企業の一言説明
アルプス技研は技術者派遣サービスで国内大手の一角を占め、電子、精密、自動車分野の試作請負に強みを持つ情報通信・サービスその他業界の企業です。
総合判定
堅実な成長と高配当を両立する優良企業
投資判断のための3つのキーポイント
- 高い財務健全性: Piotroski F-Scoreで満点の9/9点を獲得しており、盤石な財務基盤を誇ります。
- 安定した収益性と高配当: ROE20%超、営業利益率10%超と高い収益性を維持しつつ、配当利回りは4.20%と高水準です。
- 多角化と新領域への挑戦: 技術者派遣に加え、介護、農業、ロボット開発、グローバル事業など新領域への展開で持続的成長を目指しています。
企業スコア
| 観点 | スコア | 判定理由 |
|---|---|---|
| 成長性 | B | 継続的な売上高成長を見込めるため |
| 収益性 | A | 高いROEと安定した営業利益率のため |
| 財務健全性 | S | 盤石な自己資本比率とF-Score満点のため |
| バリュエーション | B | PERは割安もPBRは割高な水準のため |
注目指標サマリー
| 指標 | 値 | 業界平均比 |
|---|---|---|
| 株価 | 2574.0円 | – |
| PER | 13.0倍 | 業界平均17.0倍 |
| PBR | 2.48倍 | 業界平均1.8倍 |
| 配当利回り | 4.20% | – |
| ROE | 20.40% | – |
1. 企業概要
アルプス技研は、技術者派遣を核とする総合人材サービス企業です。電子、精密、自動車分野を中心に、高度な技術力を要する試作・開発支援に強みを持っています。受託開発、職業紹介に加え、看護・介護、農業、ロボット開発、プラント設備設計など多角的な事業を展開し、高い専門性と質の高い人材育成で収益モデルを確立しています。
2. 業界ポジション
技術者派遣業界において大手の一角を占めるアルプス技研は、高度な専門知識を持つ技術者を多数擁し、安定した顧客基盤を築いています。特定分野への特化と、介護や農業、グローバル事業といった新領域への展開により、競合他社に対する差別化を図り、景気変動に左右されにくい強固な事業構造を構築しています。
3. 経営戦略
アルプス技研は、既存の技術者派遣事業を磐石な基盤としつつ、新収益柱の育成とグローバル事業の拡大を成長戦略の要としています。サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)事業や航空宇宙分野への進出、ロボット開発など最先端技術分野への挑戦を通じて、持続的な成長モデルを追求。2026年12月期は売上高555億円、営業利益57億円の増収増益を計画しており、積極的な事業展開が期待されます。また、2026年6月29日に配当の権利落ち日(Ex-Dividend Date)が予定されています。
【財務品質チェックリスト】Piotroski F-Score
Piotroski F-Scoreは、企業の財務健全性を9つの指標で評価するスコアです。7点以上は優良とされます。
| 項目 | スコア | 判定 |
|---|---|---|
| 総合スコア | 9/9 | S: 財務優良(収益性・健全性・効率性すべて良好) |
| 収益性 | 3/3 | 純利益、営業キャッシュフロー、ROAが全てプラスで優良な収益性を示しています。 |
| 財務健全性 | 3/3 | 流動比率が高く、負債比率が低いなど、財務的な安全性が極めて高い状態です。 |
| 効率性 | 3/3 | 営業利益率とROEが高く、四半期売上成長率もプラスと、資産運用効率が優れていることを示します。 |
アルプス技研のPiotroski F-Scoreは9/9点と満点であり、極めて高い財務品質を誇ります。収益性、財務健全性、効率性の全ての観点において優れており、企業として非常に強固な基盤を持っていると言えます。これは安定した事業運営と持続的な成長を期待できる重要な要素です。
【収益性】
- 営業利益率: 10.22%。本業で稼ぐ力が業界平均と比較しても良好な水準です。
- ROE (Return on Equity): 20.40%。株主資本を効率的に活用し、高い利益を生み出している優良な指標です。(一般的な目安は10%以上)
