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 7/9 | S: 優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 2/3 | 純利益がプラスでROAも正だが、営業キャッシュフローに関するスコアはデータから判断できませんでした。 |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率が高く、D/Eレシオが低く、株式の希薄化も見られないため極めて健全です。 |
| 効率性 | 2/3 | 営業利益率が10%を上回るものの、ROEは10%未満にとどまります。四半期売上成長率はプラスでした。 |
F-Score総合スコアは7/9点と優良な水準であり、特に財務健全性が高く評価されています。これは流動比率の高さ、負債比率の低さ、株式希薄化のなさが要因です。収益性および効率性についても、純利益とROAがプラスであり、営業利益率も10%を超えている点は良好ですが、ROEがベンチマークの10%を下回っている点と、営業キャッシュフローに関するスコアが欠落している点がわずかな改善余地として挙げられます。
【収益性】
過去12ヶ月の営業利益率は13.23%と、本業で高い収益力を生み出していることを示しており、非常に良好な水準です。一方で、ROE(株主資本利益率)は過去12ヶ月で5.68%、ROA(総資産利益率)は3.95%と、一般的なベンチマークであるROE10%、ROA5%を下回っており、株主資本および総資産を効率的に活用して利益を上げているかについては改善の余地があると言えます。
【財務健全性】
自己資本比率は75.0%と極めて高い水準を誇り、財務の安定性が非常に優れていることを示しています。流動比率も5.28倍と短期的な支払い能力に全く問題なく、強力な財務基盤を有しています。これらの指標から、同社が外部環境の変化や不測の事態に対して非常に強い耐性を持っていることがうかがえます。
【キャッシュフロー】
| 決算期 | フリーCF(百万円) | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) | 現金等残高(百万円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023.03 | 1,566 | 1,849 | -283 | -919 | 3,552 |
| 2024.03 | 1,688 | 2,101 | -413 | -983 | 4,257 |
| 2025.03 | 1,704 | 1,946 | -242 | -746 | 5,214 |
同社のキャッシュフローは非常に安定しており、本業で稼ぐ営業キャッシュフローは毎年安定してプラスを維持し、過去3年間で増加傾向にあります。フリーキャッシュフローも潤沢に生み出されており、事業活動によって得られた資金を自己で自由に使える余力が大きいことを示しています。投資活動によるキャッシュフローは一貫してマイナスですが、これは事業の維持・発展のための健全な投資が行われている証左であり、財務キャッシュフローのマイナスは主に借入金の返済や配当金の支払いによるものと考えられ、健全な資金運用が行われていると評価できます。
【利益の質】
営業キャッシュフロー/純利益比率は、2025年3月期実績で約2.12倍(1,946百万円 ÷ 917百万円)と、1.0倍を大きく上回っています。これは、会計上の利益が実質的な現金収入を伴っており、利益の質が極めて健全であることを示しています。粉飾決算などのリスクが低い、信頼性の高い利益計上と言えるでしょう。
【四半期進捗】
2026年3月期第3四半期決算短信によると、通期連結業績予想に対する累計進捗率は、売上高75.0%、営業利益78.0%、純利益78.6%と概ね順調に推移しています。これは、計画に対して堅実に利益を積み上げていることを示唆しています。また、第3四半期累計では、売上高は前年同期比+0.6%、営業利益は同+4.6%、純利益は同+7.0%と、堅実な増収増益を達成しており、特に利益面での改善が見られます。
【バリュエーション】
同社のPER(株価収益率)は会社予想で19.30倍、PBR(株価純資産倍率)は実績で1.01倍です。これらを業界平均(PER 11.8倍、PBR 0.5倍)と比較すると、両指標ともに高水準で、市場からは業界平均よりも割高に評価されている状況です。特にPBRが業界平均の2倍以上であることから、同社の純資産に対してプレミアムが付与されていると解釈できます。財務の堅実さや安定した収益基盤が評価されている可能性もありますが、バリュエーションには割高感が否めません。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: 21.25/シグナル値: 18.11 | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | 56.5% | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | -1.41% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | +3.56% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | +5.71% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +12.49% | 長期トレンドからの乖離 |
