大塚商会(証券コード:4768)企業分析レポート

1. 企業情報

株式会社大塚商会は、日本を拠点とする独立系の大手ITプラットフォーマーです。システムインテグレーション(SI)事業とサービス&サポート事業の二つの主要セグメントを展開しています。SI事業では、ERPパッケージやグループウェア、CADシステムなどのコンサルティングからシステム設計・開発、ネットワーク構築まで一貫したソリューションを提供しています。また、コンピューター、コピー機、通信機器などの販売も行っています。サービス&サポート事業では、企業のIT環境をトータルに支援するため、ハードウェアやソフトウェアの保守、テレフォンサポート、アウトソーシングサービスを提供しています。特に中堅・中小企業に強みを持ち、オフィス用品通販「たのめーる」も展開しています。

2. 業界のポジションと市場シェア

大塚商会は、情報サービス業界において独立系SIの大手企業として確立された地位を築いています。特定のメーカーに縛られず幅広い製品・サービスを提案できる独立性が競争優位性の一つです。中堅・中小企業を主要顧客基盤とし、ITインフラ構築から保守、さらにはオフィス用品供給までをワンストップで提供することで、顧客との継続的な関係を構築しています。具体的な市場シェアの数値は提示されていませんが、幅広い顧客層と多角的な事業展開により、市場内での安定したポジションを維持していると考えられます。情報・通信業に属し、IT投資需要の底堅い市場環境下で事業を展開しています。

3. 経営戦略と重点分野

大塚商会は、「お客様に寄り添い、DXとAIでお客様と共に成長する」を2025年度のスローガンに掲げています。主要な経営戦略としては、以下の領域に注力しています。
* DX(デジタルトランスフォーメーション)推進とAIソリューションの強化: 顧客企業のデジタル化を支援し、生産性向上やコスト削減に繋がるソリューション提案を強化しています。
* 中堅・中小企業向けサービスの拡充: 人手不足対策、省人化投資、業務効率化などのニーズに応えるソリューション提供に力を入れています。特にWindows 10サポート終了に伴うパソコン更新需要や情報システムの見直しを好機と捉えています。
* サービス&サポート事業の強化: オフィス用品通販「たのめーる」の競争力・利便性向上、IT人材不足を補完する新たなサービス開発を進めています。
* ESG課題解決への貢献: IT活用を通じてESG(環境・社会・ガバナンス)課題の解決とSDGs(持続可能な開発目標)達成に貢献することを目指しています。
* 従業員エンゲージメントの向上: 継続的な企業成長を支える基盤として、従業員の働きがい向上にも取り組んでいます。

4. 事業モデルの持続可能性

大塚商会の事業モデルは、システムインテグレーションから保守、オフィス用品供給までを総合的にカバーする多角性が特徴です。これにより、顧客企業のITライフサイクル全体を支援し、継続的な収益源を確保しています。特に、中堅・中小企業という幅広い顧客基盤を抱え、特定の業界や大企業への依存度が低いことは事業の安定性につながると考えられます。
ハードウェア・ソフトウェアの販売(フロー型)と、保守・サポート・オフィス用品供給(ストック型)を組み合わせることで、景気変動への耐性を高めています。近年加速する企業のDX推進やクラウド移行、AI活用といった市場ニーズの変化に対し、コンサルティングからソリューション提供まで一貫して対応できる体制は、事業の持続可能性を高める要因と言えます。

5. 技術革新と主力製品

大塚商会は、ERPパッケージ、グループウェア、CAD、Web技術など、幅広い分野のソフトウェア・ハードウェアを取り扱い、それらを組み合わせたシステムインテグレーションを提供しています。特定の独自技術に特化するのではなく、様々なメーカーの製品・技術を顧客のニーズに合わせて最適に組み合わせる「ITプラットフォーマー」としての役割に強みがあります。
近年の経営戦略では、DX推進やAIソリューションの強化を重点分野としており、これらの技術動向に対応したサービス開発に注力していると考えられます。
収益を牽引している主力事業は、連結事業比率で66%を占める「システムインテグレーション事業」と、34%を占める「サービス&サポート事業」です。特に、SI事業ではパソコン更新需要やパッケージソフトの伸びが、サービス&サポート事業ではオフィスサプライ通販「たのめーる」やサポートサービスが収益に貢献しています。

6. 株価の評価

現在の株価は2,880.0円です。
* EPS(1株当たり当期純利益): 会社予想145.04円
* これにより計算される予想PERは、2,880.0円 ÷ 145.04円 = 19.86倍となります。
* 業界平均PERが23.2倍であることと比較すると、大塚商会の予想PERは業界平均を下回っています。
* BPS(1株当たり純資産): 実績939.70円
* これにより計算される実績PBRは、2,880.0円 ÷ 939.70円 = 3.06倍となります。
* 業界平均PBRが2.3倍であることと比較すると、大塚商会の実績PBRは業界平均を上回っています。

PERは業界平均より低い水準であり、PBRは業界平均より高い水準にあります。

7. テクニカル分析

直近の株価2,880.0円は、年初来高値3,695円、52週高値3,789円と比較して低い水準にあります。また、年初来安値2,815円、52週安値2,815円に近く、これらの水準と同程度です。
50日移動平均線が2,918.31円、200日移動平均線が3,284.98円であり、現在の株価はこれら両方の移動平均線を下回る水準で推移しています。
ここ10日間の株価推移を見ると、概ね2,815円から2,900円程度の範囲で変動しており、直近の日付では安値圏での推移が見られます。株価は年初来の範囲で見ると安値圏に位置すると考えられます。

