アイ・ピー・エス (証券コード: 4335) 企業分析レポート
個人投資家の皆様へ、アイ・ピー・エス(証券コード: 4335)の企業分析レポートをお届けします。
1. 企業情報
株式会社アイ・ピー・エスは、関西地方を主な地盤とする情報システム開発会社です。特に、ドイツのSAP社が提供する業務基幹システム(ERPシステム)の導入支援や保守サービスを企業向けに提供しています。売上高の大半(2024年6月期で75%)をERP導入事業が占めています。2025年7月には、IPS Holdings Co., Ltd.として持株会社体制へ移行する予定です。従業員数は155名で、専門性の高いITサービスを展開しています。
2. 業界のポジションと市場シェア
アイ・ピー・エスは、SAP ERPの導入に特化した専門性を持つ企業として、企業の情報システム化を支援しています。特に中堅・成長企業をターゲットとし、クラウドERPの導入やスマート工場支援サービスなど、デジタル変革(DX)ニーズに対応したソリューションを提供しています。これにより、特定の地域と製品領域における競争優位性を構築していると考えられます。市場シェアに関する具体的な数値は開示されていませんが、SAP専門家としての位置付けが特徴です。
3. 経営戦略と重点分野
経営陣は、「Innovation Partner with SAP」という新しいコーポレートアイデンティティを掲げ、製造業を中心に業務効率化やデジタル変革に対応するクラウドERPの導入に注力しています。また、ITエンジニアリング事業においては、スマート工場支援サービスを通じて顧客企業の競争力強化に貢献することを目指しています。中期経営計画に関する具体的な内容は提供されていませんが、2025年6月期の通期連結業績予想として売上高や利益の増加を見込んでいます。
4. 事業モデルの持続可能性
同社の事業モデルは、ERPシステムの導入だけでなく、その後の保守サービスも提供しているため、継続的な収益基盤を有しています。クラウドERPやスマート工場支援といったサービスは、企業のDX推進ニーズに合致しており、IT投資が底堅く推移する市場環境において、高い市場ニーズに対応できる事業構造と言えます。これは、同社の収益モデルの持続可能性を高める要因と考えられます。
5. 技術革新と主力製品
同社の主力製品およびサービスは、SAP ERPシステムの導入・構築・保守サービスです。特に、様々な業種・業務に対応するソリューション「EasyOne」を提供しています。また、DXサポートやスマート工場支援サービスなど、最新のITトレンドにも対応したサービスを展開しており、顧客企業の多様な課題解決を目指しています。技術開発の独自性としては、世界的なビジネスソフトウェアであるSAPに対する深い知見と導入実績が挙げられます。
6. 株価の評価
現在の株価1,165.0円に対し、各種指標は以下の通りです。
* 会社予想PER: 10.85倍
* 実績PBR: 1.72倍
* 会社予想EPS: 107.33円
* 実績BPS: 676.14円
同社のPER(10.85倍)は情報・通信業の業界平均PER(17.6倍)と比較して低水準にあります。PBR(1.72倍)は業界平均PBR(1.6倍)とほぼ同水準です。これらの数値は、現在の利益や純資産に対して、市場の評価が業界平均よりも割安感がある可能性を示唆しているとも考えられます。
7. テクニカル分析
現在の株価は1,165.0円です。年初来高値は1,430円、年初来安値は1,000円です。過去52週間の高値は1,430円、安値は840円です。
50日移動平均線は1,228.38円、200日移動平均線は1,142.40円です。
現在の株価は50日移動平均線を下回っていますが、200日移動平均線は上回っており、年初来高値からは調整局面にあるように見えます。直近10日間の株価は1,151円から1,173円の範囲で推移しており、出来高も比較的少ない状況です。
8. 財務諸表分析
Breakdown | 2021年6月期 | 2022年6月期 | 2023年6月期 | 2024年6月期 | 過去12か月 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 (千円) | 2,498,609 | 2,728,149 | 2,831,469 | 3,129,163 | 3,700,000 |
営業利益 (千円) | 278,246 | 241,746 | 302,867 | 328,441 | 429,250 |
