以下は株式会社ミロク情報サービス(証券コード:9928)の企業分析レポートです。
1. 企業情報
ミロク情報サービスは、東京証券取引所プライム市場に上場する情報・通信業の企業です。主な事業内容は、会計ソフトや統合業務ソフト(ERP)の開発・販売・コンサルティング、およびそれらの運用支援や保守サービスを提供しています。特に、会計事務所および日本の中堅・中小企業向けに強みを持つ大手ベンダーとして位置付けられています。近年は、収益モデルを従来の買い切り型からサブスクリプション型へと転換を加速させています。
2. 業界のポジションと市場シェア
ミロク情報サービスは、会計事務所や中堅・中小企業向けの会計・ERPソフトウェア市場において主要なプレイヤーの一つです。競争優位性としては、長年にわたり培ってきた顧客基盤と、税務・会計業務に関する深い専門知識が挙げられます。また、DX需要の拡大を背景に、コンサルティングサービスや多様なITソリューションを提供することで、顧客企業のデジタル変革を支援し、関係性を強化しています。一方で、クラウド会計ソフト分野における競争激化は継続的な課題であり、新技術への投資やサブスクリプション型ビジネスモデルへの迅速な移行が重要となります。
3. 経営戦略と重点分野
同社は、2024年5月に公表した「中期経営計画Vision2028」において、2028年度に連結売上高600億円、経常利益120億円、ROE18%超の達成を目指す経営目標を掲げています。
主な経営戦略・重点施策は以下の通りです。
* ビジネスモデル変革の加速: クラウド・サブスクリプション型サービスへの移行を推進し、安定的な収益基盤の構築を目指します。
* 新たな価値創造へのチャレンジ: 2026年3月期後半にはSaaS型の新ERP製品の提供を開始する予定であり、製品ラインアップの強化を図ります。
* MJS DXコンサルティングサービスの強化: 中小企業のDX推進を総合的に支援し、顧客との長期的な関係性を構築します。
* 統合型DXプラットフォーム事業の推進: グループ会社との連携を強化し、多様なサービスを提供することで、顧客の事業成長を支援します。
* M&Aグロース戦略: 連結子会社の吸収合併など、M&Aを活用した成長戦略も推進しています。
4. 事業モデルの持続可能性
ミロク情報サービスの事業モデルは、会計・税務分野という企業の根幹に関わる領域をサポートするため、景気変動の影響を受けにくい特性を持ちます。また、法令改正への対応が不可欠であるため、システム導入後は顧客との長期的な関係が築かれやすいという特徴があります。
近年注力するサブスクリプション型サービスへの移行は、安定した継続的収益(ストック収入)の増加に繋がり、収益基盤の持続可能性を高めます。実際に、サービス収入の好調な伸び、特にソフト使用料の大幅な増加(前年同期比33.3%増)は、このビジネスモデル転換が順調に進んでいることを示唆しています。国内のDX推進やIT導入補助金政策、人手不足によるIT投資需要の増加といった市場環境も、同社の事業には追い風となっています。
5. 技術革新と主力製品
同社は、会計・ERPソフトウェアの提供を核としながらも、技術革新に積極的に取り組んでいます。SaaS型新ERP製品の開発を進めるほか、DX人材育成、IT教育プログラム、さらにはAI音声サービスを活用した動画制作など、幅広いデジタル技術への対応力を高めています。
現在の主力製品は、会計事務所向けおよび中堅・中小企業向けのERP(統合業務ソフト)や会計ソフトです。これらに加えて、ソフトウェア使用料、運用支援、ハードウェア・ネットワーク保守サービスといった各種サービスが、安定した収益を牽引しています。
6. 株価の評価
現在の株価は1,816.0円です。
* PER(会社予想): 11.09倍
* PBR(実績): 1.86倍
情報・通信業の業界平均PERが約23.2倍、業界平均PBRが約2.3倍であることと比較すると、同社のPERおよびPBRは業界平均を下回っており、現在の株価は割安感がある可能性があります。会社予想のEPS(2026年3月期 163.71円)やBPS(2025年3月期実績 978.29円)を踏まえると、堅調な業績に対して株価が十分に評価されていない可能性も考えられます。
7. テクニカル分析
現在の株価1,816.0円は、52週高値2,018.0円、年初来高値2,011円と比較すると低い水準にあります。一方で、52週安値1,489.0円、年初来安値1,600円からは上昇しています。
