1. 企業情報
株式会社カプコンは、家庭用ゲームソフトの開発を主軸とする大手企業です。「モンスターハンター」や「バイオハザード」、「ストリートファイター」などの人気作品を多数保有しています。近年はゲームのデジタル販売に注力し、SNS向けゲームの拡大も進めています。
項目 | 内容 |
---|---|
企業名 | カプコン (Capcom Co., Ltd.) |
証券コード | 9697 |
市場区分 | プライム(内国株式) |
事業内容 | – デジタルコンテンツ事業 (連結売上構成比: 74%): 家庭用ゲーム、オンラインゲーム、モバイルゲームの開発・販売が中心です。<br>- アミューズメント施設事業 (連結売上構成比: 13%): 「プラサカプコン」などのアミューズメント施設の運営を行っています。<br>- アミューズメント機器事業 (連結売上構成比: 9%): パチスロ機等の開発・製造・販売を行っています。<br>- その他事業 (連結売上構成比: 4%): ゲームコンテンツの映画化、アニメ化、音楽CD化、グッズ販売、eスポーツなども手掛けています。 |
代表者名 | 辻本 春弘 |
設立年月日 | 1979年5月30日 |
従業員数 | 3,766人 |
平均年齢 | 38.0歳 |
平均年収 | 9,180千円 |
海外売上比率 | 60% (2025年3月期) |
2. 業界のポジションと市場シェア
カプコンは、家庭用ゲームソフト業界の大手企業の一つとして認識されています。長年にわたり培われたIP(知的財産)と開発力が強みであり、「モンスターハンター」シリーズなど世界的に高い人気を誇る作品を多数保有していることが競争優位性となっています。近年は特にデジタル販売に注力しており、収益性向上に寄与しています。また、モバイルコンテンツやeスポーツへの積極的な参入は、市場の変化に対応し、新たな収益機会を追求する姿勢を示しています。ゲーム業界は競争が激しい市場であり、継続的にヒット作を生み出す開発力と、変化する消費者ニーズへの迅速な対応が重要となります。
3. 経営戦略と重点分野
カプコンは、「最高のコンテンツで世界中の人々を夢中にさせる」ことを目指し、持続的な成長を実現するための経営戦略を推進しています。中期経営目標である「毎期10%営業利益増益」を10期連続で達成しており、強固な事業基盤の上に成長戦略を描いています。
具体的な重点分野と施策は以下の通りです。
* デジタルコンテンツ事業:
* デジタル販売のさらなる強化と販売本数の増加を目指します。
* 『ストリートファイター6』などの人気タイトルを活用したeスポーツ展開を継続し、ブランド価値向上とユーザー層の拡大を図ります。
* アミューズメント施設事業:
* 新規業態店舗の展開を継続し、堅実な店舗出店と運営を行います。
* 多様なイベント実施により、リアル店舗の魅力を最大化し、来店客数の増加を目指します。次期は10店舗の出店を予定しています。
* アミューズメント機器事業:
* スマートパチスロ市場を牽引するため、人気IPを活用した新機種を順次投入します。次期は『デビル メイ クライ 5 スタイリッシュトライブ』など3機種の投入を計画しています。
* その他事業:
* eスポーツとキャラクタービジネスの連携を加速させ、IPの多角的な活用と収益機会の創出を図ります。
* 人材投資:
* 開発体制の拡充と生産性向上のため、人材投資戦略を継続的に推進します。
4. 事業モデルの持続可能性
カプコンの事業モデルは、主力であるデジタルコンテンツ事業による安定した収益と、多様な事業展開による多角化が特徴です。デジタル販売比率を高めることで、収益性の向上と長期的なIP価値の最大化を図っています。
「モンスターハンター」シリーズや「バイオハザード」シリーズといった強力なIPは、新作のヒットだけでなく、リピート販売やモバイル展開、メディアミックス(映画、アニメ、グッズ)にも繋がり、安定した収益源となっています。また、eスポーツへの注力は、ゲームのライフサイクルを延長し、新たなコミュニティ形成と収益獲得に貢献しています。
グローバル市場における高い海外売上比率(60%)は、特定の市場に依存しない持続的な成長を示唆しています。変動する市場ニーズへの適応力を持ち、長期的な視点でのIP戦略と人材育成によって、事業モデルの持続可能性を高めていると考えられます。
5. 技術革新と主力製品
カプコンは、高品質なゲームコンテンツを生み出すための技術開発に継続的に投資しています。具体的な最新技術に関する詳細な記述はありませんが、業界をリードするタイトルを開発する上で、常に最先端の技術を取り入れていると推測されます。