8. 財務諸表分析

大塚商会の財務状況は、過去数年にわたり堅実な成長を示しています。
* 売上と利益の成長:
* Total Revenue(売上高)は、2021年の8,518億9,400万円から、過去12か月では1兆1,076億6,800万円へと増加しており、安定した成長傾向が見られます。
* Gross Profit(売上総利益)も同様に増加傾向にあり、利益率の維持に努めていることがうかがえます。
* Net Income Common Stockholders(親会社株主に帰属する当期純利益)も、2021年の399億2,700万円から過去12か月で534億8,100万円へと増加しています。
* 特に、2025年12月期第1四半期決算では、売上高が前年同期比18.3%増、営業利益が22.8%増、親会社株主に帰属する四半期純利益が24.1%増と、増収増益を達成しており、第1四半期としては3年連続で過去最高を記録しています。
* 収益性指標:
* ROE(Return on Equity)は実績で14.98%(過去12か月では16.45%)と、高い水準を維持しており、株主資本を効率的に活用して利益を生み出していることが示唆されます。
* ROA(Return on Assets)も過去12か月で7.65%と、総資産に対する収益性も良好です。
* Operating Margin(営業利益率)は過去12か月で6.71%であり、第1四半期も約6.7%を維持しています。
* 財務安全性:
* 自己資本比率は実績で55.0%(2024年12月期末)と高く、2025年3月期末時点でも51.9%と健全な財務基盤を維持しています。
* Total Debt/Equityは1.66%と低く、負債依存度が低いことが示されています。
* Current Ratio(流動比率)は1.82と1を大きく上回っており、短期的な支払い能力に問題がないことが示唆されます。
* キャッシュフロー:
* 営業活動によるキャッシュ・フローは過去12か月で179億9,000万円を確保しています。2025年第1四半期では前年同期より減少していますが、これは仕入債務の増加額が小さくなったことによるものです。
* 現金及び現金同等物の期末残高は2,008億8,100万円と潤沢です。

全体的に、売上・利益ともに成長傾向にあり、高い収益性と健全な財務体質を維持していることが読み取れます。

9. 株主還元と配当方針

大塚商会は、株主還元として配当を実施しています。
* 配当利回り(会社予想): 2.95%
* 1株配当(会社予想): 85.00円(2025年12月期期末配当予想。年間配当予想は80.00円とされています)
* 配当性向(Payout Ratio): 50.52%(Trailing Annual Dividend Rateに基づく)

2024年12月期は、売上高1兆円達成記念配当(5円)を含む80.00円の期末配当を実施しました。2025年12月期の年間配当は80.00円を予想しており、中間配当40.00円、期末配当予想85.00円(年間配当80.00円)としています。期末配当予想85円と年間配当予想80円の記載がありますが、ここでは年間配当予想80円を採用します。
配当性向は50%台であり、利益の半分程度を配当として還元する方針が示唆されます。自社株買いに関する具体的な発表は、今回提供された情報からは読み取れませんでした。

10. 株価モメンタムと投資家関心

現在の株価モメンタムは、直近10日間の株価推移や移動平均線から見ると、軟調な推移を示しています。株価は50日移動平均(2,918.31円)および200日移動平均(3,284.98円)をともに下回っており、下落傾向にあると考えられます。
52週変化率は-11.82%であり、同時期のS&P 500の騰落率16.93%と比較すると、相対的にパフォーマンスが低い状況です。
投資家の関心度合いを示す指標としては、出来高が挙げられます。直近の出来高は659,300株で、3ヶ月平均出来高1.11M株、10日平均出来高763.93k株と比較すると、平均的な水準かやや下回る動きも見られます。
信用取引においては、信用倍率が5.81倍(信用買残301,700株、信用売残51,900株)となっており、買い残が売り残を大きく上回る状況です。

11. 総評

大塚商会は独立系のITサービス大手であり、SI事業とサービス&サポート事業を主軸に、特に中堅・中小企業に強固な顧客基盤を持つ企業です。事業モデルは多角的であり、販売と保守・サポートの安定収益モデルを組み合わせることで持続可能性を高めています。
財務面では、過去数年にわたり売上高・各利益ともに着実に成長しており、特に直近の第1四半期決算も増収増益を達成しました。ROEは高く、自己資本比率も健全な水準を維持しており、財務基盤は安定していると考えられます。
株価の評価においては、PERは業界平均を下回る水準にある一方、PBRは業界平均を上回る水準にあります。直近の株価は年初来安値に近く、移動平均線を下回るなど、テクニカル的には軟調な推移が見られます。
経営戦略としては、企業のIT投資ニーズに応えるべくDXやAIソリューションに注力しており、今後の成長ドライバーとして期待されます。株主還元は配当によって行われており、安定した配当実績があります。
全体として、大塚商会は堅実な財務基盤と安定した事業モデルを持つ一方で、直近の株価は調整局面にある状況が観察されます。企業のIT投資需要の継続や、DX・AI戦略の進捗といった点が今後の株価に影響を与える可能性があります。


企業情報

銘柄コード 4768
企業名 大塚商会
URL http://www.otsuka-shokai.co.jp/
市場区分 プライム市場
業種 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業

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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。

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By ジニー

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