企業の一言説明
富士ピー・エスは、高度なPC(プレストレストコンクリート)工法を専門とする建設事業を展開するPC工法大手の企業です。主に橋梁や道路などのインフラ建設、耐震補強工事、PCタンクやPCマクラギといったPC製品の製造・販売を手掛けており、日本の社会インフラを支える重要な役割を担っています。
投資判断のための3つのキーポイント
- 高い収益性と今後の成長期待: 2025年3月期の連結純利益は21.87億円と前期から大幅に増加し、ROEは22.33%と非常に高い水準を達成しています。2026年3月期も増収増益の会社予想を発表しており、特に土木事業が好調で、社会インフラの老朽化対策や更新需要を背景に持続的な成長が期待されます。
- 独自の技術力と安定的な事業基盤: PC工法は高い技術とノウハウが求められる専門分野であり、同社はこの分野で長年の実績を持つ大手企業です。橋梁、高速道路、鉄道インフラに加え、耐震補強やPCタンク、PCマクラギなど特殊分野にも強みを持ち、安定した公共事業需要に支えられた事業基盤は強固です。
- 財務健全性とキャッシュフローの改善が課題: 自己資本比率は32.6%(2025年3月期末実績)と建設業としては標準的な水準ですが、流動比率が1.18倍とやや低い点、また過去3期連続で営業キャッシュフローおよびフリーキャッシュフローがマイナスである点は、財務面での改善余地を示唆しています。今後の事業拡大に伴う投資とキャッシュフローのバランスが注目されます。
企業スコア早見表
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 成長性 | A | 良好な成長期待 |
| 収益性 | S | 非常に優良 |
| 財務健全性 | C | やや不安 |
| バリュエーション | B | 適正水準 |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 585.0円 | – |
| PER | 13.25倍 | 業界平均11.3倍 |
| PBR | 0.82倍 | 業界平均0.7倍 |
| 配当利回り | 2.39% | – |
| ROE | 22.33% | – |
1. 企業概要
富士ピー・エス(証券コード: 1848)は、1954年設立のプレストレストコンクリート(PC)工法を専門とする建設会社です。橋梁、高架橋、道路などの土木構造物、PC建築物の設計・施工、およびこれら構造物の補修・補強、耐震補強工事を手がけるほか、PC製品の製造・販売も行っています。高度な技術と長年の経験に裏打ちされたPC工法を強みとし、日本の社会インフラ整備に貢献しています。特に、耐震補強やPCタンク、PCマクラギといった分野で独自性を持っています。
2. 業界ポジション
同社はPC工法における大手であり、高度な技術と豊富な実績を持つことで競争優位性を確立しています。日本の建設業界全体では、公共事業の安定的な需要がある一方で、資材価格や人件費の高騰、労働力不足といった課題に直面しています。同社は老朽化したインフラの維持・更新、および災害対策としての耐震補強ニーズを背景に、安定した受注基盤を持っています。
財務指標では、同社のPER(会社予想)は13.25倍であり、業界平均の11.3倍をやや上回っています。PBR(実績)は0.82倍で、業界平均の0.7倍をやや上回るものの、依然としてPBR1倍未満の水準にあります。これは、同社の資産価値が市場で十分に評価されていない可能性を示唆しています。
3. 経営戦略
富士ピー・エスの経営戦略は、PC工法における技術優位性を活かした事業展開と、インフラの老朽化・長寿命化ニーズへの対応に重点を置いています。中期経営計画の具体的な内容は提供されていませんが、決算短信からは土木事業の好調が伺え、これは日本の社会インフラに対する投資が継続していることを示します。特に、橋梁や道路の維持補修・更新、耐震化に対する需要は今後も堅調に推移すると見られます。
直近の重要な適時開示としては、2026年3月期第3四半期決算短信が挙げられます。同短信では、売上高は微減(前年同期比△2.6%)ながらも、営業利益は971百万円(前年同期比+175.8%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は571百万円(前年同期比+193.7%)と大幅な増益を達成しました。通期予想に対する進捗率も売上高66.8%、営業利益69.9%、純利益73.2%と順調に進捗しています。特に土木事業が堅調であり、受注高も前年同期比+8.4%と増加しており、今後の業績への期待が高まります。
また、九州小竹工場のリニューアルを進めていることが示唆されており、生産体制の強化を通じた効率性向上や新技術導入への意欲が見られます。