移動平均線を見ると、50日移動平均線(1,799.54円)よりはわずかに上ですが、200日移動平均線(1,854.47円)よりは下に位置しています。これは、株価が長期的な下落トレンドの中にありながらも、短期的な反発の兆しを見せている状況を示唆しています。直近10日間の株価は1,753円~1,838円で推移しており、大きな方向感は出ていませんが、過去数か月の間のレンジ下限からは反発している状態です。
8. 財務諸表分析
- 売上高: 過去数年間一貫して増加傾向にあります。2025年3月期は46,160百万円(前年同期比5.0%増)となり、2026年3月期も49,000百万円(同6.2%増)と成長を見込んでいます。サービス収入の増加が全体の売上成長に貢献しています。
- 利益: 営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益も堅調に推移し、特に2025年3月期は増益となりました。2026年3月期は純利益4,900百万円(対前期比11.8%増)と、さらなる増益が予想されています。
- キャッシュフロー: 営業活動によるキャッシュフローは継続的にプラスであり、本業で安定して現金を創出できています。投資活動によるキャッシュフローは無形固定資産の取得などで支出が続いており、将来への投資を行っていることが伺えます。財務活動によるキャッシュフローは借入金返済や配当支払いにより支出が継続しています。現金及び現金同等物の期末残高は若干減少していますが、十分な水準を維持しています。
- 収益性・効率性: ROE(2025年3月期実績)は15.65%と高い水準を維持しており、株主資本を効率的に活用して利益を生み出しています。売上高営業利益率は13.6%と収益性の高さを維持しています。
- 財務安全性: 自己資本比率は64.6%(2025年3月期実績)と非常に高く、財務基盤は強固であると言えます。負債も減少傾向にあり、バランスシートは健全です。
9. 株主還元と配当方針
同社は株主還元に積極的な姿勢を示しています。
* 配当利回り(会社予想): 3.30%
* 1株配当(会社予想 2026年3月期): 60.00円
* 配当性向: 38.62%
配当は継続的な増配傾向にあり、2026年3月期も増配を予想しています。安定的な配当と高い配当利回りは、インカムゲインを重視する投資家にとって魅力的な要素となる可能性があります。筆頭株主の保有割合が高く、経営の安定性も確保されています。
10. 株価モメンタムと投資家関心
過去52週間の株価変動は-8.88%であり、市場平均(S&P 500の52週変動+10.61%)と比較すると劣後しています。直近の株価は特段の強い上昇あるいは下降の勢いは見られません。出来高は比較的落ち着いており、機関投資家や個人投資家双方からの活発な売買は限定的です。
信用取引においては、信用買残が信用売残を上回る買い長の状態ですが、直近週では信用買残が減少し、信用売残が増加しているため、需給面での改善が見られます。
株価への影響要因としては、今後の決算発表、サブスクリプション型サービスへの移行進捗、SaaS型新ERP製品のリリース、およびDX需要の増減などが考えられます。
11. 総評
ミロク情報サービスは、長年の実績と専門知識を背景に、会計・ERPソフトウェア市場で確固たる地位を築いています。強固な財務基盤と安定したキャッシュフローを持ち、売上と利益の堅調な成長を継続しています。特に、ビジネスモデルをサブスクリプション型へ転換する戦略は、今後の収益の安定性と成長性を高める可能性を秘めています。中期経営計画で掲げた目標達成に向けた施策も具体的に進められており、将来性への期待も持てます。
株価は業界平均と比較して割安感がある水準で推移しており、継続的な増配方針も示されていることから、中長期的な視点での動向が注目されます。ただし、足元の株価は高値圏から調整しており、明確な上昇トレンドにはないため、今後の事業進捗や市場の評価がどう反映されるかを見極める必要があるでしょう。
企業情報
銘柄コード | 9928 |
企業名 | ミロク情報サービス |
URL | http://www.mjs.co.jp/ |
市場区分 | プライム市場 |
業種 | 情報通信・サービスその他 – 情報・通信業 |
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このレポートは、AIアドバイザー「ジニー (3.0.0)」によって自動生成されました。
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