- ROA (Return on Assets): 11.76%。企業が総資産をどれだけ効率的に利用して利益を上げているかを示し、5%を大きく上回る優良な水準です。
【財務健全性】
- 自己資本比率: 69.5%。企業の負債が少なく、自己資本でどれだけ賄われているかを示す指標であり、非常に高く、財務基盤が極めて強固であることを表します。
- 流動比率: 2.69倍。短期的な支払い能力を示す指標で、200%(2倍)を大きく上回っており、短期的な資金繰りに全く問題がない、非常に健全な状況です。
【キャッシュフロー】
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) | フリーCF(百万円) |
|---|---|---|---|---|
| 2025.12 | 3,373 | -242 | -2,469 | 3,131 |
| 過去12か月 | 3,370 | データなし | データなし | 2,590 |
アルプス技研の営業キャッシュフロー(営業CF)は継続してプラスを維持しており、本業で安定的に現金を創出していることを示します。設備投資などを賄った後に残る自由に使える現金(フリーCF)も潤沢に発生しており、企業の成長投資や株主還元に充てる余力が十分にあると言えるでしょう。
【利益の質】
- 営業CF/純利益比率: 0.85。この比率が1.0以上だと利益の大部分がキャッシュとして裏付けられていることを意味します。アルプス技研は1.0を下回っていますが、概ね健全な範囲であり、利益の質は「普通」と評価できます。
【四半期進捗】
2025年12月期の売上高は前年同期比で5.6%、営業利益は4.6%増加しました。2026年12月期の通期予想では、売上高555億円(前年同期比+5.4%)、営業利益57億円(前年同期比+5.6%)と、引き続き堅調な増収増益を見込んでいます。
【バリュエーション】
- PER (株価収益率): 13.0倍。株価が利益の何年分かを示す指標で、業界平均の17.0倍と比較して割安な水準にあります。
- PBR (株価純資産倍率): 2.48倍。株価が純資産の何倍かを示す指標で、業界平均の1.8倍と比較すると割高な水準です。これは、アルプス技研の高い収益性や成長期待が織り込まれている可能性を示唆します。
【テクニカルシグナル】
| 指標 | 状態 | 数値 | 解釈 |
|---|---|---|---|
| MACD | 中立 | データなし | 短期トレンド方向を示す |
| RSI | 中立 | データなし | 70以上=過熱、30以下=売られすぎ |
| 5日線乖離率 | – | -0.49% | 直近のモメンタム |
| 25日線乖離率 | – | -0.67% | 短期トレンドからの乖離 |
| 75日線乖離率 | – | -2.08% | 中期トレンドからの乖離 |
| 200日線乖離率 | – | -5.05% | 長期トレンドからの乖離 |
現在株価は全ての移動平均線を下回っており、短期から中長期にわたる下降トレンドが示唆されています。MACDやRSIは中立を示しており、明確な売買シグナルは出ていません。
【テクニカル】
現在の株価2,574.0円は、52週高値3,170.00円から約18.8%下方に位置し、52週安値2,494.00円からは約3.2%上方に位置しています。直近の株価は全ての移動平均線(5日、25日、75日、200日)を下回って推移しており、株価は調整局面にあると考えられます。
【市場比較】
日経平均との相対パフォーマンスは以下の通りです。
| 期間 | 当銘柄 | 日経平均 | 差 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | +1.42% | +15.21% | -13.79%pt |
| 3ヶ月 | -4.84% | +10.76% | -15.60%pt |
| 6ヶ月 | -2.83% | +26.69% | -29.52%pt |
| 1年 | +13.14% | +87.14% | -74.00%pt |