提供されたデータでは「今後のイベント」として、2026年3月30日にEx-Dividend Date(配当の権利落ち日)が予定されています。これは株主還元に関わる重要な日程であり、株価に影響を与える可能性があります。
なお、決算説明資料に関する訂正開示があった点については留意が必要です。2026年3月期第2四半期決算説明資料における「セグメント別業績サマリー 受注高の推移」の図表に誤表記があったというものであり、主要財務数値自体に影響はなかったものの、開示情報の正確性に関するガバナンス上の懸念として認識しておくべきでしょう。同社は速やかに訂正資料をウェブサイトに掲載しており、透明性への対応は行っています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
Piotroski F-Scoreは、企業の財務健全性、収益性、効率性を9つの基準で評価する指標です。スコアが高いほど財務状況が良好とされます。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 5/9 | A: 良好(全体的に健全だが一部改善余地あり) |
| 収益性 | 2/3 | 純利益とROAは良好だが、営業キャッシュフローに課題あり |
| 財務健全性 | 2/3 | 負債状況と株式希薄化は良好だが、流動比率に課題あり |
| 効率性 | 1/3 | ROEは良好だが、営業利益率と四半期売上成長率に課題あり |
解説:
- 収益性: 純利益およびROA(総資産利益率)はプラスであり、企業が利益を生み出す能力があることを示しています。しかし、営業キャッシュフローが過去3期連続でマイナスとなっている点は、本業で安定した現金を生み出せていない可能性があり、改善が求められます。
- 財務健全性: 負債資本比率(D/Eレシオ)が1.0未満であること、および株式の希薄化がないことから、財務レバレッジや既存株主への影響は抑制されています。しかし、流動比率が1.5倍を下回っており、短期的な支払能力にはやや懸念があります。
- 効率性: ROE(自己資本利益率)は非常に高い水準ですが、営業利益率が低いこと、および直近の四半期売上高成長率がマイナスであることから、本業の収益力と成長の勢いには改善の余地があると考えられます。ただし、四半期売上高成長率は過去12ヶ月の実績と直近四半期短信の数値に差があるため、慎重な判断が必要です。
【収益性】
- 営業利益率(過去12か月): 0.89%
- この数値は非常に低い水準であり、本業において売上に対する利益の割合が小さいことを示しています。これは建設業特有の特性(変動費の高さ、競争環境など)も影響している可能性がありますが、改善が求められる点です。ただし、2026年3月期第3四半期決算短信では、累計営業利益が前年同期比+175.8%と大幅に改善しており、今後の利益率改善に期待が持てます。
- ROE(自己資本利益率、過去12か月): 22.33%
- ベンチマークの10%を大きく上回る非常に優良な水準です。これは株主資本を効率的に活用して利益を生み出していることを示します。ROEが高い主な要因は、負債を活用したレバレッジ効果や、直近の異常なまでの純利益の増加にあります。
- ROEの推移: 2023年3月期に1.25%まで落ち込んだ後、2024年3月期に4.08%、2025年3月期に19.26%と急回復しており、直近12か月ではさらに改善していることが分かります。
- ROA(総資産利益率、過去12か月): 2.53%
- ベンチマークの5%を下回っており、総資産を効率的に活用して利益を生み出す能力には改善の余地があります。ROEが高い一方でROAが低いのは、自己資本比率が比較的低い(有利子負債が大きい)ことによる財務レバレッジが効いているためと考えられます。
【財務健全性】
- 自己資本比率(2025年3月期連結実績): 32.6%
- 直近四半期末(2025年12月31日)では34.6%とわずかに改善しています。建設業界では一般的に30-40%台も珍しくなく、極端に低い水準ではありませんが、財務体質をさらに強化するためには50%以上を目指したいところです。
- 流動比率(直近四半期): 1.18倍
- 短期的な支払能力を示す流動比率は、一般的な目安である200%(2倍)を下回っています。これは、短期債務に対する流動資産の比率が低く、短期的な資金繰りに潜在的な懸念がある可能性を示唆します。ただし、建設業においては受注から竣工までのプロジェクト期間が長く、未成工事支出金などが流動資産に含まれるため、一概に比較できない側面もあります。
【キャッシュフロー】
- 営業キャッシュフロー(営業CF):
- 2023年3月期: -1,162百万円
- 2024年3月期: -1,086百万円
- 2025年3月期: -2,334百万円
- 過去3期連続でマイナスとなっており、本業で十分なキャッシュを生み出せていない状況が継続しています。これは運転資金の増加や仕掛工事の増加が影響している可能性があります。
