1. 企業情報
- 事業内容
クリエイト・レストランツ・ホールディングスは、外食チェーンを全国で展開しています。駅ビルやショッピングセンター（SC）などの立地特性に応じた多様な業態を開発し、和食・洋食・中華・エスニックなど幅広いジャンルのレストランやカフェ、ベーカリーを運営しています。主なブランドには「ひなと寿司」「しゃぶ菜」「磯丸水産」「つけめんTETSU」「サンジェルマン」などがあります。M&Aによる事業拡大も積極的で、海外展開や新業態開発にも注力しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
- 業界内での競争優位性・課題
外食産業は人流回復やインバウンド需要拡大を背景に堅調な需要が続いていますが、エネルギー価格や人件費の上昇などコスト増加の課題があります。クリエイト・レストランツHDは多業態展開とM&Aを通じて規模を拡大し、全国で1,100店舗以上を展開することで一定の市場プレゼンスを確保しています。多様なブランドポートフォリオによるリスク分散と、立地特性を活かした業態開発が競争優位性です。一方で、同業他社（例：コロワイド、SFPホールディングス等）と比較した相対的なシェアは公開情報からは明確ではありません。
3. 経営戦略と重点分野
- 経営陣のビジョン・戦略
「本質的価値の進化」を掲げ、既存事業の成長、新業態開発、M&Aの積極的実施、海外事業の拡大を中期経営計画の柱としています。
– 具体的施策・重点分野
– 2024年5月の創業25周年を機に組織再編を実施
– 米国Wildflower Bread Company LLCの譲受、札幌「えびそば一幻」の子会社化などM&A強化
– DX（デジタル変革）や人的資本への投資
– 新規出店と不採算店舗の退店によるポートフォリオ最適化
4. 事業モデルの持続可能性
- 収益モデル・市場適応力
多業態・多ブランド展開により、消費者ニーズや市場環境の変化に柔軟に対応可能な体制を構築しています。M&Aによる規模拡大と新規業態の開発で成長を目指す一方、原材料や人件費高騰など外部環境への対応が今後の課題です。
5. 技術革新と主力製品
- 技術開発の動向・独自性
DX推進やオペレーション効率化への投資を強化しています。
– 収益を牽引する主力ブランド
「磯丸水産」「しゃぶ菜」「つけめんTETSU」などの主力ブランドが収益を牽引。ベーカリー事業（サンジェルマン等）や海外展開も拡大中です。
6. 株価の評価
- バリュエーション指標
- 株価：1,400円
- 予想EPS：27.56円
- 予想PER：50.8倍（業界平均21.3倍より高い）
- 実績BPS：190.89円
- 実績PBR：7.33倍（業界平均1.8倍より高い）
現在の株価は業界平均と比べてPER・PBRともに高水準です。
7. テクニカル分析
- 株価推移
- 年初来高値：1,492円
- 年初来安値：1,162円
- 直近株価は1,400円で、高値圏に近い水準です。
- 50日移動平均：1,345.2円、200日移動平均：1,211.89円
- 短期的には上昇トレンドが継続していましたが、直近はやや調整局面。
8. 財務諸表分析
- 売上・利益・キャッシュフロー
- 売上高は2021年以降、コロナ禍からの回復で増加傾向（2025年2月期：156,354百万円、前年比+7.3%）
- 営業利益・純利益も増加（営業利益8,504百万円、純利益6,228百万円）
- 営業CFは25,991百万円と安定
- 収益性・効率性
- ROE：14.68%、ROA：3.97%（直近12か月）
- 営業利益率：5.4%とやや低めだが、改善傾向
- 安全性
- 自己資本比率：29.3%（やや低め）
- 総負債/自己資本比率：110%
- 流動比率：0.68（短期的な支払能力はやや注意が必要）
9. 株主還元と配当方針
- 配当利回り・配当性向
- 予想配当：9.00円、配当利回り0.64%（業界平均より低い）
- 配当性向：約26.85%（利益成長に合わせた増配傾向）
- 株主還元策
- 自社株買いの実施は限定的
- 安定配当を基本方針としつつ、利益成長に応じて増配を実施
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価変動傾向
- 直近1年で約30%上昇（52週変化率）
- 直近10日間はやや調整気味
- 信用倍率0.12倍と空売りが多い状況
- 影響要因
- 業績成長やM&Aニュース、インバウンド需要回復などが株価を押し上げる要因
- コスト高や人手不足、外部環境の変化には注意が必要
11. 総評
クリエイト・レストランツ・ホールディングスは、多業態・多ブランド戦略とM&Aによる規模拡大を強みとし、コロナ禍からの回復を背景に業績を伸ばしています。財務面では売上・利益ともに増加し、営業キャッシュフローも安定していますが、自己資本比率や流動比率には一定の注意が必要です。株価は業界平均と比べて高いバリュエーション水準にあり、今後の成長期待やM&A戦略の進捗が注目されます。配当利回りは低めですが、利益成長に合わせた増配傾向が見られます。今後はコスト増加や外部環境の変化に対する対応力が課題となります。
企業情報
| 銘柄コード | 3387 |
| 企業名 | クリエイト・レストランツ・ホールディングス |
| URL | http://www.create-restaurants.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 小売 – 小売業 |
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