テクニカルシグナルでは、MACDとRSIともに「中立」を示しており、目先の明確なトレンドは確認できません。ただし、株価が5日移動平均線をわずかに下回っているものの、25日、75日、200日といった中長期の移動平均線は全て上回っています。これは、短期的な調整が入っている可能性はあるものの、中長期的には上昇トレンドが継続していることを示唆しています。
【テクニカル】
株価は現在1,075.0円で、52週高値1,103.00円に非常に近い95.7%の位置にあります。これは株価が高値圏で推移していることを示しています。中長期の移動平均線は全て上向きであり、株価がこれらの移動平均線を上回って推移していることから、堅調な上昇トレンドにあると見られます。ただし、高値圏での推移であるため、短期的な調整には注意が必要です。
【市場比較】
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | +5.05% | +15.21% | -10.16%pt |
| 3ヶ月 | +8.74% | +10.76% | -2.02%pt |
| 6ヶ月 | +14.50% | +26.69% | -12.19%pt |
| 1年 | +52.61% | +87.14% | -34.53%pt |
| 期間 | 当銘柄 | TOPIX | 差 |
| —— | ——– | ———- | —– |
| 1ヶ月 | +5.05% | +8.15% | -3.10%pt |
| 3ヶ月 | +8.74% | +3.12% | +5.63%pt |
過去1年間の株価リターンは+52.61%と良好ですが、日経平均に対しては全ての期間でパフォーマンスを下回っています。これは日経平均を構成する大型株の恩恵を十分に享受できていないことを示唆します。一方で、TOPIXに対しては3ヶ月で上回っており、市場全体の内、大型株の動きとは少し異なる値動きをしている可能性があります。
6. リスク評価
📌 信用倍率8.35倍と高水準であるため、将来の売り圧力に注意が必要です。
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 年間ボラティリティ | 34.63% | △やや注意 | 1年間でどれくらい価格がブレるか |
| 最大ドローダウン | -23.04% | ○普通 | 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる |
| シャープレシオ | -0.75 | ▲注意 | リスクを取った分だけリターンが得られているか |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 1.44 | ○普通 | 下落リスクだけで見たリターン効率 |
| カルマーレシオ | 1.62 | ◎良好 | 最大下落からの回復力 |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.46 | ◎良好 | 日経平均とどれだけ連動するか |
| R² | 0.21 | – | 値動きのうち市場要因で説明できる割合 |
【ポイント解説】
同社の株価は、ベータ値0.58(データBeta (5Y Monthly): 0.58より)と市場全体との連動性が比較的低く、独自の値動きをする傾向があります。年間ボラティリティ34.63%は「やや注意」レベルで、株価変動は比較的大きめです。過去の最大ドローダウンは-23.04%で、回復には87日間を要した実績があり、この程度の下げは今後の投資においても想定しておくべきでしょう。シャープレシオは-0.75とリスクに見合うリターンが得られていない点には注意が必要ですが、下落リスクのみを考慮するソルティノレシオや最大下落後の回復力を見るカルマーレシオは良好な水準であり、下落局面での耐久性や回復力は一定程度評価できます。現在のボラティリティは過去1年で「通常水準」にあります。
【投資シミュレーション】
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±34万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】
- 景気変動の影響: 倉庫・物流事業は景気変動に左右されやすく、経済活動の停滞は物流需要の減少につながる可能性があります。
- 燃料費・人件費の高騰: 物流コストに直結する燃料費や人件費の継続的な上昇は、収益性を圧迫する要因となります。
- 不動産市況の変動: 物件の賃料収入や稼働率、売却益が同社の不動産事業に大きく影響するため、不動産市況の悪化はリスクとなり得ます。
7. 市場センチメント
信用取引状況を見ると、信用買残が152,000株に対し、信用売残が18,200株であり、信用倍率は8.35倍と高水準です。これは、将来的な株価の上昇期待が集まっている一方で、将来的な売り圧力が存在する可能性を示唆しています。主要株主構成では、野村プロパティーズが45.93%と大きな比率を占めており、親会社である野村ホールディングスグループの強い影響下にあることがうかがえます。その他、ゴールドマン・サックス・インターナショナルやりそな銀行などが上位株主として名を連ねています。
8. 株主還元