- フリーキャッシュフロー(FCF):
- 2023年3月期: -2,262百万円
- 2024年3月期: -2,543百万円
- 2025年3月期: -633百万円
- FCFも過去3期連続でマイナスです。営業CFのマイナスに加え、投資活動によるキャッシュアウトフローが大きいためです。ただし、2025年3月期はマイナス幅が大幅に縮小しており、改善の兆しが見られます。投資活動は将来の成長に必要な設備投資や事業投資である可能性もありますが、FCFが恒常的にマイナスであると、借入や増資などで資金を調達する必要があり、財務的な負担が増加する可能性があります。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: 2025年3月期の連結純利益は2,187百万円に対し、営業CFは-2,334百万円です。比率はマイナスとなり、1.0未満どころかマイナスであることから、利益の質には大きな懸念があります。これは、計上されている利益が実際のキャッシュフローを伴っていないことを意味し、将来的な資金繰り悪化のリスクを示唆しています。ただし、純利益には特殊要因(特別利益2,308百万円など)が含まれているため、本業のキャッシュ創出能力を示す営業利益との比較も重要です。過去12か月の営業利益は1,830百万円、経常利益は4,000百万円と大幅改善していますが、それでも営業CFのマイナスは看過できません。
【四半期進捗】
2026年3月期第3四半期決算短信(連結)によると、通期予想に対する進捗率は以下の通りです。
- 売上高: 66.8%(通期予想35,190百万円に対し、累計23,494百万円)
- 営業利益: 69.9%(通期予想1,390百万円に対し、累計971百万円)
- 純利益: 73.2%(通期予想780百万円に対し、累計571百万円)
売上高は前年同期比△2.6%と減少していますが、これは過去12か月のQuarterly Revenue Growth(前年比)-17.00%とは異なる数字であり、最新の短信の数値がより実態に近いと考えられます。営業利益および純利益は前年同期比でそれぞれ+175.8%、+193.7%と大幅な増益を達成しており、通期予想に対して進捗は順調であると言えます。特に利益面での進捗が好調であり、通期での業績上振れの可能性も示唆しています。
セグメント別では、土木事業の売上高が前年同期比+2.9%、セグメント利益が+25.7%と非常に堅調に推移しています。一方、建築事業は売上高が△12.7%と減少していますが、セグメント利益は+32.0%と増益を確保しており、利益構造の改善が見られます。
【バリュエーション】
- PER(株価収益率、会社予想): 13.25倍。
- これは株価が1株当たり純利益の何倍かを示す指標で、「株価が利益の何年分か」と解釈されます。同業他社のPER平均が11.3倍であるため、富士ピー・エスのPERは業界平均と比較してやや割高な水準と言えます。しかし、近年の大幅な利益回復と成長率を考慮すると、将来の利益成長が期待され、ある程度評価されていると考えることもできます。
- PBR(株価純資産倍率、実績): 0.82倍。
- これは株価が1株当たり純資産の何倍かを示す指標で、1倍未満は企業の解散価値を下回る状態と解釈されることが多いです。業界平均の0.7倍を上回りますが、依然としてPBR1倍割れの状態であり、市場が同社の持っている純資産価値を十分に評価していない、あるいは事業再編や成長戦略に対する期待がまだ低い可能性を示唆しています。企業改善への取り組みや情報開示の強化により、PBR1倍超えを目指す動きに注目が集まります。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | MACD値: -15.73 / シグナル値: -8.67 | デッドクロス状態に近く、短期的な下降トレンド継続の可能性 |
| RSI | 中立 | 41.1% | 買われすぎでも売られすぎでもない、中立的な水準 |
| 5日線乖離率 | – | -0.58% | 直近の株価は移動平均線をやや下回る |
| 25日線乖離率 | – | -9.59% | 短期的なトレンドから大きく下方に乖離しており、下降圧力が見られる |
| 75日線乖離率 | – | -2.63% | 中期的なトレンドからやや下方に乖離 |
| 200日線乖離率 | – | +6.74% | 長期的なトレンドは依然として上昇基調にある |
MACDがシグナルラインを下回るデッドクロス状態に近く、短期的な下落トレンドへの警戒が必要です。RSIは中立圏にあり、売買の偏りは見られません。移動平均線を見ると、株価は5日移動平均線、25日移動平均線、75日移動平均線を下回っており、短中期的な下降トレンドが示唆されます。しかし、200日移動平均線は大きく上回っており、長期的な目線では依然として上昇トレンドが継続していると判断できます。
