1. 企業情報
株式会社グローバルウェイは、クラウド型のプラットフォーム事業を主力とし、セールスフォースの導入支援、企業の口コミサイト「キャリコネ」運営を含むメディア事業、人材紹介を行うリクルーティング事業、そしてスキルシェアのマッチングプラットフォーム「TimeTicket」などを展開するシェアリング事業といった多角的なビジネスモデルを持つ企業です。データに基づくと、2025年3月期においてはプラットフォーム事業とシェアリング事業が事業構成のそれぞれ34%、33%を占め、主要な収益源となっています。
現在の代表取締役社長兼CEOは小山義一氏、取締役CFO兼CISOは伊藤享弘氏です。本社は東京都渋谷区に位置し、2004年に設立されました。従業員数は146名、平均年齢は39.5歳となっています。東京証券取引所のグロース市場に上場しており、情報・通信業に分類されます。
2. 業界のポジションと市場シェア
グローバルウェイは、デジタル変革(DX)支援、人材関連サービス、そしてシェアリングエコノミーといった複数の成長市場に事業を展開しています。
* DX支援領域: ITコンサルティングやクラウドソリューション構築支援(プラットフォーム事業、セールスフォース事業)を通じて、企業のDX推進を支援しています。総務省の調査ではDX推進における人材不足が課題とされており、同社のサービスは潜在的な市場ニーズに対応していると考えられます。
* 人材関連領域: 「キャリコネ」を通じた情報提供(メディア事業)やハイクラス人材紹介(リクルーティング事業)を展開しています。人材紹介市場全体は拡大傾向にありますが、特定スキルや業種における競争は厳しさを増している状況です。
* シェアリングエコノミー領域: 「TimeTicket」などのスキルシェアサービスやTikTok Live代理店活動を通じて、オンライン副業や働き方改革の中で拡大する市場の需要を取り込もうとしています。
同社の主要事業であるセールスフォース事業においては、大規模プロジェクトのトラブルにより収益性が悪化するという課題に直面しました。また、メディア事業の「キャリコネ」においては、Googleの検索アルゴリズム変更(コアアップデート)の影響によりサイト流入数が減少し、収益に影響が出ている状況です。特定の市場における具体的な市場シェアに関するデータは提供されていませんが、複数の事業領域で市場の動向や外部環境の変化への対応が求められています。
3. 経営戦略と重点分野
グローバルウェイは、直近で3期連続の営業損失を計上し、継続企業の前提に重要な疑義が生じている状況であると説明していますが、管理会計の浸透や事業領域ごとの収益改善によりこの状況の解消に取り組む方針を示しています。また、複数の金融機関との当座貸越契約により運転資金の資金繰りには懸念がないと判断しています。
各セグメントの具体的な戦略と重点分野は以下の通りです。
* プラットフォーム事業・セールスフォース事業: クライアントのDX推進支援を強化するとともに、エンジニアの採用・育成によるケイパビリティ(能力)拡大、デリバリー体制の構築・整備、プロジェクトの品質向上、そして収支管理の強化を通じて収益性の改善を目指しています。特に、セールスフォース事業で発生したトラブルの再発防止と信頼回復が重要と考えられます。
* メディア事業: Googleコアアップデートによる影響からの回復を目指し、継続的なSEO対策、掲載企業数および企業研究レポートの増加を通じた媒体力強化、販売推進体制の整備に注力しています。
* リクルーティング事業: コンサルタントの採用を強化し、大手事業会社への採用支援を通じて事業拡大を図りながら、コスト削減効果の維持を目指しています。
* シェアリング事業: 既存事業の推進に加え、TikTok Live代理店活動、CRiPTコンサルティング事業の営業活動に注力し、成長ドライバーとしての役割を強化していく方針です。
4. 事業モデルの持続可能性
グローバルウェイの事業モデルは、ITコンサルティング・開発支援、情報プラットフォーム、人材紹介、シェアリングエコノミーという、それぞれ異なる収益構造を持つ複数の事業で構成されています。
* IT関連事業(プラットフォーム・セールスフォース): デジタル変革(DX)が加速する市場環境において、企業のIT投資需要は堅調に推移することが見込まれ、継続的な事業機会が存在します。一方で、高品質なサービス提供とプロジェクトマネジメント能力が収益性に直接影響するため、大規模トラブルの再発防止と安定的なデリバリー体制の構築が持続可能性のカギとなります。
* メディア事業: 「キャリコネ」は就職・転職の口コミサイトとして一定の知名度を有していますが、Googleの検索アルゴリズム変更といった外部環境に収益が左右されるリスクがあります。継続的なSEO対策やコンテンツの拡充による媒体力強化が、中長期的な競争優位性を維持するために必要です。
* シェアリング事業: スキルシェアやライブ・エンタメ関連の支援を通じて、個人と企業のマッチングニーズに応えています。この分野は働き方の多様化やデジタル化の進展に伴い成長市場であり、ユーザー数の増加とサービス利用の活性化が持続的な成長に貢献する可能性があります。実際、2025年3月期にはシェアリング事業の売上高が大幅に増加し、セグメント利益に転換しています。
複数の事業を有することでリスク分散を図っている点は評価できますが、一部事業でのトラブルや外部環境の変化への対応が収益性に大きな影響を与えている現状が見られます。各事業の課題を着実に解決し、成長分野への投資を適切に行うことが、事業モデルの持続可能性を高める上で重要と考えられます。