杉村倉庫の配当利回りは1.12%(会社予想)です。配当性向は21.60%と、利益に対して無理のない範囲で配当を行っているため、配当の持続可能性は高いと評価できます。現状、配当性向は健全な水準にあり、減配リスクは低いと考えられます。自社株買いについては、自己株式を保有していますが、積極的な買い付けの状況についてはデータに記載がありませんでした。
SWOT分析
| 分類 | 項目 | 投資への示唆 |
|---|---|---|
| 💪 強み | 高い自己資本比率 安定した事業構成 |
景気変動への耐性が強い、長期保有に適性。 |
| ⚠️ 弱み | 低ROE 業界平均を超える割高なバリュエーション |
株主資本効率改善が株価成長の鍵。 |
| 🌱 機会 | EC市場拡大による物流需要増 保有不動産の有効活用 |
物流DXや不動産開発が新たな成長ドライバーに。 |
| ⛔ 脅威 | 景気後退や人件費高騰 信用倍率の高水準 |
収益性悪化と株価下落リスクを監視すべき。 |
この銘柄が向いている投資家
| 投資家タイプ | 相性が良い理由 |
|---|---|
| 財務健全性を重視する保守的な投資家 | 極めて高い自己資本比率と潤沢なフリーキャッシュフローを有するため。 |
| 安定配当を求める長期投資家 | 安定収益と健全な配当性向により継続的なインカムゲインが期待できるため。 |
この銘柄を検討する際の注意点
- バリュエーションの割高感: 業界平均と比較してPER・PBRが高く、現在の株価水準が適正か慎重な判断が求められます。
- 資本効率の課題: ROEがベンチマークを下回っており、株主資本をより効率的に活用する経営改善に注目が必要です。
- 信用需給の動向: 信用倍率が高水準であり、将来的な売り圧力や需給悪化が株価の上値抑制要因となる可能性があります。
今後ウォッチすべき指標
| 指標 | 現状 | トリガー条件 | 注目理由 |
|---|---|---|---|
| ROE | 5.68% | 8.0%以上への改善 | 資本効率改善のバロメーター。 |
| 物流事業セグメント利益 | 782.8百万円 (3Q累計) | 前年比+10%以上の成長 | 主力事業の成長性判断に重要。 |
| 信用倍率 | 8.35倍 | 5倍以下への改善 | 潜在的な売り圧力を確認。 |
企業情報
| 銘柄コード | 9307 |
| 企業名 | 杉村倉庫 |
| URL | http://www.sugimura-wh.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 運輸・物流 – 倉庫・運輸関連業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 1,075円 |
| EPS(1株利益) | 55.70円 |
| 年間配当 | 1.12円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 8.1% | 20.9倍 | 1,715円 | 9.9% |
| 標準 | 6.2% | 18.2倍 | 1,368円 | 5.0% |
| 悲観 | 3.7% | 15.4倍 | 1,033円 | -0.7% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 1,075円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 683円 | △ 57%割高 |
| 10% | 853円 | △ 26%割高 |
| 5% | 1,077円 | ○ 0%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 乾汽船 | 9308 | 1,528 | 398 | 71.06 | 1.05 | 1.5 | 0.43 |
| センコン物流 | 9051 | 1,260 | 71 | 24.56 | 1.02 | 4.9 | 1.19 |
| 櫻島埠頭 | 9353 | 2,319 | 35 | 12.31 | 0.44 | 4.1 | 1.94 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.43)」によって自動生成されました。
本レポートは、不特定多数の投資家に向けた一般的な情報提供を目的としており、個別の投資ニーズや状況に基づく助言を行うものではありません。記載されている情報は、AIによる分析や公開データに基づいて作成されたものであり、その正確性、完全性、適時性について保証するものではありません。また、これらの情報は予告なく変更または削除される場合があります。
本レポートに含まれる内容は、過去のデータや公開情報を基にしたものであり、主観的な価値判断や将来の結果を保証するものではありません。特定の金融商品の購入、売却、保有、またはその他の投資行動を推奨する意図は一切ありません。
投資には元本割れのリスクがあり、市場状況や経済環境の変化により損失が発生する可能性があります。最終的な投資判断は、すべてご自身の責任で行ってください。当サイト運営者は、本レポートの情報を利用した結果発生したいかなる損失や損害についても一切責任を負いません。
なお、本レポートは、金融商品取引法に基づく投資助言を行うものではなく、参考資料としてのみご利用ください。特定の銘柄や投資行動についての判断は、個別の専門家や金融機関にご相談されることを強くお勧めします。
企業スコアは、AIによる財務・業績データの分析をもとに試験的に算出した指標です。評価方法は現在も検討・改善を重ねており、確立した標準的な指標ではありません。投資判断の唯一の基準ではなく、あくまで参考情報としてご利用ください。