【テクニカル】
現在の株価585.0円は、52週高値854.0円と52週安値390.0円の中間(レンジ内42.0%)に位置しています。年初から見ると大幅に上昇しているものの、ここ最近は調整局面に入っているようです。
移動平均線との関係では、現在の株価は5日移動平均線(588.40円)、25日移動平均線(647.08円)、75日移動平均線(600.79円)を全て下回っています。これは、短期から中期にかけての株価モメンタムが弱含んでいることを示唆します。特に25日移動平均線からの乖離率-9.59%は、短期的な下落圧力が強いことを示しています。一方で、200日移動平均線(549.60円)は株価を下回っており、長期的な視点で見ればまだ上昇トレンドを維持していると捉えられます。直近10日間の株価履歴では、高値を更新する勢いが失われ、特に直近2日間で下落していることが分かります。
【市場比較】
日経平均やTOPIXとの相対パフォーマンスを見ると、月次では両指数を下回っていますが、3ヶ月および1年間の期間では市場平均を上回るパフォーマンスを示しています。
- 1ヶ月リターン: 株式-18.41% vs 日経平均-6.65%(11.76%ポイント下回る)、TOPIX-5.87%(12.54%ポイント下回る)。直近1ヶ月は市場全体の下落相場と比較しても、同社の株価は相対的に大きく下落しました。
- 3ヶ月リターン: 株式+7.93% vs 日経平均+6.40%(1.53%ポイント上回る)、TOPIX+7.23%(0.70%ポイント上回る)。3ヶ月で見ると、市場平均をわずかに上回るパフォーマンスを示しており、中期的には堅調に推移していたことが伺えます。
- 1年リターン: 株式+43.73% vs 日経平均+42.43%(1.30%ポイント上回る)、TOPIXはデータなし(S&P 500は+17.58%とあるが、日本の市場指数と比較)。1年間で見ると、日経平均とほぼ同水準の好パフォーマンスを達成しており、特に長期的な成長期待が株価に反映されていると考えられます。
【注意事項】
⚠️ 信用倍率が5.7倍と高水準です。将来の売り圧力に注意が必要です。
現在株価がPBR1倍未満であることと、高水準の利益を計上していることから、バリュートラップの可能性は低いと考えられますが、信用取引残高の動向には引き続き注意が必要です。
【定量リスク】
- ベータ値(5Y Monthly): 0.26
- ベータ値が1.0を下回る場合、市場全体(例: TOPIX)が変動する際に、その銘柄の株価は市場よりも小幅に変動する傾向があることを示します。0.26という非常に低いベータ値は、同社の株価が市場全体の動きに比較的連動しにくい、すなわち市場変動に対する感応度が低い特性を持つことを示しています。これは、公共事業という安定した需要に支えられている事業構造が影響していると考えられます。
- 年間ボラティリティ: 27.22%
- この値は過去1年間の株価変動の大きさを表します。27.22%というボラティリティは、日本の株式市場全体と比較して中程度の変動性を示すと考えられます。比較的変動が穏やかな銘柄ではありますが、投資にあたっては株価が上下に変動する可能性を認識しておく必要があります。
- 最大ドローダウン: -53.41%
- これは過去の一定期間で、株価がピークから最も下落した割合を示します。-53.41%という数値は、仮にこの銘柄に100万円を投資した場合、過去の最悪のケースでは、評価額が約46.59万円まで大きく減少する可能性があったことを意味します。今後も同様の規模の下落は発生しうるため、このリスクを許容できるかを考慮する必要があります。
- シャープレシオ: -0.35
- シャープレシオは、リスク1単位あたりどれだけのリターンが得られたかを示す指標です。通常、1.0以上が良好とされますが、-0.35というマイナスの値は、過去の一定期間において、リスクに見合ったリターンが得られず、むしろリスクをとったことによる損失が発生している状態を示します。年間平均リターンが-9.06%であることも、このマイナスシャープレシオの背景にあると考えられます。この指標は過去の実績に基づくものであり、将来を保証するものではありませんが、投資判断においては慎重な検討が必要です。
【事業リスク】
- 公共投資の動向と競合環境: 主力である土木事業は公共投資に大きく依存しており、政府の財政状況や政策によって受注環境が変動するリスクがあります。また、PC工法における技術力は高いものの、同業他社との競争は常に存在し、価格競争や工事能力の確保が課題となる可能性があります。
- 資材価格・人件費の高騰と人手不足: 建設業界全体で鋼材、セメントなどの資材価格や運送費、人件費の高止まりが続いており、これが工事原価を押し上げ、利益率を圧迫するリスクがあります。また、建設技能者の高齢化と若手入職者の減少による人手不足も、工期遅延やコスト増加につながる可能性があります。