親会社株主純利益 (千円) | 185,771 | 177,592 | 212,852 | 226,458 | 294,000 |
- 売上高: 過去数年間で着実に増加傾向にあります。特に過去12か月の売上高は37億円に達し、直近四半期においても前年同期比24.40%増と高い成長率を示しています。
- 利益: 営業利益と親会社株主に帰属する純利益は、2022年6月期に一時的な減少が見られたものの、その後は増加傾向にあります。特に直近の四半期純利益成長率は前年同期比191.70%と大幅な伸びを記録しています。
- 収益性・効率性:
- ROE(実績)は16.45%(過去12か月では20.00%)と高く、自己資本を効率的に活用して利益を生み出していると言えます。
- ROA(過去12か月)は10.62%であり、総資産に対する利益獲得能力も良好な水準です。
- 自己資本比率は56.1%(直近四半期は58.0%)と堅実な財務基盤を示しています。
- キャッシュフロー: 連結キャッシュフロー計算書は提供された情報には記載がありません。
9. 株主還元と配当方針
アイ・ピー・エスは株主還元として配当を実施しています。
* 会社予想配当利回り: 3.26%
* 会社予想1株配当: 38.00円
* 配当性向: 32.10%
2024年6月期の実績配当35.00円から、2025年6月期は38.00円への増配を予想しており、安定的な配当維持・増配意向がうかがえます。配当性向も利益の約3割と無理のない範囲で、今後の事業成長と株主還元を両立させる姿勢が考えられます。また、自己株式を保有しており、譲渡制限付株式報酬としての処分も行っていることから、従業員へのインセンティブとしても活用しているようです。
10. 株価モメンタムと投資家関心
直近の株価は横ばいからやや軟調な動きを示しており、出来高が非常に少ない状況です(直近10日平均出来高約2,010株、3ヶ月平均出来高約7,790株)。これは、市場における流動性が低いことを示唆しています。
信用取引においては、信用買残が50,600株ある一方で、信用売残は0株となっており、信用倍率は0.00倍です。信用売りがほとんどない状況は、将来的な買い戻しによる株価サポートがないことを意味しますが、逆に売り圧力が限定的であるとも考えられます。今後の主要なイベントとしては、2025年5月9日に予定されている決算発表があり、これが株価に影響を与える可能性があります。
11. 総評
アイ・ピー・エスは、SAP ERP導入・保守サービスを主軸とし、企業のDX推進ニーズに応える事業を展開しています。売上高、利益ともに近年は増加傾向で推移しており、特に直近の売上・利益成長率は高い水準にあります。財務健全性に関しても、高い自己資本比率と良好なROE・ROAが確認できます。
株価の評価については、PERが業界平均を下回っており、業績の成長性と比較して市場からの評価に割安感がある可能性も考えられます。配当性向も安定しており、増配予想も発表されています。
一方で、出来高が少なく、市場での流動性が低い点は留意が必要です。信用取引における信用買残の状況も、今後の株価の動きに影響を与える可能性があります。
全般的に、堅実な事業基盤と成長性を持つ企業ですが、取引の流動性には注意が必要な状況と考えられます。
本レポートは、提供された公開情報に基づき作成されたものであり、特定の金融商品の取得または売却を推奨するものではありません。個別の投資助言を目的としたものではなく、記載内容には、将来の業績に対する見通しや予測が含まれる場合がありますが、これらは現時点で入手可能な情報に基づいたものであり、様々な要因により実際の結果と異なる可能性があります。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。
企業情報
銘柄コード | 4335 |
企業名 | アイ・ピー・エス |
URL | http://ips.ne.jp/ |
市場区分 | スタンダード市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
関連情報
証券会社
このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.1)」によって自動生成されました。
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