5. 技術革新と主力製品
グローバルウェイは、直接的な研究開発に関する具体的な情報が詳細に示されてはいませんが、その事業内容からIT技術を活用したサービス提供が中心であることがうかがえます。
* クラウドソリューション: プラットフォーム事業やセールスフォース事業は、クラウドベースのシステム構築・運用支援を通じて企業のDXを推進しており、最新のクラウド技術やSaaS(Software as a Service)を活用していると考えられます。
* レコメンデーション・マッチング技術: メディア事業の「キャリコネ」やシェアリング事業の「TimeTicket」は、膨大な情報の中からユーザーのニーズに合った情報や人材、スキルを効率的にマッチングさせるプラットフォームであり、裏側にはデータ分析やマッチングアルゴリズムが活用されている可能性があります。
現在の収益を牽引している主力製品・サービスとしては、決算短信のセグメント別情報から、以下の点が挙げられます。
* シェアリング事業(TimeTicket、TikTok Live代理店活動、CRiPTコンサルティング事業): 2025年3月期において売上高が前期比225.5%増と大幅に伸長し、セグメント利益も黒字転換を果たしており、同社の成長ドライバーとなっています。
6. 株価の評価
現在の株価は215.0円です。各種指標を用いて株価の評価を行います。
* EPS(1株当たり利益): (会社予想) 1.48円
* PER(株価収益率): (会社予想) 145.27倍
* 現在の株価をもとに計算すると、215.0円 ÷ 1.48円 = 145.27倍となります。
* 同社が属する情報・通信業の業界平均PERが66.2倍であることと比較すると、非常に高い水準にあります。これは、市場が同社に対して将来的な高い利益成長を期待しているか、または現在の利益水準が相対的に低い状態で評価されていることを示唆しています。
* BPS(1株当たり純資産): (実績) 19.66円
* PBR(株価純資産倍率): (実績) 10.94倍
* 現在の株価をもとに計算すると、215.0円 ÷ 19.66円 = 10.93倍となります。
* 業界平均PBRが3.5倍であることと比較すると、非常に高い水準にあります。これは、同社の純資産価値に比べて株価が高く評価されていることを示唆しています。
これらの指標から、現在の株価は将来の業績回復と成長への期待が既に織り込まれている可能性が高いと見られます。
7. テクニカル分析
直近10日間の株価推移を見ると、本日(2025年7月17日)の終値は215円であり、過去数日間は概ね200円から220円台で推移しています。
* 年初来高値・安値: 年初来高値は364円、年初来安値は88円です。現在の株価215円は、年初来安値からは大きく上昇しているものの、年初来高値からは約40%低い水準にあります。
* 移動平均線:
* 50日移動平均線: 201.00円
* 200日移動平均線: 138.41円
* 現在の株価(215円)は、50日移動平均線および200日移動平均線の両方を上回っており、短期的なトレンドは上昇傾向にあることが示唆されます。
* 出来高: 本日の出来高は3,812,000株であり、直近10日間の平均出来高(10日平均: 1.68M株、3ヶ月平均: 4.51M株)と比較して高水準にあります。これは市場の関心が高いことを示唆します。
これらの情報から、現在の株価は年初来のレンジの中では中程度の水準に位置していますが、移動平均線からは上昇トレンドが見て取れます。ただし、直近の株価はボラティリティが高く、日中の値動きも大きい特性があります。
8. 財務諸表分析
グローバルウェイの過去数年分の損益計算書と財務指標を分析します。
* 売上高:
* 2022年3月期: 1,816百万円
* 2023年3月期: 1,748百万円
* 2024年3月期: 2,456百万円
* 2025年3月期(過去12か月): 3,071百万円
売上高は増加傾向にあり、特に2024年3月期以降は大きく伸長しています。直近の売上高成長率(前年比)は48.90%と高い水準です。
- 利益:
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営業利益:
- 2022年3月期: 136百万円(営業利益)
- 2023年3月期: △458百万円(営業損失)
- 2024年3月期: △380百万円(営業損失)
- 2025年3月期(過去12か月): △261百万円(営業損失)
2023年3月期以降3期連続で営業損失を計上していますが、損失幅は縮小傾向にあります。
* 親会社株主に帰属する当期純利益:
* 2022年3月期: 419百万円(純利益)
* 2023年3月期: △218百万円(純損失)
* 2024年3月期: △199百万円(純損失)
* 2025年3月期(過去12か月): △320百万円(純損失)当期純損失は2025年3月期に拡大しており、これはセールスフォース事業での大規模プロジェクトトラブルとメディア事業におけるGoogleコアアップデートの影響が主な要因として挙げられています。
* 収益性と効率性:
* 売上高営業利益率(過去12か月):△8.5%(2024年3月期は△15.5%)と改善傾向が見られます。
* ROE(実績):△36.41%(過去12か月では△21.55%)、ROA(過去12か月):△8.77%といずれもマイナスであり、収益性の課題を示しています。
* 粗利率(Gross Profit Margin):2025年3月期(過去12か月)は1,570百万円(売上高比約51%)。