アルプス技研の株価は、全ての期間において日経平均を大きく下回るパフォーマンスとなっており、市場全体の強い上昇トレンドに乗れていない状況が見られます。
6. リスク評価
注意事項: 信用倍率4.12倍と高く、将来的な売り圧力に注意が必要です。過去には最大ドローダウン-85.22%と、非常に大きな下落を経験しており、その回復には長期間を要しました。
基本リスク指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 年間ボラティリティ | 23.48% | ○普通 | 1年間でどれくらい価格がブレるか |
| 最大ドローダウン | -85.22% | ▲注意 | 過去最悪の下落率。この程度は今後も起こりうる |
| シャープレシオ | 0.17 | △やや注意 | リスクを取った分だけリターンが得られているか |
リスク効率指標
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| ソルティノレシオ | 0.56 | △やや注意 | 下落リスクだけで見たリターン効率 |
| カルマーレシオ | 0.15 | ▲注意 | 最大下落からの回復力 |
市場連動性
| 指標 | 値 | 判定 | ひとことメモ |
|---|---|---|---|
| 市場相関 | 0.54 | ◎良好 | 日経平均とどれだけ連動するか |
| R² | 0.29 | – | 値動きのうち市場要因で説明できる割合 |
【ポイント解説】
アルプス技研の株価は、年間ボラティリティが23.48%と「普通」の水準ですが、過去には-85.22%という非常に大きな下落(最大ドローダウン)を経験しており、再び同様のリスクが顕在化する可能性は否定できません。リスクをとった際のリターン効率を示すシャープレシオやソルティノレシオも「やや注意」レベルであり、最大下落からの回復力を示すカルマーレシオは「注意」レベルであることから、リターンを得るためには比較的大きなリスクを許容する必要があります。市場との相関は0.54と「良好」で、市場全体の影響をある程度受けつつも、独自の要因も株価に影響を与えます。現在のボラティリティは過去1年で「低」水準にあり、比較的値動きは穏やかですが、歴史的な下落リスクはその背景として常に意識すべきでしょう。
【投資シミュレーション】
> 仮に100万円投資した場合: 年間で±30万円程度の変動が想定されます。
> 分散投資の目安: ポートフォリオの3%程度が目安です。
> ※これらは過去データに基づく参考値であり、将来の成果を保証するものではありません。投資助言ではありません。
【事業リスク】
- 景気変動とIT投資動向: 主要顧客である製造業の景気変動や企業のIT投資抑制は、技術者派遣需要に直接影響を与えます。
- 人材確保と人件費: 優秀な技術者の確保競争が激化すると、人件費の高騰や派遣単価の価格競争により収益性が圧迫されるリスクがあります。
- 新規事業の不確実性: 介護、農業、ロボット開発など多角化を進める新規事業が、期待通りの成長や収益貢献を果たせない可能性があります。
7. 市場センチメント
信用取引状況を見ると、信用買い残が34,200株、信用売り残が8,300株で、信用倍率は4.12倍となっています。買い残が売り残を大きく上回っており、将来的に買い方が利益確定売りを出した場合、株価にとって売り圧力となる可能性を秘めています。
主要株主構成は以下の通りです。
- 自社従業員持株会: 10.17%
- 日本マスタートラスト信託銀行(その他信託口): 6.56%
- 自社(自己株口): 5.45%
8. 株主還元
アルプス技研は、配当利回り4.20%と高水準の株主還元を実施しています。2025年12月期の配当性向は53.3%であり、利益の半分以上を配当に回しているものの、安定した利益成長と堅固な財務基盤を考慮すると、現時点では健全な範囲内で持続可能性が高いと言えるでしょう。2026年12月期の配当も年間108円を予想しており、安定的な配当維持への意欲が伺えます。自社株買いに関する直近のデータは提供されていません。
SWOT分析
| 分類 | 項目 | 投資への示唆 |
|---|---|---|