- 自然災害および経済情勢の変化: 日本は地震や台風などの自然災害が多く、これにより工事の中断や計画の見直しが生じる可能性があります。また、景気変動や金利上昇(特に短期借入金が大きい場合)も、企業の資金調達コストや事業計画に影響を与える可能性があります。
7. 市場センチメント
市場センチメントは、投資家全体の心理や特定の銘柄に対する期待感を反映します。
- 信用取引状況:
- 信用買残が104,300株であるのに対し、信用売残は18,300株です。この結果、信用倍率は5.70倍と高水準にあります(前週比で買残は減少し、売残は増加傾向にあります)。信用倍率が高いということは、将来的に株価下落局面で多くの信用買いの決済売り(ロスカットなど)が出る可能性があるため、株価の上値が重くなったり、下落圧力が強まったりするリスクがあることを示しています。
- 主要株主構成:
- 提供データでは、大株主として太平洋セメント(17.32%)、住友電気工業(12.81%)、日本マスタートラスト信託銀行(九州電力及び九州電力送配電退職給付信託口)(12.41%)などが名を連ねています。これら上位株主は、事業パートナーや安定株主(信託銀行)が多く、安定的な株主構成と言えます。また、「% Held by Insiders 1: 40.68%」とあるように、役員・関係者による持ち株比率が高いことも、経営陣と株主の利益が一致しやすいという点でポジティブな側面があります。一方で、「% Held by Institutions 1: 1.40%」と機関投資家の保有比率が低い点は、今後の市場からの評価向上余地があるとも考えられます。
8. 株主還元
- 配当利回り(会社予想): 2.39%
- 現在の株価585円で計算すると、年間配当金14.00円に対して2.39%のリターンが見込まれます。これは、投資家にとって一定の収入源となる水準であり、魅力的です。
- 1株配当(会社予想): 14.00円
- 2026年3月期は前期の13.00円から1円の増配を予定しており、株主を意識した経営姿勢が見られます。過去の配当履歴を見ても、近年は増配基調にあり、安定的な株主還元を目指していることが伺えます。
- 配当性向(2025年3月期): 10.5%
- 2025年3月期の配当性向は10.5%と非常に低い水準にあります。一般的な配当性向は30%~50%程度とされることが多いため、これは特異な数値です。同社は2025年3月期に特損の影響を除いたNet Incomeが非常に大きく(21.87億円)、この異常とも言える純利益に対しての配当性向とみられます。そのため、この値のみで判断することは適切ではありません。もし仮に純利益が平常値に戻った場合は、配当性向も大きく変化すると考えられます。2026年3月期の会社予想EPSが44.16円、1株配当が14.00円であることを考慮すると、2026年3月期の予想配当性向は約31.7%となり、これにより一般的な水準へ回帰する見込みです。
- 自社株買いの状況: 提供データに自社株買いに関する明確な情報はありません。ただし、主要株主構成に「自社(自己株口)」として3.18%(591,500株)の保有が記載されており、過去に自社株買いを実施した実績があることを示唆しています。
SWOT分析
強み (Strengths)
- 高度なPC工法技術と長年の実績により、橋梁や道路、耐震補強など専門性の高いインフラ事業で優位性を確立している。
- 建設業の中でも安定的な公共事業需要に支えられ、特に老朽化対策や更新需要を背景に持続的な事業展開が期待できる。
弱み (Weaknesses)
- 営業キャッシュフローが3期連続でマイナスであり、本業で安定した現金を創出できておらず、資金繰り面で潜在的な懸念がある。
- 流動比率が低いこと、および営業利益率が低いことから、短期的な財務健全性と本業の収益性に課題を残している。
機会 (Opportunities)
- 日本の社会インフラの老朽化に伴う維持・更新・長寿命化工事の需要は中長期的に堅調に推移することが見込まれる。
- 防災・減災意識の高まりに伴う耐震補強工事やPCタンクなどの特殊構造物需要の拡大。
脅威 (Threats)
- 資材価格の高騰、人件費の上昇、労働力不足が事業コストを押し上げ、利益率を圧迫するリスク。
- 公共事業予算の削減や景気変動、政策金利の上昇など、マクロ経済環境の変化が受注環境や財務に悪影響を及ぼす可能性。
この銘柄が向いている投資家
- 日本の社会インフラ関連銘柄に長期で投資したい意向の投資家: 安定した公共事業需要と専門技術に基づく競争優位性に魅力を感じる投資家。
- 高ROEかつ増配傾向にある銘柄を評価する投資家: 直近のROEの高さと、株主還元への意欲を評価する投資家。
この銘柄を検討する際の注意点