* キャッシュフロー:
* 営業活動によるキャッシュフロー(過去12か月):△542百万円(前期は△505百万円)とマイナス幅が拡大しています。これは、事業活動による資金創出能力に課題があることを示唆しています。
* 投資活動によるキャッシュフロー(過去12か月):△23百万円(前期はプラス)であり、投資活動も資金流出側となっています。投資有価証券の売却収入があった前期からは状況が変化しています。
* フリーキャッシュフロー(過去12か月):△460百万円とマイナスです。
* 財務安全性:
* 自己資本比率(実績):40.4%(前期53.4%から低下)。一定水準は保たれていますが、純損失の継続により悪化傾向にあります。
* 現金及び現金同等物(直近四半期):559百万円。前期末の985百万円から減少しています。
* 総負債/自己資本比率(直近四半期):20.51%と低い水準にあります。
* 流動比率(Current Ratio)(直近四半期):2.69倍と高く、短期的な支払い能力は比較的安定していると考えられます。
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売上高は成長しているものの、利益面と営業キャッシュフローには課題が継続しています。2026年3月期には黒字転換が予想されていますが、その達成が今後の財務健全性向上に重要と考えられます。
9. 株主還元と配当方針
グローバルウェイは、会社予想および過去の実績において、配当を実施していません(配当利回り0.00%、1株配当0.00円)。配当性向も0.00%です。
現状では利益を計上できていないため、株主への配当による直接的な還元は行われておらず、業績回復と成長への投資を優先する方針であると考えられます。自社株買いに関する情報は提供されていません。
10. 株価モメンタムと投資家関心
- 株価モメンタム: 直近10日間の株価は200円台前半で推移しており、短期的にはレンジ内での動きが見られます。年初来安値88円から大きく上昇しており、50日および200日移動平均線を上回る水準で推移していることから、中長期的な上昇トレンドの勢いは維持されている状況と見られます。
- 投資家関心:
- 出来高: 本日の出来高は3,812,000株と活発であり、投資家の売買意欲が高いことを示唆しています。
- 信用取引: 信用買残が5,451,800株と非常に多く、信用売残が1,000株と極めて少ないため、信用倍率は5,451.80倍と非常に高い水準です。これは、株価上昇を期待する買い方が多数存在し、需給面では売却圧力となる可能性のある信用買い残が今後の動きに影響を与えることがあります。
- インサイダー・機関投資家保有割合: インサイダー保有割合が44.83%と高く、筆頭株主である代表者(各務正人氏)が41.84%を保有しています。機関投資家保有割合は3.23%と比較的小さいです。
- 株価への影響要因:
- 今後の四半期決算発表における業績の進捗、特に2026年3月期の黒字転換予想の達成状況が最も重要な要因となります。
- セールスフォース事業での大規模プロジェクトトラブルの解消、メディア事業におけるGoogleアップデート対策の効果発現など、各事業セグメントの課題克服状況。
- 成長ドライバーであるシェアリング事業のさらなる成長持続性。
- 信用買残の多さが、将来的な利益確定売りや追証による投げ売りにつながる可能性も考慮されます。
11. 総評
グローバルウェイは、DX支援、人材、シェアリングエコノミーといった成長市場で多角的な事業を展開しています。特にシェアリング事業は、近年の売上高の大部分を占め、高い成長率と利益貢献を示しており、今後の成長ドライバーとして期待されます。一方で、主要事業であるセールスフォース事業のトラブルやメディア事業における外部環境の変化(Googleアップデート)が、直近の3期連続営業損失と当期純損失の拡大につながっています。
財務面では、売上高は着実に成長しているものの、利益と営業活動によるキャッシュフローは依然としてマイナスであり、自己資本比率も低下傾向にあります。しかし、流動比率は高く、中期経営計画では各種事業の収益改善を通じて継続企業の前提に関する疑義の解消に取り組む方針が示されており、2026年3月期には黒字転換を見込んでいる点が注目されます。
株価は、現在の赤字決算にもかかわらず、会社予想PERが145倍超、PBRが10倍超と業界平均を大きく上回る高い水準で評価されています。これは、将来的な業績の回復と成長への強い期待が市場に織り込まれていることを示唆していると考えられます。テクニカル面では、年初来安値から上昇し、移動平均線も上回って推移しているものの、年初来高値からは距離があります。また、信用買残が非常に多く、今後の株価に与える需給面の影響も注視するポイントと言えるでしょう。
今後の焦点は、経営計画に沿った各事業の収益改善、特に大規模トラブルを抱える事業の再建と、高い成長を見せるシェアリング事業の継続的な拡大が実現できるか、そして計画通りの黒字転換を達成できるかにかかっていると考えられます。
企業情報
銘柄コード | 3936 |
企業名 | グローバルウェイ |
URL | http://www.globalway.co.jp/ |
市場区分 | グロース市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.0)」によって自動生成されました。
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