現在の収益を牽引している主な製品・サービスは以下の通りです。
* デジタルコンテンツ事業:
* 『モンスターハンターワイルズ』: 全世界で1,000万本を突破し、業績に大きく貢献しています。「モンスターハンター」シリーズ全体の累計販売本数は1億本を超えています。
* 『バイオハザード RE: 4』や『ストリートファイター6』: リメイクや新作として高い評価を受け、デジタル販売に貢献しています。
* 『モンスターハンターNow』(モバイルコンテンツ): 累計1,500万ダウンロードを突破し、モバイル市場での収益を牽引しています。
* アミューズメント機器事業:
* スマートパチスロ市場の好調を背景に、『ストリートファイターV 挑戦者の道』『鬼武者3』『モンスターハンターライズ』『バイオハザード5』などの新機種が販売に貢献しています。
* その他事業:
* eスポーツ: 『ストリートファイター6』を活用した「CAPCOM Pro Tour 2024」や「CAPCOM CUP 11」などのグローバルイベントが活況を呈しています。
* キャラクタービジネス: アニメ「シークレット・レベル」の世界配信や各種イベント・コラボレーションにより、IPのブランド価値向上に貢献しています。
6. 株価の評価
現在の株価4,467.0円に基づき、各種指標を確認します。
* PER(株価収益率):
* 会社予想EPS 121.93円に基づくと、PERは 36.64倍 です。
* 業界平均PER(23.2倍)と比較すると、カプコンのPERは高い水準にあります。
* PBR(株価純資産倍率):
* 実績BPS 540.68円に基づくと、PBRは 8.26倍 です。
* 業界平均PBR(2.3倍)と比較すると、カプコンのPBRも高い水準にあります。
これらの指標は、カプコンが市場から高い成長性と収益性を見込まれていることを示唆している可能性があります。
7. テクニカル分析
現在の株価は4,467.0円です。
* 株価水準:
* 年初来高値:5,015円
* 年初来安値:3,226円
* 現在の株価は、年初来高値から約11%低い水準にありますが、年初来安値からは大きく上昇した水準に位置しています。
* 移動平均線:
* 50日移動平均:4,400.92円
* 200日移動平均:3,766.00円
* 現在の株価は、50日移動平均線、200日移動平均線をともに上回っており、株価は短期・長期ともに上昇トレンドにあるように見えます。
* 出来高:
* 直近の出来高は3,349,700株であり、平均出来高(3ヶ月平均1.88M株、10日平均1.84M株)と比較して本日高めとなっています。これは、市場の関心が高いことを示唆している可能性があります。
* 信用取引:
* 信用買残は790,000株、信用売残は192,700株で、信用倍率は4.10倍です。信用買残が信用売残を大きく上回っている状況です。
8. 財務諸表分析
カプコンの財務状況は、過去数年にわたり堅調な成長を示しています。
指標(単位:百万円) | 過去12か月 / 2025年3月期 | 2024年3月期 | 2023年3月期 | 2022年3月期 |
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売上高 (Total Revenue) | 169,604 | 152,410 | 125,930 | 110,054 |
営業利益 (Operating Income) | 65,777 | 57,082 | 50,813 | 42,909 |
最終利益 (Net Income Common Stockholders) | 48,453 | 43,374 | 36,737 | 32,553 |
- 売上高・利益の推移:
- 過去5年間で売上高、営業利益、最終利益ともに一貫して増加傾向にあります。
- 2025年3月期は、売上高が前期比11.3%増、営業利益が15.2%増、親会社株主に帰属する当期純利益が11.7%増と、増収増益を達成しており、12期連続の営業増益を記録しています。
- 収益性:
- 売上高営業利益率は、2025年3月期が38.8%(前期37.5%)と非常に高く、効率的な事業運営が行われていることを示しています。
- ROE(株主資本利益率)は23.01%、ROA(総資産利益率)は14.78%と、資本を効率的に活用して利益を生み出す能力が高いことが伺えます。
- 財務安全性:
- 自己資本比率は72.3%(前期は80.1%)と、引き続き高水準を維持しており、財務基盤は非常に安定していると判断できます。