- キャッシュフローの改善状況: 営業キャッシュフローが長期にわたってマイナスである点は、今後の設備投資や事業拡大を支える上で重要な課題です。キャッシュフローの推移と改善策に注目が必要です。
- バリュエーションと市場の評価: PBR1倍割れが続く中で、市場が同社の企業価値を十分に評価しきれていない可能性があります。今後の成長戦略や株主還元策が市場にどう受け止められるかを注視する必要があります。
今後ウォッチすべき指標
- 営業キャッシュフローの黒字転換: 本業での着実なキャッシュ創出力の回復を示し、財務健全性の向上につながる重要な指標です。
- 受注残高の推移: 受注高は堅調ですが、受注残高の推移は将来の売上高と利益の目安となります。決算短信で言及がなかったため、次の開示で注目すべきです。
- 流動比率の改善: 短期的な支払能力の安定化には、流動比率の改善(1.5倍、可能であれば2倍以上への回復)が望まれます。
成長性: A (良好な成長期待)
- 根拠: 売上高は漸増傾向にあり、2025年3月期には大きく伸長しています。2026年3月期も増収予想で、特に土木事業の受注高が前年同期比で+8.4%と好調です。営業利益、純利益ともに直近四半期で大幅な増益を達成しており、高い成長期待があります。ただし、四半期ベースでの売上成長率がマイナスとなっている点には留意が必要ですが、これは過去12か月の数値と最新の四半期短信の数値とのズレによる影響が大きいと判断できます。
収益性: S (非常に優良)
- 根拠: 過去12ヶ月のROEは22.33%と、ベンチマークの15%を大きく上回る非常に優良な水準です。これは株主資本を効率的に活用し、高い利益を上げていることを示します。ただし、営業利益率が0.89%と低い点は、本業の収益性には依然として改善の余地があることを示唆しています。直近の決算短信では営業利益が大幅に改善しているため、今後の利益率向上が期待されます。
財務健全性: C (やや不安)
- 根拠: 自己資本比率は32.6%(直近3Qで34.6%)で建設業としては標準的ですが、流動比率が1.18倍と短期的な支払能力に不安が残ります。また、Piotroski F-Scoreの財務健全性スコアが2/3にとどまっている点、そして過去3期連続で営業キャッシュフローがマイナスである点は、財務体質の改善が必要であるとの評価につながります。有利子負債も大きく、D/Eレシオは99.10%とやや高く、負債依存度が高い状況です。
バリュエーション: B (適正水準)
- 根拠: PERは13.25倍で業界平均の11.3倍をやや上回り、PBRは0.82倍で業界平均の0.7倍をやや上回っています。PBRが1倍を下回ることは、会社解散価値と比較して割安であることを示しますが、業界平均比では割安度が薄れている状態です。高ROEや成長性への期待が株価に反映されつつあるものの、まだ割安感も残ることから、適正水準と評価できます。
企業情報
| 銘柄コード | 1848 |
| 企業名 | 富士ピー・エス |
| URL | http://www.fujips.co.jp/ |
| 市場区分 | スタンダード市場 |
| 業種 | 建設・資材 – 建設業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 585円 |
| EPS(1株利益) | 44.16円 |
| 年間配当 | 2.39円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 19.8% | 15.2倍 | 1,659円 | 23.5% |
| 標準 | 15.2% | 13.2倍 | 1,188円 | 15.6% |
| 悲観 | 9.1% | 11.3倍 | 770円 | 6.1% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 585円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 600円 | ○ 3%割安 |
| 10% | 749円 | ○ 22%割安 |
| 5% | 946円 | ○ 38%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ピーエス・コンストラクション | 1871 | 2,863 | 1,359 | 15.99 | 2.13 | 14.6 | 3.80 |
| オリエンタル白石 | 1786 | 391 | 542 | 16.22 | 0.96 | 6.5 | 3.70 |
| ビーアールホールディングス | 1726 | 529 | 242 | 11.11 | 1.56 | 14.5 | 1.51 |
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