| 💪 強み | 財務健全性S 高い収益性(ROE20%超) |
安定した経営基盤が株価の底堅さに繋がる |
| ⚠️ 弱み | 市場との相対パフォーマンス劣後 PBRが業界平均より割高 |
市場全体の上昇に乗りにくい可能性がある |
| 🌱 機会 | 新規事業・グローバル事業の拡大 DX・AI技術者需要の高まり |
新たな収益源が企業価値向上を加速させる |
| ⛔ 脅威 | 景気後退による需要減 人材獲得競争の激化 |
外部環境悪化が業績に負の影響を与える |
この銘柄が向いている投資家
| 投資家タイプ | 相性が良い理由 |
|---|---|
| 安定配当を求める長期投資家 | 堅実な財務と高水準の配当利回りが期待できるため。 |
| 成長性も重視する中長期投資家 | 新領域やグローバル事業の成長性に期待できるため。 |
この銘柄を検討する際の注意点
- 市場との相対パフォーマンス: 日経平均を大きく下回る期間が長く、市場全体の上昇に乗り遅れる可能性があります。
- PBRの割高感とPERの割安感: 高い収益性に裏付けられたPBRの割高感とPERとのバランスを総合的に評価し、現在の株価が適正か見極める必要があります。
- 信用取引倍率の高さ: 信用買い残が多いことは、将来的な売り圧力が強まる可能性があり、需給面での動向を注視すべきです。
今後ウォッチすべき指標
| 指標 | 現状 | トリガー条件 | 注目理由 |
|---|---|---|---|
| 営業CF/純利益比率 | 0.85 | 1.0以上への改善 | 利益の質が改善し安定感が増すため |
| グローバル事業売上高成長率 | +14.9% | +20%以上の継続 | 新たな成長ドライバーとなるため |
| 信用倍率 | 4.12倍 | 2.0倍以下への改善 | 将来の売り圧力が軽減されるため |
企業情報
| 銘柄コード | 4641 |
| 企業名 | アルプス技研 |
| URL | http://www.alpsgiken.co.jp/ |
| 市場区分 | プライム市場 |
| 業種 | 情報通信・サービスその他 – サービス業 |
バリュー投資分析(5年予測・3シナリオ参考情報)
将来のEPS成長と配当を3つのシナリオ(楽観・標準・悲観)で予測し、現在の株価が割安かどうかを試算した参考情報です。
現在の指標
| 株価 | 2,574円 |
| EPS(1株利益) | 202.61円 |
| 年間配当 | 108.00円 |
シナリオ別5年後予測
各シナリオの成長率・PER前提と、それに基づく5年後の予測株価・期待リターンです。
| シナリオ | 成長率 | 将来PER | 5年後株価 | 期待CAGR |
|---|---|---|---|---|
| 楽観 | 4.0% | 14.9倍 | 3,681円 | 10.8% |
| 標準 | 3.1% | 13.0倍 | 3,062円 | 7.3% |
| 悲観 | 1.8% | 11.0倍 | 2,452円 | 3.3% |
目標年率別の理論株価(標準シナリオ)
標準シナリオに基づく参考値です。「理論株価」は、この価格以下で購入すれば目標年率リターンを達成できる可能性がある株価上限です。
現在株価: 2,574円
| 目標年率 | 理論株価 | 判定 |
|---|---|---|
| 15% | 1,817円 | △ 42%割高 |
| 10% | 2,269円 | △ 13%割高 |
| 5% | 2,863円 | ○ 10%割安 |
【判定基準】○X%割安:現在株価が理論株価よりX%低い / △X%割高:現在株価が理論株価よりX%高い
競合他社
| 企業名 | コード | 現在値(円) | 時価総額(億円) | PER(倍) | PBR(倍) | ROE(%) | 配当利回り(%) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| メイテックグループホールディングス | 9744 | 3,177 | 2,478 | 17.82 | 5.52 | 28.4 | 5.69 |
関連情報
証券会社
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