- 流動比率(Current Ratio)も3.77と非常に高く、短期的な支払能力に優れています。
- 総負債/自己資本比率(Total Debt/Equity)は5.27%と低く、借入依存度が低い健全な財務状況です。
- キャッシュフロー:
- 営業活動によるキャッシュフローは67,618百万円の増加となっており、事業から安定してキャッシュを生み出す力が強いことを示しています。フリーキャッシュフローも53.44Bと潤沢です。
全体として、カプコンは継続的な増収増益を達成し、高い収益性と非常に安定した財務基盤を兼ね備えていると言えます。
9. 株主還元と配当方針
カプコンは、株主への利益還元についても配慮している企業です。
* 配当実績と予想:
* 会社予想の1株当たり年間配当金は40.00円です。
* 配当利回りは0.90%です。
* 配当性向は34.53%であり、利益の約3割を配当として株主に還元しつつ、残りを成長投資に回すバランスの取れた方針であると考えられます。
* 株式分割:
* 2024年4月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割を実施しました。これは、単元あたりの投資金額を引き下げることで、株式の流動性を高め、より多くの投資家が投資しやすい環境を整えることを目的とした株主還元策の一つと捉えることができます。
10. 株価モメンタムと投資家関心
カプコンの株価は、テクニカル分析の項で述べたように、直近の推移では上昇傾向にあるように見えます。50日移動平均線および200日移動平均線を上回って推移しており、中長期的な上昇モメンタムが観察されます。
株価に影響を与える主な要因は以下の点が考えられます。
* 新作タイトルの販売動向: 特に「モンスターハンター」や「バイオハザード」といった主力IPの新作リリースや販売実績は、株価に大きな影響を与えます。
* 既存タイトルのデジタル販売の継続: 過去のヒット作がデジタル販売によって長期的に収益貢献を続けることも重要です。
* モバイルゲームやeスポーツの成長: これらの新規事業領域の拡大が、株価の追加的なカタリストとなる可能性があります。
* パチスロ市場の動向と新機種の販売状況: アミューズメント機器事業の収益貢献も無視できません。
* 業績見通しの発表: 四半期ごとの決算発表や、業績予想の修正は、投資家の期待値に直接影響します。
* 株式分割: 流動性改善と新規投資家層の獲得に繋がるため、株価にプラスの影響を与える場合があります。
市場の関心度を示す出来高も比較的高く、特定の新作発表やイベントがない時期でも、企業の安定した成長性や将来性への期待から関心が持たれている可能性があります。
11. 総評
カプコン(9697)は、強力なIPとデジタル販売戦略を軸に、安定した成長を続けるゲーム開発大手企業です。
ポジティブな点:
* 堅調な業績成長: 12期連続の営業増益を達成しており、売上、利益ともに継続的に成長しています。
* 高い収益性と財務健全性: 売上高営業利益率が高く、ROE, ROAも良好です。自己資本比率も高く、強固な財務基盤を持っています。
* 強力なIPと多様な事業展開: 「モンスターハンター」などの世界的な人気IPを持ち、デジタルコンテンツだけでなくアミューズメント施設、アミューズメント機器、eスポーツなど多角的に事業を展開しています。
* 市場ニーズへの対応: デジタル販売強化、モバイル、eスポーツへの注力は、変化する市場環境への適応力を示しています。
考慮すべき点:
* 株価指標の市場評価: PER、PBRともに業界平均と比較して高い水準にあり、市場からの高い期待が株価に織り込まれている可能性があります。
* コンテンツ依存: ヒット作創出に継続的に成功していますが、常に革新的なコンテンツを生み出す開発力と、それが市場に受け入れられるかどうかが今後の成長を左右する重要な要素となります。
総合的に見ると、カプコンは財務的に健全であり、安定的な成長と高い収益性を両立している企業です。今後の新作タイトルの販売状況や、各事業の戦略進捗が引き続き注目されます。
企業情報
銘柄コード | 9697 |
企業名 | カプコン |
URL | https://www.capcom.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.0)」によって自動生成されました。
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